校内での感染予防策、どこまでやれば? 過剰な対応には弊害も 医師2人に聞く
(みなみ・きせい)信州大学医学部卒業後、長野県内の病院で勤務。2011年から現職。国際NGO「国境なき医師団」を通じてアフリカで医療活動も。
(さかもと・まさひこ)子どもの病気や不調についての疑問に答える、佐久医師会主催のスマートフォン用アプリ「教えて!ドクター」プロジェクト責任者。海外での医療活動の経験も生かし、情報発信に取り組む。
首相官邸主導の要請で始まった一斉休校。6月1日からは、各地の学校が再開されましたが、「学校生活の日常」は一変しています。
登校したらまず体温測定、校内でもマスク着用。手は頻繁に洗い、給食は前を向いて黙々と。友達との接触やおしゃべりは禁止。学校によっては、授業中に顔を透明なシートで覆う「フェースシールド」をつたり、個々の机を透明な「壁」で囲ったりと厳重です。
授業を再開するにあたり、全国の学校が参考にしたのは、文部科学省が5月22日に出した「衛生管理マニュアル」です。地域ごとの感染状況を1~3のレベルに分けて対応を決めるとし、具体的な予防対策が示されています(リンクはこちら)。
以下、一部抜粋
運動中のマスクは不要、蛇口を触る時に注意
マスクについて、マニュアルでは「常時着用が望ましい」とあり、例外的に「熱中症などの健康被害が発生する可能性が高い場合は外す」「体育の授業では必要ない」となっています。
南希成医師も「運動中は呼吸困難になりかねないから外した方が良い」と指摘します。ただ、頻繁につけたり外したりすると、かえってウイルスが指に付きやすくなるので、運動中以外で本人が息苦しくないのであればつけたままが良いと言います。繊維で皮膚が荒れたり、ひもの当たる耳の後ろが痛くなったりしないように、という注意も必要とのことです。
手洗いは、「流水とせっけんでしっかり洗うことが基本で、特殊な菌でなければアルコールなどによる消毒は不要」と南医師。ただ、手をきれいにしてもウイルスで汚染されている蛇口ハンドルを触ってしまっては効果がありません。できれば、ひじなどで開け閉めできるレバー式や、センサーが反応して水が出たり止まったりするタイプが望ましいそうです。回して開け閉めするタイプの場合、医療者は、ペーパータオルでつかみ、その都度捨てることもあると言います。
登校後、トイレの後、給食前などのタイミングで洗うと効果的で、洗った後は、なるべく目や鼻、口などを触らないようにと注意を呼びかけます。
教室の座席配置は、隣との距離が1~2メートルあるのが望ましいものの、向かい合って大声で話すのでなければ、厳密でなくてもいいそうです。クラスを二つに分けて人数を減らすといった対応も効果はあるのですが、「地域によって、可能な範囲で」とのこと。
フェースシールドについては、「マスクをしていれば、子どもがそこまでする必要はありません」と話します。医療者の場合、主に目からの感染を防ぐ意味もありますが、子どもたちは、目の前にシートがあることで視界がおかしくなったり、長時間使っているとシートが汚れて見にくくなったりするという弊害が大きいそうです。
教職員によるアルコールなどを使った消毒は、ドアノブやトイレの鍵、階段などの手すり、ロッカーの手で触る部分など、多くの子どもたちが触る部分で推奨されると言います。教室の中など空間全体を除菌するような製品で、学校で使えて効果的と言えるものはないので、例えば何かを噴霧するといった必要はないとのことです。
登下校中は「屋外ですし、マスクをして静かに話す程度なら集団登校でも問題ないはず。ただ、マスクをせずに大勢が大声で話しながら移動するのは避けた方がいいでしょう」。
学校の閉鎖で失われるもの
南医師は今後について、「地域の学校を一斉に閉じるとか、教育活動を大幅に制限するという対応は、このウイルスに関して適切とは思えません。徹底的にやらなくても予防はできるうえに、やればやるほど失われるものが大きくなってしまうからです」と語ります。家で過ごすことによる子ども自身のストレスのほか、保護者の負担が仕事への支障につながったり、家庭内のぶつかり合いや虐待を招いたり、「回り回っていろんなところに弊害が出てしまいかねない」と心配します。
日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会は5月、さまざまな論文をもとに、会員や医療関係者に対して「医学的知見の現状」を出しました(リンクはこちら)。
「患者で小児が占める割合は少なくほとんどは家庭内感染」「現時点では学校や保育所でのクラスター(集団感染)は極めて稀(まれ)」「ほとんどの小児症例は経過観察または対症療法で十分とされる」としたうえで、「教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身を脅かしている」と警鐘を鳴らしています。
具体的には「学校閉鎖は教育の機会を奪うだけでなく、屋外活動や社会的交流が減少することも相まって子どもを抑うつ傾向に陥らせている」などと指摘しています。
6月に入り、北九州市の小学校でクラスターとみられる事例が公表されましたが、それまで小中学校でのクラスターはほぼありませんでした。また、子どもは無症状や軽症が多いと報じられています。
医療機関と学校が連携を
「学校の先生たちは本当によくやっているなぁと思いました」と語るのは佐久総合病院佐久医療センター小児科の坂本昌彦医師。再開された健診で訪問した学校では、床にテープをはって、子どもたちが密着しすぎないようにするなど、さまざまな工夫をしていたと言います。
ただ、学校は対策について、他の学校と連絡を取り合うことはあっても医療の専門家に尋ねる機会が少ない点が気になるそうです。「あの学校もやっているのだからなどと横並びの意識が働くと、どうしても対策が過剰になりがち。学校同士だけでなく、医療者と連携できるように、医療側も問い合わせしやすい窓口を作ろうと動いています」と話しました。
また保護者に対しては、「子どものことを思えば不安が尽きないのは当然なのですが、感染リスクをゼロにすることはできないという前提で、どこまで対策や行動の制限をするのか考えましょう」と語ります。子どもへの対応は、大人が考えて従わせるケースがほとんど。「自分たちが心配だから、ということではなく、科学的な根拠があるのか見極めながら子どもにとっての最善を判断してほしい」
マイコメント
今回の記事は、文部科学省の出した『学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~』に掲載された事細かな注事項を知って欲しかったためであるが、このように出されてしまうと現場の先生方も従わざるを得ないような気がします。
つまりは諸悪の根源は文部科学省ということですね。普段から学校の授業はすべて文部科学省の出す「学習指導要綱」に従うことが義務付けられていて、これに従わない先生は排斥されてしまうようです。
そこに同調圧力があるということですね。これでは子供が何を言ったって、PTAで問題提起されたって先生方はすべて学習指導要綱にないものは拒否するでしょう。まさに軍隊方式です。
毎日マスクをかけさせられ、互いの会話も出来なくらい厳重に隔離され、ただただ先生の教えることだけ聞き、メモし、覚える毎日のどこが楽しいのでしょうか?休憩時間の行動すらコロナ対策の3密防止で制限されます。学校とは本来学ぶだけでなく、学友との様々な交流を経て培われる人格形成が大きな役割をもたらします。
それが出来ない学校に何の意味があるのでしょうか?
コメント
暗記脳、試験脳連中と現場を知らない連中が
得意で考えそうなことですね。
こういうくだらんことには全力注ぎますね。
こんなの、いずれ破綻しますよ。
コロナの事もバレ出してきてるし、今まで
「上手くいってるし、これからもそうだ」と
思ってた勢力の思惑が、そうはいかなくなって
きてるようですね。
いいことじゃないですか。
カナダはスーパーシティ法案が頓挫したようで。
日本もこれに続かないといけませんね。
ねこ 様
国民が騒げば彼らも計画をあきらめるか変えざるを得ない
ところまで追いつめられるでしょう。
アメリカではビル・ゲイツのワクチン接種計画が暗礁に
乗り上げたようです。
問題なのは日本ですね。マスコミを利用して大々的に
キャンペーンを行い、接種を義務化できるところまで
持って行く計画でしょう。
これもとん挫させないといけません。
それにしても、教育界は劣化一筋ですが、これも戦後の
左傾思想にかぶれた連中が今文部科学省のトップにいる
ことが原因ですね。
今がこれだと誰が何を言っても変えていくのは難しい
ことだろうと思います。
もっとも、総理大臣が言えば別ですが・・・。