信じられないほど重い!重加算税は35~50%
国民の三大義務の一つ、「納税」。さまざまな種類の税金がある税金ですが、これを納めないと一体どうなるのでしょうか? 元国税局員のさんきゅう倉田が解説します。
大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。法人税の調査などを行ったのち同退職、芸人となる。芸人活動の傍ら、執筆や講演で生計を立てる。好きな言葉は「増税」。公式サイト、Twitter
会社員であれば、毎月の給料から天引きされる住民税や所得税などの税金。これは、個人に代わって会社が納税しているからで、会社や、個人で仕事をしている個人事業者は毎年確定申告を行っています。
国税庁が行う税務調査によって、その申告の内容に誤りや不正が見つかれば、ただ税金を納めるだけでなく、罰金を払ったり、税金を納めるまでの利息を払ったりしなければなりません。この罰金を「加算税」、利息を「延滞税」といいます。
また、会社員であっても、副業や不動産収入など本業以外の収入があれば、税務調査を受けることもあるので注意が必要です。
●加算税とは?
税金は、収入に合わせて決められた額を払わなければなりません。お金を手元に残すためにルールを破ったことが明らかになると、納付すべき税金に加えて請求されるのが4つの加算税です。
・過少申告加算税 10~15%
税務調査などで、実際の所得よりも少ない額を申告していたなど、申告にミスが見つかった場合にかかる税金が過少申告加算税です。もし、税務調査が行われれば、ほとんどの場合追加で税金を払うことになる上、この過少申告加算税が取られると考えて良いでしょう。
・重加算税 35~50%
税金を払う額を減らすために、売上を除外する、架空の経費を計上するなどの、仮装・隠蔽などの不正があった場合にかかる税金です。
・無申告加算税 15~30%
申告期限までに申告を行わなかった場合には、無申告加算税がかかります。納税の場合は、必ず申告期限を守るようにしましょう。ただし、申告の内容が還付であれば、期限より遅れてもかかりません。なお、ごくまれに、何十年も申告していない会社がありますが、この場合ももちろん対象となります。
・不納付加算税 10%
会社が、源泉徴収される税金を期限までに納めなかった場合にかかるのが不納付加算税です。源泉徴収をするのは会社員のみなさんの勤務先なので、一般の人にはほとんど関係ありません。
●延滞税とは?
税金を納付していない場合は、期限を過ぎた日数に応じて延滞税がかかります。「確定申告はしたけれど、税金を納めていない」「期限後申告や修正申告をして、納めなければならない税金があった」「処分を受けて、納めなければならない税金があった」といった場合に、延滞税が発生します。
延滞税の利息は特例基準割合や日銀が定める基準割引率から算出され、毎年変動します。さらに、本来納めるべき期限から2カ月以内と2カ月超でも利息が異なります。
2カ月以内の納税で年2.6%(平成30年)、2カ月を超えて納税すると年8.9%(平成30年から令和2年)と、延滞が長くなるごとに利息が重くなっていくので、納税の必要がある場合は期限をしっかりと守りましょう。
●「脱税」と「申告漏れ」の違いって?
時折ニュースで耳にする「脱税」と「申告漏れ」。どちらも同じく納めるべき税金を納めていない状態のことですが、この2つはどう違うのでしょうか?
まず、税務調査によって、誤りや不正が見つかっても、“脱税”とされることはありません。脱税とは、国税局の査察部が強制調査を行って、告発することで認定されます。一般的なミスや不正は“申告漏れ”といいます。
脱税犯として起訴されるのは、悪い意味で選ばれた人たちだけで、本人に必ず脱税の認識があります。脱税の罪には、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金刑、あるいはその両方が科されることになっています。
●会社員と確定申告
会社員やパート・アルバイトは、基本的には確定申告が必要ありません。それは、勤務先が年末調整をしてくれているからです。
ただ、年末調整では対応できない、例えば、医療費控除や住宅ローン控除を受ける、副業をしている、ギャンブルで50万円以上の利益を得たような場合は、確定申告が必要です。なお、メルカリなどで、家にあった日用品を売っても確定申告は必要ありません。
●納税には正しい知識が必要
正しく申告しなければ、納めるべき税金は増えてしまいます。会社員であっても、給料以外のなにか特別な収入があれば、所得税の確定申告や、贈与税の申告が必要になるかもしれません。
しかし、「申告が必要だよ」とは誰も教えてくれないのが税金の怖いところ。誤りのないように、日頃から税金の知識を身につけておくことが大切です。
(さんきゅう倉田/ねとらぼおかね)
マイコメント
別に税金に対する恐怖感をあおるために転載したわけではありませんが、普段給与から
税金をあらかじめ引かれているサラリーマンやサラリーウーマンにとってはあまり
なじみのない話ですが、特に自営業者などで翌年になってから収入が減り運転資金が
不足してくると税金の支払いに困ることがあり、こうした延滞税や場合によっては
裏帳簿などに手を染め、結果として重加算税を払うことになる人も中にはいます。
それにしても、ものすごく重い加算税です。これだけで会社は潰れてしまうでしょう。
また、仮に潰れたとしても税金はゼロにしてくれません。その場合は毎月返済可能な
額を払い続けることになるのですが、延滞税8.9%が加算されます。
だから、よけい支払いが苦しくなり、場合によっては家屋を売却あるいは差し押さえ
という法的手段が取られることがあります。
国ってやくざより怖いですよ!
何しろ生活の困窮度なんか関係なく支払いを要求されますからね。
ただ場合によっては納税が消滅することもあるようですので、その辺はいろいろな
ケースがあるようですので、調べてみてください。
これは国税庁に支払いが移管された場合に限るようです。
また、税金を支払うことで生活が基準以下になると予想される場合には免除、減免
消滅などの措置が取られる場合もあるようです。
だから、こうした制度があることを知っておいた方がいいということでもあります。
それにしても国税局からにらまれたら、というより、国民を意のままに従わせる
という意図が見え見えですね。
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