30代も対象に…希望退職募集ラッシュ、企業の“パソナ&ランサーズ依存”進行の実態

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30代も対象に…希望退職募集ラッシュ、企業の“パソナ&ランサーズ依存”進行の実態

コロナ解雇”が全国で7万人を超え、裏でほくそ笑むパソナ

 厚生労働省は6日、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴ういわゆる“コロナ解雇”が全国で7万人を超えたと発表した。折しも音楽関連の事業を手掛けるエイベックスが5日、初の希望退職募集(100人)を発表して話題になった。しかし、その翌日にはゲーム・遊技機器メーカー大手セガサミーホールディングス(HD)がグループ7社で650人の希望退職者募集を発表。10日には「洋服の青山」「THE SUIT COMPANY」などを展開する紳士服大手の青山商事が、約400人の希望退職を募集すると発表するなど、社会に動揺が広がっている。

 いずれも希望退職の対象は40代を中心とする“働き盛り”の世代。かつて就職氷河期を経験し、今、住宅ローンや子どもの学費の捻出に追われる労働者が最もしわ寄せを受けることになる。だが、窮状にほくそ笑む業界がある。人材派遣大手のパソナグループや業務委託仲介大手のランサーズだ。

希望退職対象者の低年齢化が進む

 セガサミーHDの発表によると、今回の希望退職募集の対象者は一般社員が35歳以上、部長を除く管理職は45歳以上。青山商事は40歳~63歳未満で勤続5年以上の正社員・無期契約社員という。大手企業の希望退職の募集はこれまで50代を中心とする設計が目立っていたが、ここにきて低年齢化が大きく進行した形だ。

 一方、若手とはいえ勤続5年以上となれば、それなりのスキルもあるはずだ。セガも青山もそれぞれの業界で大きな存在感を持つ。前職の経歴を持ってすれば転職、再就職活動もうまくいくのではないだろうか。しかし、実態はかなり厳しいようだ。リクルート関係者は次のように話す。

「確かにセガさんや青山さんで働いて方たちは、当方で企業さんに紹介する際もしっかり前職の企業名をアピールできます。最近は35歳以上のミドル世代の需要もそれなりにあり、うまくマッチングできるケースも多いです。

 しかし、例えばゲームは大手ですら、今回のコロナ禍の影響を受けて各種家庭用ゲームの企画が停滞していて、雇用は低下気味です。遊技機器はゲームよりさらにニッチな業界かつ、コロナ禍でどこの遊技施設の営業も低迷しています。青山さんのような衣料品販売の営業は、そもそも小売り全般が厳しい状況にあるので、いわずもがなです。キャリアに見合ったお給料の仕事を紹介するにしても、イーコマース(EC)サイトの運用経験があるとか特出したスキルがなければ、かつての同僚同士で少ない椅子をめぐって競いあうことになると思います」

パソナやランサーズの影

 一方、スマートフォンゲームメーカー関係者はこうした状況下で、パソナやランサーズの担当者からの接触回数が増えたと語る。

「基本的にスマートフォンゲームのタイトルは毎月の売上が5000万円を切ると危険と言われています。製品版と違い、日々新しいタイトルが生み出され、忘れられていく業界なので、売上が落ちればさっさとサービスを終了して損切りをします。そのため、多くの企業が開発や営業に関わる人員の多くをパソナさんの派遣社員やランサーズが斡旋する業務委託社員に依存しています。

 最近、コロナ禍での希望退職増加の影響があるのかわかりませんが、パソナさんから『近く、大手ゲームメーカーを希望退職した有能な方をご紹介でそうです』と言った申し出や、ランサーズの担当者から『ご希望のスキル以上のフリーランスが年明けから新年度にかけて紹介できると思います』といった内々の話を聞くことが増えました

 これまでもパソナさんやランサーズさんから、『雇い止めにあった方の受け皿を探したい』という主旨でお願いを受けることはありましたが、最近の営業はどう考えてもセガさんなどの件を当て込んでいるように見えます。担当者の個人的な考えか、会社としての方針がそうなのかわかりかねますが、パソナさんなどにとって書入れ時なのだと思います。

 ちなみに以前、うちにいた派遣社員に聞いたところによると、複数社とマッチングせず、『斡旋しづらい』という評価になると、これまでのキャリアと関係のない物流や建設、介護などの仕事ばかりが紹介されるようになるとのことでした」

 図らずも、パソナグループ会長の竹中平蔵氏らが掲げる「雇用の規制緩和」「労働力の効率的流動化」が顕在化しつつあるということだろう。一方、TwitterなどのSNS上では一連の大手企業の人員整理方針に不安の声が続々と上がっている。

「日本これからどうなるんだよ… ベーシックインカム導入頼みます。それか底辺全員に生活保護受けさせてくれ」(原文ママ、以下同)

「希望退職という名のリストラね。リストラされた人は転職してもほぼ年収は下がる」

「物流業界が大口を開けて待っている。物流と食料品に流れれば良い」

「一部の自動車以外は軒並み大赤字。希望退職は大恐慌の入り口に立っただけ。年明けから地獄の時代が始まる」

 すでに雇い止めやリストラで、住宅ローンが支払えなくなり、自宅やマンションを売却し、ホームレス化する労働者の存在も一部報道で取り上げられている。現在、堅調な業界もまた、再拡大の兆候を見せるコロナ禍や、延期になった東京五輪開催の行方次第でどうなるかはわからない。社会保障の必要性を今一度、考える必要がありそうだ。

(文=編集部)

マイコメント


この状況が続くと来年の春には企業の明暗がくっきりと分かれそうな気がします。

しかし、現在のコロナ不況を見ているとこの記事が指摘しているように、政府とパソナに

よる手打ちがあったような気がしてならない。

いずれ不況になると思いますからそのときはパソナさんよろしくということだろう。

パソナにとっては願ってもない売り上げ倍増のチャンスだし、政府としても受け皿と

して機能してくれれば何とかなるだろうという安易な考えでしかない。

本当に日本経済が沈下しても政治家やお役人には痒くも痛くもないことだから黙って

見ているということになるでしょう。

果たして来年の春にどのような状況になっていることか・・・。


しかし、この記事を読まれている方ならそんな心配も少ないことと思います。

自ら切り開く気持ちの持ち方を知っているはずですから。


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