悪質な「ピンハネ男爵」竹中平蔵氏が五輪スタッフ派遣で儲かるカラクリ

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竹中平蔵 コロナウイルス

悪質な「ピンハネ男爵」竹中平蔵氏が五輪スタッフ派遣で儲かるカラクリ

ぼったくり、ピンハネは最初から仕組まれていた

新型コロナに喘ぐ国民が搾取される構図は、1年前と何ら変わっていないようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、東京五輪のスタッフに支払われるはずの、そもそもが法外な金額というべき賃金のほとんどが、竹中平蔵氏率いる人材派遣会社「パソナ」に流れるというカラクリを暴露。さらに昨年の「持続化給付金事業」でもパソナを始めとする自民党身内企業により行われたピンハネ行為を改めて俎上に上げ、その悪辣さを強く批判しています。

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ぼったくり男爵より悪質なピンハネ男爵

今回の東京五輪では、多くの市民をボランティアの名のもとにタダ働きさせる一方で、各会場で働く五輪スタッフには、最高で日当35万円という法外な賃金が税金から支払われます。この問題について、4月から厳しく追及して来た立憲民主党の斉木武志衆院議員は、5月26日(水)の衆議院の文部科学委員会でも、五輪組織委員会の布村幸彦事務総長と丸川珠代五輪相に対して質疑を行ないました。

これは毎日新聞のスクープですが、この問題について、斉木議員は4月から質疑を続けて来ました。しかし、丸川珠代五輪相は嘘に嘘を塗り重ねて逃げ続け、自民党政権は一丸となって立憲民主党の申し出た参考資料の配布を拒否するなど、必死に悪あがきを続けて来ました。

この日も、重大な資料である五輪組織委と東急エージェシーとの契約書と内訳書のコピーの配布が、自民党の拒否によって葬り去られてしまいました。ま、それはともかく、この問題を知らない人のためにザックリと解説すると、今回の東京五輪では、準備業務や運営業務を担当するディレクターなどに対して、普通では考えられない法外な賃金が支払われるのです。

たとえば「本大会に向けての準備業務」のディレクターは1人当たり1日35万円、40日間で1人1,400万円です。「大会準備期間における会場運営計画策定業務」のディレクターは1人当たり1日25万円、40日間で1人1,000万円です。他にも「大会期間中における会場運営業務」の運営統括やディレクターやスーパーバイザーらは日当20万円、サブディレクターは日当13万5,000円、アシスタントディレクターは日当10万円、マネージャーは日当5万円、サービススタッフですら日当2万7,000円です。募集人数は約800人、契約金額の合計は約6億2,300万円です。

終わりの見えないコロナ禍によって、生活に困窮する国民が数え切れないほど出続けている中、国民から搾り取った税金をこんなことに使うなんて、とんでもない話です。それでも、百歩ゆずって、これはこれで仕方ないことだとしましょう。しかし、許せないのはここから先の話なのです。

これらの人材確保は、五輪組織委員会が、電通や博報堂やADKや東急エージェンシーなどの大手広告代理店に丸投げしました。今回、立憲民主党の斉木議員が文科委員会で提示したのは、このうち東急エージェンシーと交わした契約書と内訳書ですが、それによると、最高額の日当35万円のディレクターの場合、代理店側は諸経費として15%、管理費として5%を上乗せし、五輪組織委には1日当たり42万円が請求されているのです。ようするに、東急エージェンシーは1日当たり7万円の利益を得るわけです。

それでも、百歩×百歩=1万歩ゆずって、残りの日当35万円が、ちゃんとディレクターに支払われるのなら、とりあえず「良し」としましょう。しかし、東急エージェンシーは広告代理店ですから、人材集めは本業ではありません。そこで、日当35万円で人材派遣会社へ丸投げしました。勘のいい人ならもう分かったと思いますが、ここで、菅義偉首相のブレーンである竹中平蔵氏が会長をつとめる人材派遣大手パソナの登場です。それでは、パソナのHPを見てみましょう。

何故なら、東京五輪に関する人材派遣は、すべてパソナが独占しているからです。事実、5月26日の文科委員会で、五輪組織委の布村事務総長は「すべてに渡ってパソナさんの権利が及んでいるという実態はない」と答弁しつつも、現時点での派遣スタッフのほとんどがパソナからの派遣であると認めました。

で、パソナのHPの「東京五輪大会スタッフ」の募集概要を見てみると、責任者でも時給1,650円、日当にして約1万2,000円です。五輪組織委が東急エージェンシーと交わした内訳書によると、責任者クラスは最低でも日当20万円以上なのに、パソナから本人に支払われるのは日当1万2,000円。これじゃあ、竹中平蔵氏は「ぼったくり男爵」ならぬ「ピンハネ男爵」ではありませんか。

こうした事実を知ると、この日当35万円だの25万円だのという法外な賃金は、最初から自民党の身内である竹中平蔵氏にピンハネさせる目的で設定されたものなのではないか?…と勘ぐってしまいますよね、普通は。

…そんなわけで、安倍晋三前首相は、新型コロナ以前も「モリカケ」だの「桜」だのと政治私物化による悪質極まりない税金泥棒行為を繰り返して来ましたが、新型コロナ以降も、この「国民から巻き上げた税金を自分たちの身内で山分けする」という自民党政権の伝統的な税金泥棒システムは、今日まで一向に是正されていません。新型コロナ以降も、安倍前首相による新型コロナを悪用した税金泥棒行為が次から次へと繰り返されて来たため、1年前のことなど忘れてしまった人も多いと思います。そこで、まずは1年少し前、昨年2020年4月にカレンダーを戻してみましょう。

当時、安倍首相は「桜」問題から逃げまわりつつ、自分の息の掛かった東京高検の黒川弘務検事長を検事総長にするため、法をねじ曲げて定年延長を強行しました。そのことで、野党だけでなくツイッター民からも集中砲火を浴びていました。その上、新型コロナの感染拡大によって初期の水際対策に失敗したことが露呈し、公私に渡り炎上してしまいました。

そこで、安倍首相が起死回生のために打ち出したのが、2020年4月20日に閣議決定した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」でした。感染拡大防止策と医療提供体制の整備に2.5兆円、雇用の維持と事業の支援に30.8兆円、経済活動の回復に3.3兆円、強靭な経済構造の構築に10.2兆円、今後への備えに1.5兆円と、総額48兆円を超える大盤振る舞いで、ガタガタになりかけた政権の立て直しを図ったのです。しかし、その後どうなったのか、皆さん覚えていますか?

この緊急経済対策の柱の1つは、中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円の現金を給付する「持続化給付金」でした。大企業のような体力のない中小零細が待ち望んでいた給付金です。しかし、フタを開けてみたら、この制度はすべて民間企業に丸投げされており、それを請け負っていたのが、電通やパソナやトランスコスモスなど自民党の身内企業が共同で設立した「サービスデザイン推進協議会」などという運営実体のないトンネル法人だったのです。


当時、「持続化給付金」の予算のうち769億円を受注した「サービスデザイン推進協議会」は、そのまま749億円で電通に再委託していました。書類1枚で国民の血税を20億円もピンハネしたわけです。その上、749億円で業務を受注した電通は、自分のところの子会社5社に丸投げし、そこからパソナやトランスコスモスなどに再々委託していたのです。もちろん、再委託のたびにピンハネが行われたのですから、中小企業や個人事業主に支払われた総額は大幅に減ってしまいました。

本来であれば、769億円の全額が中小企業や個人事業主のために使われるべき予算なのに、自民党政権が自民党の身内企業へ丸投げし、その身内企業同士がピンハネしながら予算をグルグルと迂回させ、甘い汁をタップリと吸った後の搾りカスを国民に恵んでやる。これが「国民から巻き上げた税金を自分たちの身内で山分けする」という自民党政権の伝統的な税金泥棒システムなのです。そして、それは、今回の東京五輪の全43会場の派遣スタッフの日当でも、当たり前のように行われているのです。

(『きっこのメルマガ』2021年6月2日号より一部抜粋・文中敬称略)

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