死者が続出し、山火事が多発する異常事態
40度を超える熱波に連日見舞われ、記録的猛暑が続いているアメリカとカナダ。
49.6度を記録したカナダ西部ブリティッシュコロンビア州では
ここ1週間で719件の突然死が報告された。
死者が続出し、山火事が多発する異常事態となっているが、
更にじゃ、道路や高速道路でひび割れや電線を溶かす事態も
引き起こしており、熱波はインフラまでも溶かしはじめているのだ。
アメリカ北西部とカナダ広範囲で記録的猛暑が観測
現在、太平洋岸北西部は地獄のような猛暑が連日続いている。
カナダの気温の記録は、日々記録的暑さを観測し、
多くの人が熱中症などで命を落としたり病院へ搬送される
という事態が起こっている。
6月28日、カナダの一部地域では48度近くを観測。
アメリカ・シアトルでは、熱射病で運び込まれる人が後を絶たず、病院の環境はコロナのパンデミックが始まったような状態になっているという。
また、オレゴン州の住民らには、
暑さを避けるためにペットを連れて「冷却センター」に避難するよう
呼びかけもなされているようだ。
暑さはインフラをも溶かす!?
猛暑に見舞われているのは人間だけではなく、
建物や道路なども文字通り太陽の下で溶けている。
道路や高速道路でひび割れが発生し、
シアトル近くの州間高速道路5号線では
2車線の閉鎖を余儀なくされた。
オレゴン州ポートランドでは、気温の上昇により電力線が溶け、
架空線が歪んだ後、路面電車の運行が3日間停止となった。
通常、ポートランドではこの時期の気温が32度を超えることは滅多にないため、これまで建物内にエアコンを設置することは優先事項ではなかった。
近くのシアトルでも、6月に外気温が29°Cを超えることはほとんどなく、エアコンが設置されている家は半数にも満たないという。
そうした環境の中、先週は太平洋岸北西部で
気温が50°C近くまで急上昇し、学校や地域のレジャー施設は
閉鎖を余儀なくされたようだ。
ポートランド州立大学の気候適応教授である
ヴィヴェク・シャンダス氏はこのように述べている。
余裕のある世帯がエアコンやその他の冷却装置を購入するという状況が続ている現在、地域の電力網が圧力の上昇の下で緊張し、電力が失われる事態に陥っています。
また、エアコン購入という需要の増加によって、電力価格がメガワット時(MWh)あたり記録的な334ドル(約37000円)にまで急上昇しました。
これは、5年間の平均の11倍以上にあたる数値です。
特に夜間は、こうした冷却装置へのアクセスに潜在的な影響を与える可能性があります。
今回の記録破りの熱波は、最近米国上院で可決された
新しいインフラストラクチャ法案の直後に発生。
この法案は、気候危機対策の欠如について
批判を集めていたようだ。
バンクーバーのワシントン州立大学のディープティ・シン助教授は、メディア取材で次のように警告を鳴らす。
今回の熱波は一生に一度だけ起こるというものではありません。地球温暖化の上昇により、近い将来非常に頻繁に再発する可能性のある状態です。
私たちのインフラ開発は、変化する気候条件を考慮する必要があり、地域や人々は、現在脆弱な気候変動の深刻な熱波や、その他の影響に対処する準備をする必要があります。
新型コロナウイルスとの戦いを強いられている人類だが、
仮にそれが収束しても、
長期間続くであろう自然の驚異との戦いが待っている。
そしてそれは想像を超えるほど過酷なものとなりそうだ。
written by Scarlet / edited by parumo
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