2000台超のロボットが走り回ってネット通販で注文された商品をまとめて梱包する自動化された最新倉庫の実態を収めたムービー
圧巻と言える作業ロボットが行き交う光景
スコット氏がやってきたのは、ロンドン南東部にあるOcadoの倉庫。この倉庫では、ユーザーがネットスーパーのOcadoで購入した商品が梱包されているのですが、商品の集荷・梱包を行っているのは人間の作業員ではなく、直方体型のロボットです。
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倉庫はサッカーのピッチ7面分の大きさ。
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このロボットが倉庫内を走行して商品をピックアップし、毎日100万点以上の商品を運んでいるとのこと。倉庫内にはロボットが走行するための通路が格子状に張り巡らされているのが特徴的。
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ロボットが走り回る倉庫内について、スコット氏は「カメラに収まりきらないほどで、信じられないほど広い」と語っています。そんな広大な倉庫内を縦横無尽に走り回るロボットの最高速度は時速14km。
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ロボット下部には各面に2つずつ走行用のタイヤがついており、これを用いて前後左右の四方向に移動することができます。
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Ocadoのロボティクスプロジェクトでマネージャーを務めるラリーサ・ティムチシン氏が、「金属製のレールが格子状に張り巡らされており、穴の中には製品が収納されています」と語るように……
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各穴の中にはさまざまな製品が収納されています。ティムチシン氏によると、各穴の中には合計で5万8000種類もの製品が収納されているそうです。
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それぞれ異なる製品が収納されており、ロボットは注文のあったものを必要な数だけ穴の中からピックアップしていくわけ。
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ティムチシン氏によると、この工場内で稼働しているロボットの数は約2300台ほど。ロボットの底面にはセンサーが搭載されており、このセンサーを用いて各穴の中に収納されている製品を識別し、必要なものをピックアップします。また、穴の中にはレーザーが設置されているので、ロボットを管理するシステムが「いつどの穴の上をロボットが通過したか」を常に認識できるようになっています。
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停止して食料品をピックアップしているロボットめがけて別のロボットが突進してきましたが……
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ぶつかる直前でピタリと停止。ロボットとロボットの間隔は最小でわずか5mm以内だそうです。
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そのまま横にずれて……
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停止しているロボットを回避していきました。
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食料品倉庫内で、注文頻度の高い商品ロボットはピックアップしやすい位置に収納されており、「ネットで注文が入ってから倉庫から商品をピックアップして配送用のトラックに詰め込むまでの時間」はわずか5時間程度で済むとのこと。
梱包処理のいくつかは人の手を借りるものの、ロボットアームを用いた作業もあります。
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Ocadoでロボティクスプロジェクトのマネージャーを務めるクリス・ウェブ氏が登場し、ロボットが走り回る格子状のレールの下にある、スペースの紹介が始まります。
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ここにはエレベーター式の設備があり、顧客が注文した商品をまとめたカゴが運び込まれます。
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カゴに商品の出し入れをするスペースには2台の3Dカメラが設置されており、カゴの中を撮影することで、出し入れされた商品が記録されます。
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ロボットアームがカゴに商品を入れていくのですが、ここでは重い商品や柔らかい商品を重ねないように注意されているとのこと。また、大きな商品や重い商品、壊れやすい商品はロボットアームでは出し入れできないため、人の手で行われる模様。
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倉庫内で稼働するロボットを制御しているのは「Hive Mind」と呼ばれる人工知能(AI)システム。Hive Mindはロボットが停止するべき場所などを正確に伝達するわけです。
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稼働中のロボットのうち、オレンジ色のランプを点灯させているものは、何かしらの問題に遭遇している可能性があります。
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停止したロボットは別室でロボットの動作を監視しているオペレーターが「何が起きたのか」を確認し、リモートから問題を修正することで再び作業に戻っていくとのこと。
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なお、このオートメーションシステムは、Ocadoを運営するOcado Groupの技術開発部門であるOcado Technologyが開発した、「Ocado Smart Platform(OSP)」と呼ばれるもの。OcadoはOSPについて、「弊社独自のエンドツーエンドのeコマース・フルフィルメント・ロジスティクス向けプラットフォーム」「注文から配達まで、オンライン食料品の配達プロセス全体を最適化するもの」と説明しており、Ocadoだけでなく世界中の食料雑貨店に提供しているプラットフォームであるとしています。
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