コロナ感染46人のうち30人(65%)がワクチン2回接種済み、7人(15%)が未接種者

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感染46人のうち30人がワクチン2回接種済み クラスター発生の病院 加東

ワクチン未接種者は感染しにくい?

 兵庫県は3日、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した加東市の精神科病院「加茂病院」で、陽性が判明した入院患者ら46人のうち、少なくとも30人はワクチンを2回接種済みだったと明らかにした。

 県や同病院によると、8月18日から9月1日までに入院患者41人、職員5人の感染が判明した。このうち65%の30人(入院患者27人、職員3人)は2回接種を完了。大半は、接種後に効果が十分に出るとされる2週間が経過しており、陽性判明時は30人全員が軽症だった。

 ほかに感染した16人のうち7人(15%)は1回も接種しておらず、残る9人は接種状況を確認中という。県感染症対策課の担当者は「ワクチンを2回接種しても感染しないというわけではない」とし、マスク着用といった感染対策の継続を呼び掛けている。(井川朋宏、霍見真一郎)

「ワクチンでは集団免疫は困難」分科会認めた デルタ株で狂った試算

新型コロナウイルスワクチンの接種率を高め、免疫をもっていない人も感染から守る「集団免疫」の獲得が難しくなっている。感染力の高い「デルタ株」が広がっているためだ。集団免疫の獲得は世界的大流行の収束につながると期待されていたが、ワクチンだけでは限界が見えてきた。今後は、それを踏まえて日常生活や経済をどう動かしていくのかが、焦点になる。

「全ての希望者がワクチン接種を終えたとしても、社会全体が守られるという意味での集団免疫の獲得は困難」。政府の新型コロナウイルス対策分科会が3日にまとめた提言には、こんな文言が記された。政府の資料で、希望者全員が接種した後でも、集団免疫が達成できないことが明示されたのは初めてのことだ。

 当初、新型コロナウイルス感染症に対する集団免疫は、60~70%の接種率で達成できる可能性があると試算されていた。この値は、ウイルスなどの感染しやすさを表す指標のひとつ「基本再生産数(R0)」から算出できる。新型コロナの場合、R0は当初2~3とされていた。

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