このままではウクライナは紛争に発展する可能性あり
【モスクワ=工藤武人】ロシア通信などによると、ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親露派武装集団が実効支配しているドネツク、ルガンスク両州の一部地域を近く「国家承認」する方針を固めたと、独仏首脳にそれぞれ通告した。
ロシアが国家として承認すれば、ウクライナの分断が固定化し、露軍部隊は親露派支配地域に公然と展開する見通しで、ウクライナや米欧の反発は必至だ。ロシアが軍事侵攻するとの懸念が強まるっているウクライナ情勢を巡る緊張が一段と高まることになる。
独仏は2014年にウクライナ東部で勃発した政府軍と親露派武装集団との紛争の和平協議の枠組みに参加している。独立承認の意向を事前に伝えることで、ウクライナに対し、紛争解決に向けた「ミンスク合意」の完全履行に向けて、直ちに行動を起こすよう迫る狙いもあるとみられる。
ロシアは14年3月にウクライナ南部クリミアをロシアに併合したが、その後、ウクライナからの独立を一方的に宣言した親露派支配地域については、併合や国家承認を避けてきた。
ロシアによる親露派武装集団への軍事支援は公然の事実とされてきたが、ロシアは紛争の「当事者」ではないとの立場を貫いている。
米、親ロシア派独立承認署名に対抗措置へ
ウクライナ東部にロシア軍派遣へ プーチン氏指示、「平和維持」名目
ロシアのプーチン大統領は22日、ウクライナ東部の親ロシア派組織が名乗る「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認し、これらの地域の平和維持のために軍の部隊を派遣するようロシア国防省に指示した。ウクライナ南部クリミア半島に続いてロシア軍が駐留することで、ウクライナ政府や欧米への圧力を強めることになる。
両組織のトップは21日、プーチン氏に独立の承認を求めると同時に、軍事支援を念頭にした友好協力条約の検討も要請した。
プーチン氏は同日、国家安全保障会議を招集し、親ロ地域の独立承認を議論。その後、国民向けのテレビ演説で、ウクライナ政府が停戦合意を履行せず、親ロ地域の住民への攻撃が続いているとして、独立を承認する考えを示していた。
親ロシア派は18日、「ウクライナ軍からの総攻撃が迫っている」として、住民をバスでロシアに避難させ始めていた。(モスクワ=中川仁樹)
配信
マイコメント
緊迫の度合いを増しているロシア・ウクライナですが、ロシアがウクライナ東部地域を議会の
推奨を受けついに独立国家承認に至りました。
ウクライナ東部地域を独立承認することはないだろうと思っていましたが、予想を裏切り意外
にも早く承認しました。
これにはウクライナ東部の親ロシア地域がウクライナ軍に攻撃されていることが影響していると
思われ、これに呼応する形で独立国家承認を行いウクライナ東部地域住民の安全を確保する狙い
があると思われます。
これによって、ロシアはウクライナ東部地域に軍隊を派遣することが可能になりました。
ただ、今回の独立国家承認はロシア単独の承認のため西側諸国の反発は大きいでしょう。
この後どのように事態が推移するかは不明ですが、ロシアと西欧諸国の軍事衝突だけは避けて
欲しいものだと思います。
コメント