アメリカ最大の貨物鉄道会社の「輸送量の削減義務」政策により、世界最大の肥料企業が「農家に春作物の肥料をまったく出荷できていない」状態であることが判明

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農耕地 食糧問題

アメリカ最大の貨物鉄道会社の「輸送量の削減義務」政策により、世界最大の肥料企業が「農家に春作物の肥料をまったく出荷できていない」状態であることが判明

今年の春の植え付けに必要な肥料が手に入らないということは・・・

世界最大の肥料企業のひとつである CF インダストリーズ・ホールディング社 (CF Industries Holdings Inc)が、会社のプレスリリースで、

「アメリカの農家に肥料をまったく出荷できていない」

と発表していることが、いくつかのメディアで報じられています。 (ZeroHedgeNatural News

理由は「排出ガス規制云々」ということによるものらしいのですが……。

アメリカでは、すでに、肥料の高騰により農作に影響が出始めていることが知られています。肥料高騰の最大の理由は、肥料原料の大産地であるロシアからの原料の輸出停止と、肥料の生産に不可欠な天然ガスの価格高騰によるものです。

 

[記事] 肥料パニック : アメリカの多くの農家の人々が「肥料を手に入れられていない」模様
 地球の記録 2022年3月14日

[記事] 肥料の原料「硝酸アンモニウム」の世界最大の輸出国であるロシアが、輸出を停止
 地球の記録 2022年2月28日

そこに今回の衝撃的な肥料企業からの報告があったわけですが……なんかもう……いろいろとダメかもしれないですね。

この春の植え付けの時期に、肥料が「まったく手に入らない」という生産者がいた場合、今季の生産はかなり厳しいものにならざるを得ないわけで、それなら最初から「今年は栽培しない」と決めても不思議ではないです。

この世界最大の肥料企業が肥料を出荷できていない理由は、

「鉄道会社からの輸送量の削減義務の通達」

と書かれているのですが、これがよくわからないですが、企業のプレスリリースには、

> 排出ガス制御製品

が規制を受けているということで、いわゆる温暖化対策のための排ガス規制などと関係しているのかもしれません。

規制しているユニオン・パシフィック鉄道というのは、アメリカ最大規模の貨物鉄道会社で、以下のような路線で貨物を運んでいますが、「ここに肥料の運搬が行われていない」ということのようです。

ユニオン・パシフィック鉄道の線路網

wikipedia.org

しかし、温暖化抑止でも何でもいいですけど、これは壊滅的な話ですよ。

「わざとか?」

と、やはり思ってしまうのですが、どうにも西側の多くの国が「自己崩壊」に進んでいるように見えて仕方ないです。

いずれにしても、今年のアメリカの農業状況は、

・持続する干ばつ

・現在の記録的な春の寒波

・壊滅的な肥料不足

で、相当なダメージを受けることは避けられなさそうです。

日本は、アメリカから非常に多くの作物を輸入していますが、農林水産省の少し古いデータ(2011年)では、

・トウモロコシはアメリカからの輸入額が全体の 90%
・大豆はアメリカからの輸入額が全体の 65%
・豚肉はアメリカからの輸入額が全体の 40%

などとなっていて、農産物全体でも 4分の1がアメリカからの輸入です。

厳しくなりそうですね。

企業 CF インダストリーズ・ホールディング社のブレスリリースを翻訳して、そのままご紹介します。


CF インダストリーズ社は、ユニオン・パシフィック鉄道からの通達により、肥料の出荷の削減あるいは配達の遅延が発生し、また、新しい鉄道運搬の注文が受け付けられなくなりました

CF Industries: Union Pacific Curtails Fertilizer Shipments, Delaying Deliveries and Preventing New Rail Orders from Being Taken
CF Industries 2022/04/14

水素および窒素製品の世界的大手企業である CF インダストリーズ社は本日、ユニオン・パシフィック鉄道での輸送サービスを提供している顧客の皆様に、鉄道に義務付けられた輸送量の削減により、春の申請シーズン中に窒素肥料の輸送が遅れることを通知しました。

そして、当面の間、ユニオン・パシフィック鉄道を含む新しい鉄道での運送が受け入れられることができないだろうと通知しました。当社は、これらの制限に直面している 30社のうちの 1社であることを理解しています。

CFインダストリーズは、主にルイジアナ州のドナルドソンビル・コンプレックスとアイオワ州のポートニール・コンプレックスからユニオン・パシフィック鉄道を経由して顧客に肥料を出荷しています。

ユニオン・パシフィック鉄道は、アイオワ州、イリノイ州、カンザス州、ネブラスカ州、テキサス州、カリフォルニア州などの主要な農業地域に運行しています。

影響を受ける製品には、尿素や尿素硝酸アンモニウムなどの窒素肥料や、ディーゼルトラックに必要な排出ガス制御製品であるディーゼル排気液が含まれます。

CFインダストリーズは、北米で最大の尿素、尿素硝酸アンモニウム、およびディーゼル排気液の生産社であり、その生産工場は、北米で最大の単一生産施設です。

CFインダストリーズの社長兼最高経営責任者であるトニー・ウィルは、次のように述べています。

「春の施肥を完了するために必要な肥料が、農家の方々の手元ににまったく届かない可能性があります。この恣意的な制限をほんの一握りの荷送人に課すことにより、ユニオン・パシフィック鉄道は農家の方々の収穫を危険にさらし、消費者の食料コストを増加させています」

2022年4月8日、ユニオン・パシフィック鉄道は CF インダストリーズに事前の通知なしに、特定の荷送人に鉄道の自家用車の量を直ちに削減するよう義務付けていることを通知しました。出荷量を 20%近く削減するように述べています。

CFインダストリーズは、肥料の配送に遅れが生じる可能性はあっても、目的地への鉄道輸送のためにすでに契約されている製品の配達を引き続き遂行できると考えていますが、ユニオン・パシフィック鉄道は、コンプライアンス違反により施設が鉄道で禁輸されると当社に伝えたため、CFインダストリーズは、シーズン後半の肥料需要を満たすためにユニオン・パシフィック鉄道を含む新しい鉄道注文を受け入れるための利用可能な輸送能力を持たなくなる可能性があります。

窒素肥料の施用は、作物の収穫量を最大化するために重要です。

鉄道輸送の制限などのサプライチェーンの混乱により、農家の方々が今シーズンに必要なすべての窒素肥料を確保できない場合、当社は収穫量が低下すると予想しています。これにより、世界の穀物在庫を補充するためのタイムラインが延長される可能性があります。

世界的な穀物在庫の低さは、窒素肥料を消費する作物の前月と先物の高値を引き続き支えており、これが食料価格の上昇の要因となっています。

CFインダストリーズは、春の植え付けに悪影響が及ばないように、肥料の出荷を優先するよう連邦政府と直接連携する予定です。

「 CFインダストリーズの北米の製造ネットワークは、顧客、農家の方々、消費者のニーズを満たすために生産を続けています」とウィル CEO は述べています。

「私たちは連邦政府に、これらのユニオン・パシフィック鉄道の輸送制限を撤廃し、この重要な肥料が必要なときに必要な場所でアメリカの農家に届くようにするための措置を講じるよう要請します」

マイコメント

食糧危機は自然に起きるのではなく人為的に引き起こされているというのが正しいようです。

それも誰かの指示によって・・・。

戦争が長引くにしたがって、このような口実が公然と語られ、世界的な危機がさらに多く

なりそうな気配です。

問題がこうした影響が日本に及ぶかどうかですが、輸入作物に頼る日本としては影響が
避けられないかもしれません。

それまでに戦争が終わればこうした危機も回避されるでしょう。

コメント

  1. […] […]

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