財務相「日銀、政府子会社でない」 安倍氏発言を否定
鈴木俊一財務相は13日の閣議後の記者会見で、日銀の独立性に関して「日銀は政府が経営を支配している法人とは言えず、会社法で言うところの子会社にはあたらない」と述べた。「日銀は政府の子会社だ」とした自民党の安倍晋三元首相の発言を否定したものだ。日銀法により「金融政策や業務運営の自主性が認められている」と強調した。
鈴木氏は日銀が保有する国債について「日銀が金融政策の一環として買い入れているもので、時々の金融政策によって大きく変動しうる」と指摘した。「永続的に日銀が国債を買い入れる前提に立った財政運営は適切とは考えていない」と訴えた。
安倍氏は9日、大分市で開いた会合で「(政府の)1000兆円の借金の半分は日銀に(国債を)買ってもらっている。心配する必要はない」とも語っていた。
安倍元首相「日銀は政府の子会社」 官房長官は論評せず
松野博一官房長官は10日の記者会見で、自民党の安倍晋三元首相が「日銀は政府の子会社だ」と発言したことについて「コメントは差し控える」と述べた。「日銀法上、日銀の通貨と金融の調節での自主性は尊重されなければならない」と指摘した。
安倍氏は9日、大分市の会合で「(政府の)1000兆円の借金の半分は日銀に(国債を)買ってもらっている」と指摘。「日銀は政府の子会社なので60年で(返済の)満期が来たら、返さないで借り換えて構わない。心配する必要はない」と話した。
茂木敏充幹事長は10日の記者会見で、安倍氏の発言の受け止めを聞かれ「発言を聞いていないのでどういう趣旨かわからない」と話した。日銀の金融政策に関しては「あるべき経済を考えるうえで金融政策はどうあるべきか考える議論が必要だ」と強調した。
立憲民主党の西村智奈美幹事長は同日の記者会見で「とうとう安倍氏の本音が出た。国会対策委員会とも連動して問うていかなければならない問題だ」と批判した。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「政府と中央銀行を連結ベースで考えるのはそれほど珍しくないと認識している」と語った。日銀は国債の直接引き受けをできないことを踏まえ「現時点でにわかに独立性が害されるとは思わない」とも指摘した。
黒田総裁「日銀は政府が経営支配せず」 安倍氏発言巡り
日銀の黒田東彦総裁は13日、自民党の安倍晋三元首相が「日銀は政府の子会社だ」と発言したことについて「日銀は政府が経営を支配している法人ではない」と述べた。日銀は政府から過半の出資を受けているものの、「出資者には議決権が付与されていないし、政策委員会が決定を行う仕組みとなっている」ことを根拠に挙げた。
内外情勢調査会でオンライン講演した後、質問に答えた。黒田総裁は「安倍元首相の発言について具体的にコメントすることは差し控える」と前置きした上で、日銀の金融政策や業務の運営は「日銀法により自主性が認められている」と強調した。
安倍氏は9日、大分市の会合で「(政府の)1000兆円の借金の半分は日銀に(国債を)買ってもらっている」と指摘。「日銀は政府の子会社なので60年で(返済の)満期が来たら返さないで借り換えて構わない。心配する必要はない」と語っていた。
立民幹事長、安倍氏発言を批判 政府・自民は論評避ける
自民党の安倍晋三元首相が「日銀は政府の子会社」と発言したことに対し、立憲民主党の西村智奈美幹事長は10日の記者会見で「とうとう本音が出たかなと思う。大変問題だ」と批判し、国会で政府側をただしていく方針を示した。松野博一官房長官は直接の論評を避け、中央銀行としての独立性が重要との認識を示すにとどめた。
西村氏は「アベノミクスと称して異次元の金融緩和を主導してきた結果として今の日本の財政、経済状況になっている」と指摘。「子会社」発言について「やはりそういうふうに思ってきたということだ」と反発した。
一方、松野長官は会見で「個別の発言にコメントは差し控える」とした上で「日銀法上、日銀の通貨と金融の調節での自主性は尊重されなければならないとされている」と述べるにとどめた。自民党の茂木敏充幹事長も会見で「金融政策については日銀の自主性、独立性に委ねられるのが基本」と語った。
国民民主党の玉木雄一郎代表は会見で「政府と中央銀行を連結ベースで考えるのはそれほど珍しいことではない。いわゆる統合政府という考え方だ」と発言に理解を示した
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こういうことに関してはとても反応が早い財務省です。
先日も国民の借金1400兆円とかマスコミに言わせてましたからね。
火消しに躍起になっているようです。
でも、記事の主題がおかしいでしょう。「財務省は日銀の子会社」というところだけ
強調されていて、肝心の日銀が購入した国債を政府は返済しなくともいいという
ところがすっぽり抜け落ちて報道されています。
肝心なところはここだと思うのですが・・・。
敵もさるものです。
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