一般向けに3回目の接種が始まった2022年1~2月の時点では、市側では国からのワクチンの配布量を差配できなかった。国からは2月上旬に使用期限が5月28日までのモデルナ製ワクチン約12万3000人分が届き、さらに使用期限が6月10日までのワクチンも約8万400人分が届いた。
横浜市では21年12月時点で、7割を超える市民が2回目の接種を終えていた。市の担当者は、5月28日に期限を迎える3回目の接種分についても、「3月には使い切れると見ていた」と明かす。
だが3回目の接種は想定より大幅に伸び悩んだ。2月には、接種率が約5%にとどまり、全国の政令市で最下位となった時期もあった。集団接種の機会を増やしたことなどもあって持ち直したものの、若者の接種は伸びず、5月20日時点の20代と30代の接種率は40%前後にとどまる。
川崎市でも使用期限が6月10日までのワクチン約2万7000人分を廃棄する可能性がある。小田原市は、23日までが使用期限のワクチン計約1万3305人分を廃棄する見込みだ。
接種率が伸びない背景には、新型コロナの流行の長期化による「緩み」があると指摘されている。とりわけ若年層では、オミクロン株はデルタ株などと比べて重症化しにくい傾向があり、これも緩みを助長している可能性がある。
さらに、モデルナ製は、ファイザー製と比較して心筋炎や心膜炎などの症状が確認されるリスクが高いというデータもある。モデルナ製の方が、比較的副反応が重いとの不安も相まって、モデルナ製が敬遠される要因になっているとみられる。
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