マスク、屋外ではほぼ不要と政府が決めても「結局外せない」? もうすぐ夏、今年はどうする
一回身についた習慣は元に戻すのが難しい日本。論理より感情が勝る!
マスク着用を巡る議論に、政府がついに“終止符”を打った。23日、新型コロナウイルス対策の指針「基本的対処方針」を改定し、マスクを外せる具体的な例を提示した。読む限り、屋外ではよほど人が密集していない限り、ほぼマスクは不要であるように思える内容だ。政権幹部はこれまで慎重姿勢を崩さなかったが、夏本番を前に「コロナ疲れ」する国民の声に押し切られた形だ。 ただ、その後も首都圏在住の記者が見る限り、多くの人々は屋外でマスクをしている。背景には「着けないと人の目が気になる」という同調圧力を感じる人や、コロナ時代の新しいマナーだと見る向きがありそうだ。マスクと迎える3年目の夏を、私たちはいったいどう過ごせばいいのだろう。(共同通信=城和佳子、江森林太郎) ▽「体育の授業」「2歳以上の未就学児」「屋外で会話なし」は不要 専門家の見解などを受けて、政府が基本的対処方針に追加したマスク不要の具体例は次のようなものだ。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会であいさつする山際経済再生相(右)。左手前は尾身茂会長=4月
(1)屋内で他者と身体的距離が取れて会話をほとんど行わない場合 (2)屋外で他者と身体的距離が確保できる場合 (3)屋外で他者と距離が取れない場合でも、会話をほとんど行わない場合 (4)学校で十分な身体的距離が確保できる場合や体育の授業 (5)夏場は熱中症予防の観点から、マスクを外すことを推奨 (6)2歳以上の就学前の子どもは、他者との身体的距離にかかわらず、着用を一律には推奨しない このうち、2歳以上の就学前の子どもについては、政府が着用を推奨するとの方針を2月に追加したばかり。わずか3カ月での方針転換となった。 ▽あちこちから噴出する「脱マスク」の声 今回、マスク論争の口火を切ったのは、日本医師会(日医)の中川俊男会長だった。「ウィズコロナでマスクを外す時期が日本に来るとは思っていない」「マスクを外すのはコロナが終息した時」。4月の記者会見で述べたこの発言に、インターネット上で火が付いた。「マスクはもう一生手放せないのか」「絶望的な気分になる」など、マスク生活にしびれを切らす声があふれた。
ただ、政府関係者の間でも当初は「5月の大型連休は人の移動が多かった。その影響を少し見極める必要がある。緩めるのは時期尚早だ」と警戒感が強かった。 一方、緩和派の先頭を走ったのは山際大志郎経済再生担当相。「外にいる時はもうマスクはいらないと思う」と4月下旬にいち早く表明。医療界からも、東京都医師会の尾崎治夫会長が「屋外での着用は見直してもいいのでは」と促した。 岸田文雄首相自身が大型連休中の外遊で、各国首脳とマスクを外して会談した姿が報じられると、インターネット上でマスク不要論が加速。「脱マスク」への攻勢に押し切られるように、政府の分科会の尾身茂会長ら専門家有志は19日、屋外で周囲との距離が十分に確保できない場合でも、会話が少ない徒歩での移動時などは、マスクを着用する必要はないとする見解をまとめた。 実は、屋外のマスクを巡る議論は、「第6波」がピークを越えたころから、政府の分科会でも問題提起が始まっていた。具体的には、マスク着用を「屋内に限定してはどうか」という趣旨だ。
2021年5月の東京・渋谷の様子(一部加工しています)
4月8日の分科会では、大阪大の大竹文雄特任教授が、屋外は原則不要とするなど「メリハリのついた対策を呼びかけることが重要」と発言している。しかし、他の委員から慎重な意見が相次ぎ、国民へのメッセージ発信は見送られていた。 重症化しにくいとされるオミクロン株の特性を受け、政府は大規模イベントや入国制限などが徐々に緩和している。コロナ疲れした国民を意識し、「参院選前に明るいメッセージを」と求める声が与党内からも上がっていたという。 日本の23日時点の新規感染者数は政府のデータで1万8396人。5月の大型連休後も急増せずに推移している。 一方、屋内でも外せるのはいつなのか。東京医大の浜田篤郎特任教授(感染症学)は「3回目接種率が欧州並みの60%以上になることが必須だろう」と分析する。日本のワクチンの3回目接種率は23日時点で57・6%。“その日”は近そうに見える。 ▽「空気を読む」日本、政府方針だけでは及び腰?
海外では、米国が全州でマスク着用義務を廃止した。英国やフランスでも不要とし、韓国でも屋外での着用義務を解除した。「オミクロン株での危険度が下がった」との見方や、新型コロナワクチンの普及が理由だ。 日本はこうした国と異なり、着用が義務ではない。政府がマスク着用を「推奨」しているだけで義務のような強制力はない。 それでも私たちがマスクに縛られるのはなぜか。街行く人に聞いてみた。すると「(長引くマスク生活で)着けずに外を歩くと変な顔で見られそう」(30代の会社員男性)、「マスクなしの顔を見せるのはちょっと恥ずかしい」(50代の団体職員女性)という声が上がった。現状では、外すことに抵抗を感じるような意識が生まれている。 同志社大政策学部の太田肇教授(組織論)はこう分析する。「日本人は周囲の目を気にする人が多い。今回示された政府方針だけでは、マスクを外すのにみんな及び腰だろう」 太田氏は、さらなる緩和に向けて「政府は多くの場面で着用を推奨するのではなく、今後は推奨する場面を限定的にすることが必要だ」と、段階的に道筋を示す必要があると話す。また、「脱マスク」の機運を盛り上げるにはマスコミの役割も大きいとした上で、「最終的には各自の判断に委ねるのが望ましい」と話した。
あなたはマスク、外しますか?
Yahooのみんなの意見では93,717人が投票して着用したくないが62.2%、およそ3人に2人が
着けたくないと思っているのに外した人が少ないのは同調圧力が働くからでしょう。
周囲の目をことさら気にする日本人の姿が浮かび上がってきます。
他人と違う自分を見せるのが怖いという心理がそこにあり、集団に溶け込むことで得られる
安心感が根底にあります。
学校でも職場でも近所でも他人と違うことを責められる日本社会の異質さがわかっていて修正
出来ない様相がそこにあります。
このままではいくら必要ないと訴えても、いくらマスクの健康被害を訴えても無理でしょう。
論理より感情論が勝っているということです。
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