骨密度の低下が回復せず。1年後で約半分までにしか戻らない
【ワシントン・ロイター時事】国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在した宇宙飛行士の骨を分析したところ、地球帰還後も骨密度の低下が完全には回復していないことが分かった。科学誌サイエンティフィック・リポーツに論文が掲載された。
研究チームは男性14人、女性3人の宇宙飛行士を対象に、地球帰還1年後の骨量減少や骨密度の回復度合いに関するデータを収集した。飛行士の平均年齢は47歳で、宇宙滞在期間は4~7カ月。
調査の結果、脛骨(けいこつ)の骨密度が平均2.1%、骨の強度も同1.3%低下していることが判明した。うち9人は、骨密度の下がった状態が恒常化しているという。
研究を主導したカルガリー大のゲーブル教授は「飛行士らは6カ月間の宇宙滞在で、地上の年配者の20年分の骨量減少を経験し、帰還から1年たってもその半分しか回復しない」と指摘した。
ゲーブル氏は骨量減少について、地上で骨にかかる負荷が、宇宙にはないことから起きると説明。そうした事態を避けるため、各国の宇宙当局が運動管理や栄養学などの対策を強化する必要があると主張した。
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