ワクチン未接種者を差別「3回接種」「陰性証明」を人質にする「全国旅行支援」の超デタラメぶり
公衆衛生学上全く根拠のない差別政策だ!
岸田文雄総理肝煎りの「全国旅行支援」が、10月11日にスタートする。
だが、割引サービスを受けられるのは、これまでの「GoToトラベル」や「県民割」と同様、原則としてコロナワクチンを「3回以上接種した人」に限られる見通しだ。
一方、1回接種者、2回接種者、未接種者については、旅行出発日から数えて2日以内か4日以内の時点での「陰性証明」が求められる模様だが、これらの条件を巡っては、専門家の間から「全く意味がない」「差別を助長する」などの厳しい批判の声が上がっている。
例えば、感染症学の専門家は、アキレ顔で次のように指摘している。
「そもそもワクチンは感染予防を目的としたものではなく、感染後の発症予防や重症化予防を目的としたものです。事実、接種回数に関係なく、ワクチン接種者からも多数のブレイクスルー感染者が出ている。一定の感染予防効果があるように見えるのは、無症状のブレイクスルー感染者がいるためです。また、未接種者に提出を求めている陰性証明も、検査時点での陰性を証明しているにすぎず、旅行開始時点での陰性を証明しているわけではありません。科学的に見れば、3回以上接種も陰性証明も、感染拡大防止に寄与しないどころか、全く意味がないということになります」
それだけではない。公衆衛生学の専門家は、激しい怒りを露わにするのだ。
「本来、ワクチンを接種するかしないかは、本人の自由だったはずです。しかも接種者と同様、未接種者もコロナに感染して免疫を得ることで、いわゆる集団免疫の形成に貢献してきた。実際、接種者も未接種者も他人に感染させるリスクは同等であり、未接種者にのみ陰性証明の提出を求めるのは不平等です。未接種者に対する差別や偏見は当初からありましたが、これでは国が率先して差別や偏見を助長している、と言われても仕方がないでしょう。公衆衛生学の見地から言っても、発熱などの症状のある人は別として、そうでなければ、旅行者が一定の感染予防対策を旅行中に行うことを条件に、全ての国民に対して等しく割引サービスを実施するのが正しい選択肢なのです」
言うまでもなく、全国旅行支援の原資は税金である。ゆえに、科学的にも根拠のない未接種者らへの差別は許されないのだ。
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