自治体に“脅し”も。なぜ政府はマイナンバーカード普及をここまで急ぐのか
目的は隠れ資産課税
血税を原資としたポイントのばら撒きや健康保険証との紐づけ等々、マイナンバーカードの普及に躍起の日本政府。なぜ彼らはここまでして国民にマイナンバーカードを持たせたがるのでしょうか。今回のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』では投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹兵輔さんが、岸田政権が性急に事を進めようとする理由を考察。2024年度に予定されている新紙幣発行とマイナンバーカードとの関係についての、ある「恐ろしい噂」を紹介しています。
マイナンバーカードの普及を急ぐ政府の本当の狙いは国民への「資産課税」!
みなさま、こんにちは!「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。今回のテーマは、「マイナンバーカード普及を急ぐ政府の本当の狙いは国民への資産課税!」というテーマでお届けしたいと思います。
マイナンバーカードは、まだ国民の半分ぐらいしか取得していません(2022年9月末時点で49%)。政府はマイナポイント2万円相当額分付与だの──と税金の無駄遣いにまで拍車をかけて、普及に躍起ですが、ちっとも浸透していきません。
マイナンバーカードが普及しない理由は「必要性を感じない」が最多!
マイナンバーカードを取得しない理由を、内閣府が世論調査(2018年)で尋ねたところ、「必要性が感じられない」が58%と最多で、「身分証明書は他にもある」(42%)、「個人情報の漏えいが心配」(27%)、「紛失や盗難が心配」(25%)と続いています。その他の調査でも、「申請手続きが面倒」「銀行口座との紐づけが心配」「情報漏洩の懸念」などが毎回のように回答に上がります。カードの魅力が乏しい上に情報漏洩に不安を感じる人が多いのです。政府に個人情報を一括丸抱えで握られることへの反発も少なくないのです。
現時点においても、銀行口座や証券口座を作る際には、マイナンバーのみの提出が求められます。マイナンバーカードを作らなくても、割り当てられた、この番号だけでも、不便を感じないという人も少なくないのです。なぜ、わざわざ1枚のカードに多岐にわたる情報を紐づけようとするのでしょうか。まさしく、国民一律監視制度に他ならないのではないでしょうか。
政府は来年度から、自治体ごとのマイナンバーカードの普及率に応じて、国が配る地方交付税の算定に差をつける方針も明らかにしています。普及率が高い自治体を財政面で優遇する──というのです。これは、普及率が低ければ、交付税を減額する──というのと同じです。
地方交付税は、自治体が住民への行政サービスを一定水準で提供できるよう国が配分するもので、自治体の財源不足を補う必須の財源です。それを標的に自治体に脅しまでかけているのですから呆れます。もはや政府が自治体を兵糧攻めにする構図なのです。国民だけでなく、自治体までもが反発するのは当然でしょう。政府は来年3月末までに、ほぼすべての国民にマイナンバーカードを行き渡らせる目標ですが、性急すぎて国民の反発を呼ぶだけなのです。
また、法改正を行って、自治体だけでなく、全国に2万4,000ある郵便局でも、マイナンバーカードの申請や交付が出来るようにする方向で動いています。
そして、なかなか普及が進まないマイナンバーカードに、いよいよ業を煮やした政府は、今年6月の閣議決定の「骨太方針」でマイナンバーカードと健康保険証を紐づける計画を発表しました。運転免許証との紐づけ程度では、国民全員を網羅出来ないので、まず最初に健康保険証と紐づけることで、国民全員を網羅することにしたのでした(2024年秋までに現行の健康保険証を廃止すると発表)。
任意取得のはずが、マイナンバーカードの事実上の「強制取得」へと舵を切ったのでした。本当にふざけた話なのです。「聞く耳」もロクにもたず、「丁寧な説明」と言いながら、ロクに説明もしない、口先だけの詐欺師まがいが岸田政権の正体だったのです。
次ページ;安倍政権が国民に対して行った姑息な印象操作
カードの一元管理という紐付けがやたら多いのが日本の特徴!
ところで、このマイナンバー制度はどういう経緯でスタートしたのでしょうか。
2013年5月に安倍政権下で成立した「マイナンバー法」ですが、15年から個人番号通知カードを配り、16年1月から税金(所得税・住民税)、社会保障(年金・健保・雇用)、災害(被災者台帳作成)の3分野に限り、「紐付け」しての運用開始でした。
自治体に個人番号の申請を行えば、身分証代わりの写真入り個人番号カードも交付されます。この制度は、かつて何度も頓挫した「国民総背番号制度」の導入に他なりません。2012年に民主党政権が提出した法案(解散で廃案)をベースに安倍政権が成立させたものでした。「マイナンバー」などと親しみやすい名称ですが、「国民監視制度」のスタートに他ならない天下の悪法なのです。
当時の安倍政権は、他の先進国でも共通番号制度が導入されているかのような印象操作を行いましたが、すべてがとんだまやかしでした。米国では、税と社会保障のみに限定の上での選択制です。それでも情報漏洩や成りすまし犯罪を急増させました。イギリスは、06年に任意加入でIDカード制を始めましたが、政権交代でプライバシー侵害の悪法として廃止されました。ドイツやイタリアは税務識別のみの共通番号です。日本のように預金とリンクさせたり、これから様々な分野の「紐付け」を増やす狙いが透けて見えるのは、日本のマイナンバー制度だけなのです。
すでに閣議決定によって、18年1月から預金口座へは任意でのマイナンバー提示を求めるように仕向けました。おそらく、預金口座もそのうちすべてが「強制」になるでしょう。小さく導入して、大きく膨らます──これは歴代自民党政権のやり口だからです。国民に反対されそうな法律は、最初は小さく生んで大きく育てる──が伝統手法だからです。消費税もしかりだったでしょう。
キャッシュレス時代に新紙幣発行の謎?
今後は不動産の登記情報、過去の病歴などを含めた医療情報、すべての預金口座の残高、学歴や職歴、勤務先や戸籍の情報、犯歴や家族構成に加えて、顔認証や遺伝情報といった超極秘の個人情報との「紐付け」も視野に入ってくるはずです。国民のプライバシーを丸裸にしていくわけで、中国共産党の監視政策を踏襲するような路線です。
ところで、マイナンバーカードの保険証としての活用は、すでに2021年10月から始まっていますが、現状では使えない医療機関だらけです(読み込み機器導入医療機関は3割のみ)。カードの読み取り機器の導入コストや毎月3,000円かかる保守管理費、数年ごとの機器更新の費用負担もあり、肝心の医療関係者の7割がオンライン資格確認(健保の利用資格のチェック)に反対しており、全国保険医団体連合会も、会長名でオンライン資格確認の義務化に反対を表明しています。
なぜ政府は、性急に事を進めようとしているのでしょうか。実は、2024年の新紙幣発行(改札)と大いに関係がある──とする穿(うが)った見方もあるのです。
ご承知の通り、2024年度前半には、新紙幣発行での改札が行われます。政府は、20年毎に行う偽札防止のための改刷──と説明していますが、本当にそうでしょうか。キャッシュレス化社会を目指すご時世に、わざわざ新紙幣を発行する意味をいぶかる向きも少なくないのです。キャッシュレスとは、現金での決済をしないことです。
日本は現金信仰が根強いことと、ATM網のインフラが普及していること、またプリペイドカードやクレジットカード、公共料金引き落とし制度などの多くのキャッシュレスサービスがありすぎて複雑なため、かえって全体統括でのキャッシュレス化が遅れているといわれます。
中国では屋台での決済や物乞いへの寄付もスマホ1台で行われています。皮肉な話ですが、日本のような先進国より、偽札横行で不便このうえなかった国のほうがキャッシュレス化が一気に進んだのです。
日本のキャッシュレス決済比率は2020年に30%近いものの、政府は25年の大阪万博までに40%台を目指す考えです。
キャッシュレス化がすすんだ国では、現金を一切持たずスマホだけで決済が完結します。日本もコロナ禍後を見据えて、インバウンド需要取り込みのためにもキャッシュレス社会を目指しているのですが、不思議なことに2024年に新紙幣を発行するというのです。
次ページ;政府が財政破綻前に国民の財産を奪うための下準備か
国民の財産把握にマイナンバーカードは非常に便利!
1万円札の肖像画は福沢諭吉から渋沢栄一に、5,000円札は樋口一葉から津田梅子に、1,000円札は野口英世から北里柴三郎に変わります。「今さら、新規にお札を出すのかよ」という突っ込みが聞こえるだけでなく、政府の恐ろしい企みを懸念する人までいるのです。
それというのも、日本は2021年末時点において、国の借金が1,220兆円まで膨らんでいます(GDPの2.5倍)。もはや返す方法がないほどの借金額です。このまま膨らみ続けると、円の信用が毀損して、通貨暴落でハイパーインフレを迎えるのではないか──という心配も尽きないところなのです。
そこで、2024年度の新紙幣発行時に、「預金封鎖」で預金を一定額しか下ろせなくし、旧札と新札の交換レートを下げ、旧1万円札を新7,000円相当札に交換する──といった強制的な「財産課税」を行うのではないか──という噂まであるのです。これなら国の借金を3割減らせます。
あるいは、1946年に行った「預金封鎖」と同様に預金以外の財産(株式などの有価証券や不動産)に一気に課税する方法もあるでしょう。
国の借金をチャラにする奥の手!
敗戦直後の「資産課税」では預金の他、株式、不動産、債券、ゴールドにいたるまで資産額に応じて25~90%もの高率で課税し、多くの富裕層を没落させました。現在のお金に換算すると、最低で約5,000万円の資産があれば、4分の1(25%)が政府にはく奪される計算です(当時の物価を500倍で換算)。
税率は、財産額が増えるにつれて上がり、5,500万円で30%、6,000万円で35%、6,500万円で40%、7,500万円で45%、8,500万円で50%、1億円で55%と小刻みに上がっていき、最高が75億円超で90%という課税率でした。
こうした財産課税を逃れるためには、少ないグラム数でのゴールドの分散保有、外国通貨のタンス預金、海外の現地銀行での外貨預金ぐらいしかありません。国内の財産は概ねが、政府に捕捉されているからです。しかし、当時の政府は、財産課税で膨張した戦時国債の帳消しを狙ったものの(GDPの約2倍の借金があった)、結局はハイパーインフレで借金をチャラにしたのでした。
要するに、マイナンバーカードの普及を急ぐ政府の思惑には、行政サービスの向上などではなく、政府が財政破綻前に国民の財産を奪うための「預金封鎖・資産課税」の下準備ではないか──という疑惑が尽きないのです。財産のない人にとっては、金持ちに対して「ざまあみろ」という吐露ですみますが、財産のある人にとっては、非常に厳しい政策です。
はたしてどうなるのでしょうか。
国民への苛烈な財産課税を行えば、国内市場にとんでもない混乱を招くことだけは間違いないでしょう。政府の放漫財政のツケを、国民の財産奪取でケリをつける──などといったことが許されてはならないのです。プライバシー侵害の情報管理一元化のマイナンバーカードなどは、即刻廃止すべきなのです。
マイナンバーの共通番号さえあれば、IT化への対応も十分のはずです。信用できない政府に対して、国民の情報を丸抱えさせる愚は絶対避けるべきでしょう。必ず情報漏洩も起こるはずです。今こそ、マイナンバーカード廃止を訴えるべき時なのです。
それでは、今回はこのへんで。
マイナンバーカードの普及を急ぐ政府の本当の狙いは国民への「資産課税」!
みなさま、こんにちは!「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。今回のテーマは、「マイナンバーカード普及を急ぐ政府の本当の狙いは国民への資産課税!」というテーマでお届けしたいと思います。
マイナンバーカードは、まだ国民の半分ぐらいしか取得していません(2022年9月末時点で49%)。政府はマイナポイント2万円相当額分付与だの──と税金の無駄遣いにまで拍車をかけて、普及に躍起ですが、ちっとも浸透していきません。
マイナンバーカードが普及しない理由は「必要性を感じない」が最多!
マイナンバーカードを取得しない理由を、内閣府が世論調査(2018年)で尋ねたところ、「必要性が感じられない」が58%と最多で、「身分証明書は他にもある」(42%)、「個人情報の漏えいが心配」(27%)、「紛失や盗難が心配」(25%)と続いています。その他の調査でも、「申請手続きが面倒」「銀行口座との紐づけが心配」「情報漏洩の懸念」などが毎回のように回答に上がります。カードの魅力が乏しい上に情報漏洩に不安を感じる人が多いのです。政府に個人情報を一括丸抱えで握られることへの反発も少なくないのです。
現時点においても、銀行口座や証券口座を作る際には、マイナンバーのみの提出が求められます。マイナンバーカードを作らなくても、割り当てられた、この番号だけでも、不便を感じないという人も少なくないのです。なぜ、わざわざ1枚のカードに多岐にわたる情報を紐づけようとするのでしょうか。まさしく、国民一律監視制度に他ならないのではないでしょうか。
政府は来年度から、自治体ごとのマイナンバーカードの普及率に応じて、国が配る地方交付税の算定に差をつける方針も明らかにしています。普及率が高い自治体を財政面で優遇する──というのです。これは、普及率が低ければ、交付税を減額する──というのと同じです。
地方交付税は、自治体が住民への行政サービスを一定水準で提供できるよう国が配分するもので、自治体の財源不足を補う必須の財源です。それを標的に自治体に脅しまでかけているのですから呆れます。もはや政府が自治体を兵糧攻めにする構図なのです。国民だけでなく、自治体までもが反発するのは当然でしょう。政府は来年3月末までに、ほぼすべての国民にマイナンバーカードを行き渡らせる目標ですが、性急すぎて国民の反発を呼ぶだけなのです。
また、法改正を行って、自治体だけでなく、全国に2万4,000ある郵便局でも、マイナンバーカードの申請や交付が出来るようにする方向で動いています。
そして、なかなか普及が進まないマイナンバーカードに、いよいよ業を煮やした政府は、今年6月の閣議決定の「骨太方針」でマイナンバーカードと健康保険証を紐づける計画を発表しました。運転免許証との紐づけ程度では、国民全員を網羅出来ないので、まず最初に健康保険証と紐づけることで、国民全員を網羅することにしたのでした(2024年秋までに現行の健康保険証を廃止すると発表)。
任意取得のはずが、マイナンバーカードの事実上の「強制取得」へと舵を切ったのでした。本当にふざけた話なのです。「聞く耳」もロクにもたず、「丁寧な説明」と言いながら、ロクに説明もしない、口先だけの詐欺師まがいが岸田政権の正体だったのです。
次ページ;安倍政権が国民に対して行った姑息な印象操作
カードの一元管理という紐付けがやたら多いのが日本の特徴!
ところで、このマイナンバー制度はどういう経緯でスタートしたのでしょうか。
2013年5月に安倍政権下で成立した「マイナンバー法」ですが、15年から個人番号通知カードを配り、16年1月から税金(所得税・住民税)、社会保障(年金・健保・雇用)、災害(被災者台帳作成)の3分野に限り、「紐付け」しての運用開始でした。
自治体に個人番号の申請を行えば、身分証代わりの写真入り個人番号カードも交付されます。この制度は、かつて何度も頓挫した「国民総背番号制度」の導入に他なりません。2012年に民主党政権が提出した法案(解散で廃案)をベースに安倍政権が成立させたものでした。「マイナンバー」などと親しみやすい名称ですが、「国民監視制度」のスタートに他ならない天下の悪法なのです。
当時の安倍政権は、他の先進国でも共通番号制度が導入されているかのような印象操作を行いましたが、すべてがとんだまやかしでした。米国では、税と社会保障のみに限定の上での選択制です。それでも情報漏洩や成りすまし犯罪を急増させました。イギリスは、06年に任意加入でIDカード制を始めましたが、政権交代でプライバシー侵害の悪法として廃止されました。ドイツやイタリアは税務識別のみの共通番号です。日本のように預金とリンクさせたり、これから様々な分野の「紐付け」を増やす狙いが透けて見えるのは、日本のマイナンバー制度だけなのです。
すでに閣議決定によって、18年1月から預金口座へは任意でのマイナンバー提示を求めるように仕向けました。おそらく、預金口座もそのうちすべてが「強制」になるでしょう。小さく導入して、大きく膨らます──これは歴代自民党政権のやり口だからです。国民に反対されそうな法律は、最初は小さく生んで大きく育てる──が伝統手法だからです。消費税もしかりだったでしょう。
キャッシュレス時代に新紙幣発行の謎?
今後は不動産の登記情報、過去の病歴などを含めた医療情報、すべての預金口座の残高、学歴や職歴、勤務先や戸籍の情報、犯歴や家族構成に加えて、顔認証や遺伝情報といった超極秘の個人情報との「紐付け」も視野に入ってくるはずです。国民のプライバシーを丸裸にしていくわけで、中国共産党の監視政策を踏襲するような路線です。
ところで、マイナンバーカードの保険証としての活用は、すでに2021年10月から始まっていますが、現状では使えない医療機関だらけです(読み込み機器導入医療機関は3割のみ)。カードの読み取り機器の導入コストや毎月3,000円かかる保守管理費、数年ごとの機器更新の費用負担もあり、肝心の医療関係者の7割がオンライン資格確認(健保の利用資格のチェック)に反対しており、全国保険医団体連合会も、会長名でオンライン資格確認の義務化に反対を表明しています。
なぜ政府は、性急に事を進めようとしているのでしょうか。実は、2024年の新紙幣発行(改札)と大いに関係がある──とする穿(うが)った見方もあるのです。
ご承知の通り、2024年度前半には、新紙幣発行での改札が行われます。政府は、20年毎に行う偽札防止のための改刷──と説明していますが、本当にそうでしょうか。キャッシュレス化社会を目指すご時世に、わざわざ新紙幣を発行する意味をいぶかる向きも少なくないのです。キャッシュレスとは、現金での決済をしないことです。
日本は現金信仰が根強いことと、ATM網のインフラが普及していること、またプリペイドカードやクレジットカード、公共料金引き落とし制度などの多くのキャッシュレスサービスがありすぎて複雑なため、かえって全体統括でのキャッシュレス化が遅れているといわれます。
中国では屋台での決済や物乞いへの寄付もスマホ1台で行われています。皮肉な話ですが、日本のような先進国より、偽札横行で不便このうえなかった国のほうがキャッシュレス化が一気に進んだのです。
日本のキャッシュレス決済比率は2020年に30%近いものの、政府は25年の大阪万博までに40%台を目指す考えです。
キャッシュレス化がすすんだ国では、現金を一切持たずスマホだけで決済が完結します。日本もコロナ禍後を見据えて、インバウンド需要取り込みのためにもキャッシュレス社会を目指しているのですが、不思議なことに2024年に新紙幣を発行するというのです。
次ページ;政府が財政破綻前に国民の財産を奪うための下準備か
国民の財産把握にマイナンバーカードは非常に便利!
1万円札の肖像画は福沢諭吉から渋沢栄一に、5,000円札は樋口一葉から津田梅子に、1,000円札は野口英世から北里柴三郎に変わります。「今さら、新規にお札を出すのかよ」という突っ込みが聞こえるだけでなく、政府の恐ろしい企みを懸念する人までいるのです。
それというのも、日本は2021年末時点において、国の借金が1,220兆円まで膨らんでいます(GDPの2.5倍)。もはや返す方法がないほどの借金額です。このまま膨らみ続けると、円の信用が毀損して、通貨暴落でハイパーインフレを迎えるのではないか──という心配も尽きないところなのです。
そこで、2024年度の新紙幣発行時に、「預金封鎖」で預金を一定額しか下ろせなくし、旧札と新札の交換レートを下げ、旧1万円札を新7,000円相当札に交換する──といった強制的な「財産課税」を行うのではないか──という噂まであるのです。これなら国の借金を3割減らせます。
あるいは、1946年に行った「預金封鎖」と同様に預金以外の財産(株式などの有価証券や不動産)に一気に課税する方法もあるでしょう。
国の借金をチャラにする奥の手!
敗戦直後の「資産課税」では預金の他、株式、不動産、債券、ゴールドにいたるまで資産額に応じて25~90%もの高率で課税し、多くの富裕層を没落させました。現在のお金に換算すると、最低で約5,000万円の資産があれば、4分の1(25%)が政府にはく奪される計算です(当時の物価を500倍で換算)。
税率は、財産額が増えるにつれて上がり、5,500万円で30%、6,000万円で35%、6,500万円で40%、7,500万円で45%、8,500万円で50%、1億円で55%と小刻みに上がっていき、最高が75億円超で90%という課税率でした。
こうした財産課税を逃れるためには、少ないグラム数でのゴールドの分散保有、外国通貨のタンス預金、海外の現地銀行での外貨預金ぐらいしかありません。国内の財産は概ねが、政府に捕捉されているからです。しかし、当時の政府は、財産課税で膨張した戦時国債の帳消しを狙ったものの(GDPの約2倍の借金があった)、結局はハイパーインフレで借金をチャラにしたのでした。
要するに、マイナンバーカードの普及を急ぐ政府の思惑には、行政サービスの向上などではなく、政府が財政破綻前に国民の財産を奪うための「預金封鎖・資産課税」の下準備ではないか──という疑惑が尽きないのです。財産のない人にとっては、金持ちに対して「ざまあみろ」という吐露ですみますが、財産のある人にとっては、非常に厳しい政策です。
はたしてどうなるのでしょうか。
国民への苛烈な財産課税を行えば、国内市場にとんでもない混乱を招くことだけは間違いないでしょう。政府の放漫財政のツケを、国民の財産奪取でケリをつける──などといったことが許されてはならないのです。プライバシー侵害の情報管理一元化のマイナンバーカードなどは、即刻廃止すべきなのです。
マイナンバーの共通番号さえあれば、IT化への対応も十分のはずです。信用できない政府に対して、国民の情報を丸抱えさせる愚は絶対避けるべきでしょう。必ず情報漏洩も起こるはずです。今こそ、マイナンバーカード廃止を訴えるべき時なのです。
それでは、今回はこのへんで。
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