イギリス全国農業組合が、食糧供給に関しての「緊急記者会見」を開き、あらゆる作物の供給に問題が出る可能性があると警告。英国政府は「大丈夫」とだけ言う

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スーパーの棚が空 食糧問題

イギリス全国農業組合が、食糧供給に関しての「緊急記者会見」を開き、あらゆる作物の供給に問題が出る可能性があると警告。英国政府は「大丈夫」とだけ言う

日本もそうならないことを祈りたいが今の政府のやり方を見ているとそうでもない気がしてくる

この冬がターニングポイントになるかもしれない

ここのところ、食糧の問題が報じられることが少なくなっているような感じもありますが、「少しずつ進行」していることが、海外の報道などでわかります。

12月8日、イギリスの全国農業組合が「緊急記者会見をおこなう」と発表し、その内容は、英国産のあらゆる農業生産物に供給危機が迫っていることを伝えるという内容でした。

現在、イギリスでは、深刻な「卵不足」が起きています。

少し前に以下の記事で取りあげました。

 

[記事] 卵危機 : イギリスのスーパーの棚から「卵が消える」。今後連鎖的に食料サプライが崩壊する危険を専門家たちが警告
 地球の記録 2022年11月25日

 

この時にも、専門家たちは「卵だけでは済まない」可能性について言及していまして、シティ大学ロンドンの食品政策の名誉教授であるティム・ラング氏は、

「卵市場で今起こっていることは、果物、穀物、または肉の市場に波及する可能性がある」

として、「英国の食糧供給部門が麻痺する」可能性にまで言及していました。

そのような中で、今回の緊急記者会見となったわけですが、「緊急」とありますように、かなり切羽詰まった事態が近づいている可能性もあります。

 

なお、現在、ヨーロッパに「激しい寒波」が訪れ始めています。

イギリスも含めて、欧州のほぼ全域が、時期としては非常に寒い日々が今後、続くと報じられています。以下は、英 BBC の報道からの抜粋です。

英国気象庁が氷点下の気温を警告

UK weather: Met Office warns of below freezing temperatures
BBC 2022/12/06

英国気象庁は、今週は厳しい寒波が英国を襲うと警告しており、夜間の気温は場所によっては -6℃ まで急落する。

スコットランド北部では雪が降る可能性があるが、英国内のどこでも雪が降る可能性があるほど気温は低くなるだろう。霜や凍結も予想される。

エネルギー価格が上昇しているにもかかわらず、人々に対して、暖房を使用し、特に脆弱な人々に注意するよう求められている。

英国保健安全保障局と気象庁は、12月12日の予報として、イングランドのほとんどの地域でレベル 3 の寒気警報を発令した。

このレベルの寒気では、リスクの高いグループを保護するために行動を起こすよう、社会サービスや医療サービスに警告される。

 

このような寒波が長く続いた場合、「停電」という可能性も浮上しないでもないかもしれません。10月の時点で、英国のエネルギー会社は、気温が極端に下がった場合、「計画停電になる可能性がある」と述べていました。

(報道) イギリス 50年ぶりの計画停電の懸念浮上 (2022/10/08)

 

こういうことになった場合、これも食糧供給の状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、このように「イギリスで食糧危機が明確に言われ始めた」ということの問題として、これは、私たち日本などにとっても深刻な話だとも思われます。

というのも、イギリスは比較的、農業大国であり、

カロリーベースの食糧自給率が 7割に達している

国です。

そのような国で、農業組合が「緊急記者会見」を開かなければならないようなことになっているのですから、食糧自給率が低い国への影響が出てくるのも、そんなに遠い時期ではないかもしれません。

日本の食糧自給率は、37%程度で、過去最低を更新し続けています。

この冬は、食糧問題について、ある意味でターニングポイントになる可能性もあるのかもしれません。

英スカイニュースの報道をご紹介させていただきます。



英国が食糧供給危機に対して「夢遊病に陥っている」ため、卵不足は「始まりにすぎない」と英国農業組合は警告している

Egg shortages ‘could just be the start’ as UK is ‘sleepwalking’ into food supply crisis, farmers union warns
sky news 2022/12/06

本日の緊急記者会見に先立って、英国農業組合は、卵不足は「始まりにすぎない」可能性があり、英国は食糧供給危機に「夢遊病」に陥っていると農家と生産者の組合は警告した。

イギリス全国農業組合 (NFU) は政府に対し、燃料、肥料、飼料の高騰による深刻な負担に直面している一次生産者を支援するよう政府に求めた。

全国農業組合のミネット・バッターズ会長は BBC に対し、以下のように語った。

「イギリスの買い物客たちは、何十年もの間、世界で最も高い動物福祉、環境、食品安全基準に従って生産された高品質で手頃な価格の食品の供給を保証されてきました。しかし、世界的な変動が世界の食糧生産、食糧安全保障、エネルギー安全保障の安定を脅かしている中で、英国の食糧は脅威にさらされています」

「この国はさらなる食糧供給危機に陥り、英国の果物と野菜の供給の将来が危うくなっているのではないかと懸念しています」

バッターズ氏は、英国の食糧供給に対する脅威について、今年経験しているイギリスでの卵不足は「始まりに過ぎない」ことを意味すると述べた。

一部のスーパーマーケット大手は、価格上昇と鳥インフルエンザの供給への影響の中で、11月に予防措置として卵の一時的な購入制限を導入した。

本日の緊急記者会見に先立ち、全国農業組合は、トマト、キュウリ、ナシは、エネルギー集約型の作物に由来するため、供給問題の影響を受ける可能性が高い食品の 1つになる可能性があると述べた。

しかし、英国環境・食糧・農村問題省(Defra)は、英国は安定した貿易ルートによる輸入だけでなく、強力な国内生産を含む「多様な供給源からの供給に基づいて構築された」高度な食糧安全保障を持っていると述べた。

全国農業組合のミネット・バッターズ会長は、リシ・スナク首相に対し、エネルギー危機を通じて英国の農家を支援するために彼が行った声明を尊重するよう要請した。バッターズ会長は、次のように付け加えた。

「英国の農家が丁寧に生産した食品は、我が国の安全と成功に​​不可欠です。しかし、英国の食品は脅威にさらされています」

「これらの問題によって引き起こされた圧力の下で、卵のサプライチェーンが機能不全に陥っているのをすでに私たちは見てきました。英国の果物と野菜の供給の将来が問題になり、国がさらなる食糧供給危機に夢遊病に陥っているのではないかと心配しています。早急な政府の対策が必要です。明日では遅すぎるかもしれないのです」

 

英国政府は、国民は「英国の大規模で回復力の高い食料サプライチェーン」と「強力な食料安全保障」があるので「安心するように」と述べた。

英国の食品価格のインフレ率は、2023年初頭に前年比で 17%から 19%のピークに達すると予想されている。これは、14%から 16%の間のピークという以前の予測から上昇した。

マイコメント

日本の食料自給率が低下し続けていることは多くの皆さんが知っていることだろうと思います。

今はまだ輸入食品に恵まれていますが、世界中が自国の食糧確保に動いた場合、日本への食料の
輸入が減少してしまう事態になります。

そうなったときにはお金があっても買えない事態に陥りスパーの棚が軒並み空っぽになるでしょう。
そうなる可能性が高いかもしれないのです。

すでに日本も物価高になり、スーパーの商品が軒並み2割から3割値上がりしてます。政府が言う
ような数%と言う状態ではないのです。
来年になれば電気料金を今の4割近い値上げにすると表明していますので、さらに生活は苦しく
なるでしょう。

こうした問題を解決する最大の方策は消費税をゼロにし、その代わりに法人税を上げることです。
ところが政府は数日前に法人税を15%にすると言っているようなのでもはや狂っているとしか
言いようがありません。

このままいけば来年はもっと大変な年になるでしょう。

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