子ども食堂、全国6000軒超の衝撃。「欠食児童」急増も海外バラマキを続ける日本の異常=今市太郎
日本の子どもが危ない!
国内のNPO法人の調査によれば、コロナウイルスの感染拡大が始まってから子ども食堂の数は一気に増え、2021年末までの段階で6,000か所を超えたという報告があります。コロナを言い訳にはしていますが、日本国民の貧困は我々が想像している以上に加速化しており、今を生きる子どもたちがもっともその影響に直面している現実が見えてきます。(『 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
令和の時代に「欠食児童」が激増中
皆さま、「欠食児童」という言葉をご存じでしょうか?
家庭の貧困や食糧不足などのために、昼の弁当を持ってこられない児童や3度の食事を満足に取れない子どものことです。
世界恐慌が始まった1929年頃からこう呼び始めたようで、弁当のない子どもたちは昼食時間になるとひっそりと校庭に移動して鉄棒にぶら下がるといった光景が本邦の小学校の随所で見られたそうです。
それから90年近く経過した今、令和の時代にまともな食生活を送れないでいる広義の意味での欠食児童が激増しているというのです。
ついに「子ども食堂」は全国6,000か所を超える勢い
国内のNPO法人の調査によれば、コロナウイルスの感染拡大が始まってから子ども食堂の数は一気に増え、2021年末までの段階で6,000か所を超えたという報告があります。
恐らくそこから1年経過した今年の年末段階では、さらに1,000か所近く増えた可能性も。
コロナを言い訳にはしていますが、日本国民の貧困は我々が想像している以上に加速化しており、今を生きる子どもたちがもっともその影響に直面している現実が見えてきます。
10人に1人が欠食児童か
国の当該担当機関が精密な調査を行っているわけではありませんから、かなりアバウトな試算になりますが、子ども食堂1か所で月間に(のべではなく個別人数の総計として)訪れるこどもの数が平均100人であるとすれば、全国で子ども食堂を利用している子どもの数はゆうに60万人を超えているとみられています。
本邦の小中学生の総計がほぼ630万人弱と年々減少していますから、ざっとみても、その10%が令和の欠食児童であることがわかります。
リアルに調査してみれば未就学児童から高校生まで利用する未成年の数は多くなりますし、コロナ感染の拡大ピーク時には大学生すら恥を忍んで子ども食堂に足を踏み入れざるをえなかったという話も聴こえてきますから、実態は60万人どころか100万人に近い可能性すらある状況です。
政治家もやたら視察に訪れるが、いま政治がすべきは食堂のサポートなのか?
ここのところ自民党をはじめとして野党の議員も、子ども食堂を視察に訪れてはその取り組みを絶賛するという、国民に対しての「やってます感」を醸成する行為なのか単純に興味があるだけなのかよくわからない動きをしています。
しかし、いま政治家がやらなくてはならないのは、子ども食堂やその延長線上にある子ども宅食(食事を自宅に届ける)を推進する、あるいは補助金を出して子ども食堂を応援するといった一過性の対応ではないことを強く感じさせられます。
こうした子どもたちは終戦後に都市部にあふれ出た身寄りのない孤児が浮浪児になって徘徊しているわけではなく、しっかり家庭があっても食べられないわけです。
個別の家庭にはそれぞれ様々な理由があるのでしょうが、これだけ利用者がマス化してくるということは、社会構造的に問題があるのは間違いないでしょう。
さらにはこうしたサービスを利用する子どもたちのみならずその親、とくに母子家庭の母親などは、もっと食事をとれずに苦しんでいる可能性も類推する必要が出てきています。
他国にカネをばら撒いている場合ではない
岸田首相は国会での議論も差し置いてさっさと43兆円の防衛予算設定を閣議決定し、増額のほぼ9割近くは米国からの武器の購入に充てるという実に理不尽なことを平気で断行しようとしています。
さらには、裕福な先進国づらをしては新興国にカネをバラまくという、安倍政権からの悪しき慣習を平気で踏襲しています。
ところが、実はこの国は子どもの食生活ひとつとってみても欠食児童爆発で、どこかの国から追われて逃げてきたのでもないのに食事難民が激増している現実を、もっと直視すべき状況に陥っていることを感じさせられます。
子どもの食という視点での考察は国の状況を見極めるごく一部の視点にすぎませんが、安全保障ということで考えますと、3食まともに食べられない、しかもそれが未成年の若者に急激に広がっているのでは、この先社会が発展するとは到底思えない状況です。
新年1月の メルマガ では人口7000万人時代の国のグランドデザインをいったい誰が考えているのか?という、さらシリアスな件について触れていきたいと思っていますが、この国の状況は我々が薄ぼんやりとイメージしているものよりはるかに悪化しているということだけは事実です。
令和に入り、ここまで成熟化しているこの国で欠食児童などという言葉が飛び出してくるとはまったく思いませんでした。
残念ながら岸田政権では何のしようもないまま新年も悪政が続きそうですが、国を動かして状況を変えていく取り組みが絶対必要であると強く感じます。
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