スコットランド ガソリン車禁止を先送り EV普及に懸念 2032年まで延期決定
EVは充電インフラが不足し、寒冷地では役に立たない。電気料金も高騰し維持するのに大変!
EV維持費高騰 充電インフラにも課題
延期理由に挙げられた充電インフラの整備遅れは、英国でも問題になっている。
スコットランド政府は、ガソリン車とディーゼル車の新車販売が禁止される時期を2032年まで延期することを決定した。これまでは英国政府と並んで2030年に禁止する予定だった。
エネルギー省のマイケル・マシソン長官は1月11日、国による充電インフラの整備の遅れと、電気料金の高騰によるEV(電気自動車)の維持費の上昇について懸念を表明した。 EVの急速充電にかかる平均コストは、わずか8か月で1kWhあたり70.32ペンス(約113円)に50%以上も上昇し、現在ではガソリンよりも高騰している。
このため、2030年までにガソリン車・ディーゼル車を廃止するという従来の目標が実現不可能になったとタイムズ紙は報じている。 今回の決定は、新たに発表されたスコットランドの脱炭素化計画の一部にあたる。政府は194ページに及ぶ文書の中で、化石燃料を捨てて再生可能エネルギーを推進することを盛り込んでいる。
これによって、スコットランド全土で数千の雇用が創出されると、マシソン長官は述べている。 英国の他の地域では、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標に向け、2030年にエンジンのみを搭載する新車の販売を禁止する。プラグインハイブリッド車(PHEV)やフルハイブリッド車(HEV)も2035年までに禁止される予定だ。
スコットランドは、この動きからやや逸れることになる。 ハイブリッドを含むガソリン車・ディーゼル車の新車販売の禁止は、地球温暖化防止に向けた幅広い取り組みの一環とされている。 欧州では、販売禁止に先立ち、2025年7月以降に発売されるエンジン搭載車を「可能な限りクリーン」にするための新しい排ガス規制「ユーロ7」も策定された。コールドスタート時(エンジンが冷えている状態)の排出ガスを軽減するための電気加熱式電子触媒や、主要汚染物質のオンボード監視などが規制に含まれる。
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