アイルランドの2022年12月からの死亡者数が同時期として過去最大の増加

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葬儀 コロナワクチン

アイルランドの2022年12月からの死亡者数が同時期として過去最大の増加

葬儀は混乱し、政治家たちは「超過死亡の原因の調査」を求める

パンデミック前の同時期と比較して42%の死者数の増加

昨年の夏くらいから、ヨーロッパでは多くの国や地域で、過去に見られないような超過死亡が見られています。

原因が明確になった国や地域はないですが、たとえば、ノルウェーでは昨年 12月の現地の報道で、

「あまりにも死者が多く、葬儀場が機能不全になっている」

ことが伝えられていました。以下の記事で取りあげたことがあります。

 

[記事] ノルウェーで死者のあまりの急増に葬儀場が機能不全に。葬儀は最大で2週間待ち。死者急増の原因は不明
 In Deep 2022年12月25日

 

最近、アイルランドの地元メディアも同じようなことを報じていたことが伝えられていました。

アイルランドの死亡通知数の正式な資料の数値によれば、2022年12月1日から 2023年1月25日までの死亡者数(9,718 人)は、2019年1月25日までの 8週間(6,802 人の死亡者)と比較して 42%多かったことを示しています。

つまり、アイルランドは、

 

「パンデミック前の同時期より、2022年に死者数が4割増加した」

 

といえるようです。

原因はわかっていません (という前提が世界中にあります)。

人口 500万人程度のアイルランドにおいて、2か月で 1万人近くの死亡者が出るというのは、影響もそれなりにありそうですが、これに対して、アイルランドの野党党首が、以下のように述べたことをアイルランドのメディアが報じていました。

野党アオントゥ党の党首ピーダー・トビーン氏の言葉

「この数字は、非常に深刻な事態が起こっていることを示しています。…わずか 6週間で死亡率がコロナ以前の 6週間よりも 3,000人高くなっているのです。このような場合、政府が黙って見ているわけにはいきません。…アイルランド政府はこれを科学的な方法で非常に明確に調査する必要があります。これは本当に、本当に重大です」

newstalk.com

 

この原因の主因が「コロナではない」ことは確かです。

ただ、実際のところ、アイルランドはコロナ死のほうの状況もまったく改善していません。最近も過去半年などで最多のコロナ死者数が示されているのですが、12月1日からの全体の死亡者数が 9,718 人に上っているところから、コロナ死ほとんど超過死亡に影響を与えていないと見られます。

以下は、 2月1日までのアイルランドの新たなコロナ死亡数の推移です。


ourworldindata.org

アイルランドのコロナ死亡数の報告は、昨年 4月からは、1週間に 1度程度の発表となっていますが、その期間 (2022年12月1日から 2023年1月25日)のコロナ死亡数は 265人となっていて、 9,718人という全体の死亡数のごく一部です。

主要因は「他」です。

そして、アイルランドでも、ノルウェー同様に「増えすぎる死亡に葬儀が対応できなくなっている」ことが報じられています。

アイルランドのメジャーメディア「アイリッシュ・エグザミナー」の報道をご紹介します。

それでも、複数の議員が調査を求めたり、このように、複数のメディアが超過死亡を報じているだけ、まだましなんでしょうかね。


 


死亡者数の増加が遺体安置所に圧力をかけており、葬儀が遅れている

Funerals delayed as increase in number of deaths puts mortuaries under pressure
irishexaminer.com 2023/01/30

ここ数週間のアイルランドでの死者数の急増により、葬儀の手配が混乱し、また、遺体安置所は前例のないストレスにさらされている。

アイリッシュ・エグザミナーが国内の死亡通知サイト rip.ie の死亡通知を分析したところ、2022年12月1日から 2023年1月25日までの 8週間で 9,718 件の死亡通知が公開され、前年同期の 8,075 件から 20% 増加した。

この数字は、2021年1月25日までの同時期に公表された 8,135人の死亡通知よりもかなり多い。

また、パンデミック前の 2019年1月25日までの 8週間では、 6,802 件の死亡通知が公開されたが、この最近の数週間よりも約 3,000 件少ない。

コーク市での死亡率は過去 2か月、非常に高く、コーク市の死体安置所に空きができるまで遺体を市内の病院に保管しなければならない状態となっている。

 

「 12月19日から 1月3日までの間に、100人以上の死亡通知が私のオフィスに報告されました」と、コーク市の検視官であるフィリップ・コミン氏は述べた。

これは、同期間に報告された中で過去最も多い死亡通知数で、Covid-19 パンデミック中の最も忙しい時期をも上回っている。

「コーク大学病院の遺体安置所には、これ以上収容できないほど多くの遺体があり、他のコーク市の病院は一晩中遺体を保管していました」

 

アイルランド国立大学コーク校 疫学公衆衛生学部のイバン・ペリー氏は、インフルエンザやその他の呼吸器疾患が、死亡者数の驚くべき急上昇の原因である可能性があるとして以下のように述べた。

「たとえば、新型コロナ感染症の後に心臓病のリスクが上昇しているため、人々はコロナ感染後にわずかに脆弱である可能性があり、それも一因となっている可能性があります」

 

検視官のコミン氏は、アイルランド全土で高い死亡率が記録されていると述べている。

彼は、国の病理学者補佐であるマーゴット・ボルスター博士と遺体安置所のスタッフが「未処理の仕事を片付けるために、土曜日を含めて午前 6時から作業を開始している」と述べた。

メイヨー市の検死官パトリック・オコナー氏も、12月15日から 1月15日までの間「異常な数の死者」を記録したとして以下のように述べた。

「メイヨー大学病院では 5日間で 17 回の検死が行われましたが、これは非常に珍しいことです」

「普段なら検死は一日一件くらいでしょうか。そして、検死は突然死や例外的な状況があった場合の死後にのみ行われるものですので、実際の死亡者数はもっと多いのが現実です」

「現在、最前線のサービス、つまり医師、葬儀社、病理学者、そして検死官に大きな負担がかかっています」

 

フィアンナ・ファイル党のウィリー・オディー議員は、クリスマス前に「葬儀の急増」に気づいたと述べ、この超過死亡率に関してスティーブン・ドネリー保健相に議会質問を提出した。

アオントゥ党の党首ピーダー・トビーン議員も、原因不明の死亡率の上昇について調査を求めている。

先週、イギリス下院でも、英国での死亡率が上昇している理由を調査するよう求められた議案が提出された。英国国家統計局によると、1月13日までの 7日間にイングランドとウェールズで 17,381人が死亡し、この時期の平均を 2,837人上回った。

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