アマゾン・ゴー、米サンフランシスコ市内の全4店舗を閉鎖予定、メディア報道
コロナによる利用者減が響いたか
米国のアマゾン(本社:ワシントン州シアトル)は、サンフランシスコ市内にあるキャッシュレスコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー」の全4店舗を3月31日に閉鎖する予定と、複数のメディアが報じた。ほかにも、ニューヨークやシアトルの一部の店舗が閉鎖される。
アマゾン・ゴーでは、利用者はアマゾンのアカウントを作り、同社のアプリをスマートフォンなどにダウンロードした後、店舗の入口でQRコードをかざすことで買い物できる。アプリに登録したクレジットカードで決済されるため、利用者はレジで代金を支払う必要がなく、そのまま退店できる。同社はシアトル、シカゴ、ニューヨーク、サンフランシスコに店舗を構え、サンフランシスコの1号店は2018年に開店した。
同社の広報担当者は、メディアに対し「当社はほかの小売業者と同様、定期的に店舗のポートフォリオを評価し最適な決定をしている。今回、シアトル、ニューヨーク、サンフランシスコの一部店舗を閉鎖することにした。われわれは引き続き、アマゾン・ゴーの形式にこだわり、全米で20店舗以上を運営している。アマゾン・ゴーの店舗を進化させながら、どの場所および機能が顧客を最も引きつけるかを学び続けている」とコメントした(テッククランチ3月7日)。
サンフランシスコ市内のアマゾン・ゴーが全店舗閉鎖する背景には、新型コロナ禍以後、人の移動がなかなか回復しないことがある。米国不動産管理システム会社キャッスルによると、サンフランシスコ都市圏のオフィス稼働率は3月15日時点で、新型コロナウイルス感染拡大前の2020年2月と比較して42.1%の水準にとどまっている。また、サンフランシスコを含むベイエリア5郡を結ぶ鉄道BARTの乗降客数は、回復傾向にはある一方、2023年に入っても2019年の3分の1程度となっている。
(石橋裕貴)
(米国)
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