イベルメクチンを含む、議論を呼んだコロナ治療薬がすべて抗マラリア薬であるという現実
兄弟のように感染作用が類似しているマラリア原虫とコロナウイルス
つい最近、In Deep で、アフリカにおいて「乳幼児へのマラリアワクチン」が承認されたことについて、以下の記事で書きました。
・アストラゼネカ社コロナワクチンの開発者が新たなマラリアワクチンを開発。その舞台に出てくるのは優生学のオールスターズ…
In Deep 2023年4月16日
これに関係している人物たちは、もう大変なあちら系の人々となっています。
それはともかく、その後、米エポックタイムズで、以下のようなタイトルの記事を見つけました。
「物議を醸してきた COVID-19 薬はすべて抗マラリア薬である:これは偶然ではないかもしれない」
なんとなく、「なるほど、そういえば…」と思いました。
たとえば、日本でも公的には認められませんでしたが、イベルメクチンというものがあり、これは「マラリア予防薬」としての地位を持っている薬でもあります。
イベルメクチンについては、以下の記事などに書いていますが、個人的には、これはコロナという枠を超えた、一種の奇跡の薬だと考えています。
・イベルメクチンは世界を変える「奇跡の存在」なのかも。…あるいは「そうなるはずだった」のかも
In Deep 2022年11月23日
コロナはウイルス性疾患であり、マラリアは寄生虫(原虫)の病気であり、病原体としてはまったく異なるものですが、
「感染のメカニズムから増殖、発症のメカニズムが似ている」
のだそうです。似ているというより、エポックタイムズの記事によれば、同じようなもののようです。
そのようなことを初めて知りましたが、ご時世柄、いろいろと考える部分もあります。
そのエポックタイムズの記事をご紹介します。太字はこちらでしています。
物議を醸してきた COVID-19 薬はすべて抗マラリア薬である:これは偶然ではないかもしれない
Contentious COVID-19 Drugs Are All Antimalarial: May Not Be a Coincidence
Epoch Times / Marina Zhang 2023/04/14
COVID-19 治療薬として、論争の的であり続けたヒドロキシクロロキン、あるいは、イベルメクチン、そしてアルテミシニンにはすべて 1つの共通点がある。
これらが、抗マラリア薬であるか、そのような特性を持っている点だ。
しかし、研究によると、これは単なる偶然ではない可能性がある。マラリアと COVID-19 は、人々が認識しているよりも似ている可能性があるのだ。
マラリアと COVID-19
マラリアと COVID-19 は非常に異なる病気だ。
マラリアは寄生虫の病気だ。マラリア原虫属の寄生虫を持つ蚊に刺されると感染が始まる。感染すると、寄生虫はまず肝臓に行き、肝細胞で増殖する。その後、血流に移行し、赤血球に侵入して増殖し、これらの細胞を膨張させて破裂させる。
発熱、悪寒、発汗などの一般的なマラリアの症状は、血液段階の感染中に発生する。合併症には、貧血が含まれ、まれに、脳マラリア、肝不全、肺の体液蓄積、および急性呼吸窮迫症候群が含まれる。
一方、COVID-19 はウイルス性疾患だ。感染は主に汚染された飛沫の吸入によって起こる。ウイルスは鼻腔から体内に侵入し、上気道、下気道に入る。
体の免疫細胞が感染を撃退するにつれて、肺の炎症が起こる。サイトカインストームの出現で炎症が悪化し、肺が損傷を受けると、酸素レベルが低下し始める。一部のウイルスは血流に入り、他の臓器に侵入し、全身の炎症や損傷を引き起こすこともある。
いくつかの共通点
免疫学の医学誌フロンティア・イン・イミュノロジーに掲載された 2022年の論文によると、一方は主に血液細胞に、もう一方は主に肺に影響を及ぼすが、 どちらの疾患も感染初期の強い炎症反応を特徴としている。
症状に関しては、マラリアと COVID-19 の両方の感染により、発熱、疲労、息切れ、下痢、筋肉痛が生じる可能性がある。炎症が長引くと、体はサイトカインの大幅な増加を経験し、個人は重症となったり、死亡することさえある。
この 2つの疾患は、鉄を隔離し、病因に同じ受容体を使用し、タンパク質の構造も類似しているという点で類似している。
鉄の貯蔵庫
マラリア原虫と SARS-CoV-2 ウイルスの両方が、増殖するために「鉄」を必要とする。したがって、マラリア原虫と SARS-CoV-2 ウイルスの両方が、感染細胞内のフェリチンタンパク質内に鉄を貯蔵する必要がある。
したがって、フェリチンの高レベルまたは増加レベルは、重篤な疾患および炎症の兆候だ。
そのたろ、鉄の貯蔵を標的にしたり、増殖を防止したりできる薬は、マラリアと COVID-19 の両方の治療に成功する可能性がある。
類似している感染受容体
アンギオテンシン変換酵素 2 (ACE-2)受容体は、マラリアと COVID-19 感染の両方に関与している。
COVID-19では、ウイルスは ACE-2 に結合して細胞に侵入する。ACE-2 は人体の至るところに存在し、少なくとも次の場所に存在する。
ACE-2の存在する場所
・肺
・血管
・筋肉
・腸
・神経
・腹部
・心臓
・腎臓
・膵臓
・精巣
・子宮
このような多数の ACE-2 受容体を持つ臓器は、COVID-19 感染のリスクが高くなる。
マラリアにおける ACE-2 の重要性は不明だが、しかし、 フロンティア・イン・イミュノロジー誌に掲載された研究と同様に、ある研究では、遺伝的素因のために ACE-2 受容体が減少している人々は、マラリアに対してより抵抗力があることが示された。
フロンティア・イン・イミュノロジー誌の研究によると、マラリア原虫は赤血球の CD147 受容体を使用して細胞に侵入する。
そして、COVID-19 ウイルスもまた、ACE-2 受容体が存在していない状況下でも CD147 を使用する。CD147 は、COVID-19 感染症における血栓の形成にも関連している。
このため、CD147 と ACE-2 を標的とする治療法は、マラリアと COVID-19 の両方の治療に成功する可能性がある。
類似しているタンパク質の構造
さらに、マラリアとCOVID-19 の両方の病原体は、タンパク質構造にある程度の重複がある。
COVID-19 の表面 N タンパク質は、輸送、付着、侵入を担当する重要なマラリアタンパク質と少なくとも 40%の構造的類似性を持っている。
これは、マラリアタンパク質を標的とする薬剤が、SARS-CoV-2 ウイルスタンパク質も標的にできる可能性があることを意味する。
COVID-19 で使用される抗マラリア薬
パンデミックの初期には、多くの研究が、COVID-19 の潜在的な治療オプションとして、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、イベルメクチン、アルテミシニンなどの抗マラリア薬および抗寄生虫薬を推奨していた。
しかし、これらの推奨事項はすぐに反発を受けた。その理由の 1 つは、マラリアと COVID-19 が非常に異なる病気のように見えることからだった。
しかし、多くの医師と研究たちは、これらの治療法が急性 COVID-19 の治療に役立つことを発見した。
メキシコのヌエボ・レオン州立大学の植物科学を専門とするホセ・ルイス・アブレウ教授は、イベルメクチン、アルテミシニン、ヒドロキシクロロキンなどの抗マラリア薬が適用される理由の説明として、「マラリアと COVID-19 の類似性」という命題を使用した。
強力な抗炎症特性を有する
ヒドロキシクロロキン、クロロキン、イベルメクチン、アルテミシニンは、すべて強力な抗炎症薬だ。
医学誌ジャーナル・オブ・アンチバイオティクスに掲載された研究によると、イベルメクチンは COVID-19 の免疫調節剤であり、免疫系を抑制するのではなく、過炎症や損傷を与えないように調節する。
ヒドロキシクロロキンとアルテミシニンも同様に免疫調節効果があることが示されている。ヒドロキシクロロキンは、関節リウマチや狼瘡などの自己免疫疾患の治療にも承認されている。
ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス誌に掲載されたような研究では、イベルメクチン、ヒドロキシクロロキン、およびアルテミシニンが、サイトカインストームや肺の瘢痕化を防ぐことができる可能性があることが示されている。
アブレウ教授は、アルテミシニンが鉄分子との反応により、最終生成物として酸素を生成し、低酸素状態の緩和に役立つことを指摘している。
前述のように、COVID-19 感染は、ウイルス増殖のための鉄の隔離とも関連している。
アブレウ教授は、マラリアでの主な役割がフリーラジカルを放出することで鉄貯蔵を標的にすることであるアルテミシニンは、COVID-19 感染部位でも同じことを行い、感染した細胞やウイルスを殺すと主張した。
COVID-19 受容体とタンパク質をブロック
シミュレーション研究では、イベルメクチン、ヒドロキシクロロキン、およびアルテミシニンは、マラリアタンパク質と構造的に類似している SARS-CoV-2 N タンパク質に結合できる。
マラリアの治療では、ヒドロキシクロロキンとアルテミシニンがマラリアタンパク質の複製と増殖をブロックすることが研究で示されている。
これら 3つの薬剤はすべて CD147 および ACE-2 受容体にも結合できる。つまり、これらの薬剤は、COVID-19 のスパイクタンパク質に直接結合して、細胞受容体へのウイルスの付着を防ぎ、ウイルスの複製に関与するタンパク質をブロックすることでウイルスの増殖を防ぐこともできるのだ。
抗CD147活性のためにマラリア治療での使用が承認されている抗体であるメプラズマブは、 COVID-19肺炎の治療にも有益だ。
抗マラリア薬は抗がん剤でもあるのだろうか
イベルメクチン、アルテミシニン、そして、ヒドロキシクロロキンに抗がん作用があることがわかっている。
いくつかの研究では、がんが寄生虫のように振る舞うと仮定していることに注目しており、この観点は興味深い。外部寄生虫と同様に、がんは宿主である人体に栄養を依存しているが、独立して機能し、しばしば宿主に損害を与える。
アブレウ教授は、マラリア、がん、および COVID-19 に共通する特徴は、それらすべてが増殖に鉄を必要とすることであり、したがって、アルテミシニンはマラリア、がん、および COVID-19の予防に成功して使用されていると述べた。
アブレウ教授は、寄生虫、ウイルス、および、がんの間に関連性があるかどうかについて、さらに研究を行う必要があると述べている。
イベルメクチンは、がん細胞の増殖と転移を防ぎ、いくつかの種類のがんにおいてがん細胞の死を促進することが研究でわかっている。イベルメクチンは、がん細胞が酸素と栄養素を得るために必要な血管の形成を防ぐこともできる。
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