マイナンバーカードで最も怖いのは個人情報漏洩 何か起きても「デジタル庁は責任を負わない」と規約に明記
すでに被害を受けている人も泣き寝入りで終わる政府の冷徹な対応
マイナンバーカードで取った住民票が、赤の他人のものだった──今年3月以降、神奈川・横浜市や川崎市、東京・足立区など、各地のコンビニでこんな“珍事”が相次いでいる。
「最大2万円分のポイントを付与」など、これまで国を挙げて大キャンペーンを行い、政府が事実上の義務化を目指すマイナンバーカード。だが、ここに来てトラブルが多発しているのだ。
住民票誤発行のほかにも、公金受取口座がまったくの別人の名前で誤登録されていたケースが748件あり、本人ではない家族名義の口座の誤登録はなんと13万件もあった。
加えて6月9日には、マイナポータル(政府が運営するオンラインサービス)で他人の年金記録が閲覧できる問題も明らかになった。
昨年8月にも、滋賀県でマイナ保険証の利用を希望していない市民の保険情報が職員のミスによってカードに誤登録されるケースが発生。ただの人的ミスなら登録を解除すれば済むはずだが、職員が解除手続きしようとしたところ、国は「手順を整備していない」として、解除を拒否。つまり、一度マイナ保険証に移行してしまったら、それが誤りであっても、二度ともとに戻すことはできないのだ。
その一方で、「医療機関で提示したマイナ保険証にまったくの別人の情報が登録されていた」というケースも多数報告されている。
これだけミスや不祥事が世間を騒がせているにもかかわらず、6月2日、現行の健康保険証を2024年秋に原則廃止することを盛り込んだ法案が、国会で成立した。「マイナ保険証」への移行が実質的に義務化され、現行の保険証は「実質廃止」となる。
1つの番号に全情報をひもづける「フラット型」のリスク
経済ジャーナリストの荻原博子さんが警鐘を鳴らす。
「マイナポータルでは、マイナンバーカードをつくればさまざまな行政サービスがスピーディーに受けられるとうたわれていますが、これだけのトラブルを目の当たりにしては、とても信頼できません」(荻原さん・以下同)
荻原さんは、今後はカードを持っているだけで、さらなる不利益が生じる可能性があるとみる。
もっとも気がかりなのはやはり、個人情報の漏えいだ。マイナンバーと暗証番号さえわかれば、住所や氏名、生年月日はもちろん、勤務先、収入状況、病歴まで、ほぼすべての個人情報が漏れてしまう恐れがある。
「マイナンバーカードのように、1つの番号に全情報がひもづけられている管理方法を『フラット型』といい、アメリカやシンガポールでも同様の方法が取られています。ですが、アメリカでは過去にこれを利用した詐欺で、年5兆円が奪われました。シンガポールでも2018年に150万人の医療情報が盗まれる事件が起きている。このため諸外国ではフラット型の利用範囲を狭めているのに、日本はそれに逆行しているのです」
マイナポータル規約には〈デジタル庁の故意又は重過失によるものである場合を除き、デジタル庁は責任を負わない〉と書かれている。
つまり「基本的に、何が起きても国は責任を負いません」と明記しているのだ。
「“デジタル後進国”である日本が、国民の個人情報を犯罪者から守れるとは、とうてい思えません」
※女性セブン2023年6月29日号
マイコメント
おそらく多くの人がこのことを知らないだろうと思います。
2万円につられて取得したはいいが、詐欺に遭わないようにセコムでは実際の詐欺内容を
教えてくれています。
マイナンバーカード詐欺に遭わないために
1.マイナンバー制度便乗詐欺
これは、マイナンバー制度の通知や手続に便乗して金銭を要求する詐欺で、実際に次のような事例が発生しています。
- 市役所の職員を名のる者が訪問し、「市役所から来た。マイナンバーカードにお金がかかる」などと言われ、マイナンバーカードの登録手数料名目にお金をだまし取られた。
- サラリーマン風の男が訪問し、「マイナンバーの封筒が来ていますか」「手続には相当時間がかかるから代行します」「代行の手数料としてお金が必要」と言われ、マイナンバー手続代行手数料の名目でお金をだまし取られた。
- 女性2名が訪問し、「マイナンバーの関係でまいりました。お預かりします」などと言われ、家族全員分の通知カードが入った封筒をだまし取られた。
2.マイナンバー漏えい詐欺
これは、マイナンバーなどの情報漏えいを語り金銭を要求する詐欺で、実際に次のような事例が発生しています。
- 携帯電話に「あなたの個人情報が漏えいしている」「個人情報を守るため、必ず手続きを行ってください」「マイナンバー情報が漏れると住民票の移動、銀行口座の開設など簡単に行える」などと記載されたメールが届き、個人情報の削除費用などとして電子マネーを購入するよう指示され、その電子マネーの利用に必要な番号を送信させられてだまし取られた。
- 警察官を名のる者から電話があり、「マイナンバーの暗証番号が漏れている」「口座の暗証番号も漏れているようだ」「暗証番号は何番か」「キャッシュカードや通帳を回収して確認する」などと言われ、訪問してきた男にキャッシュカード1枚と通帳2通をだまし取られた。
- 公的な相談窓口を名乗る者から電話があり、偽のマイナンバーを教えられた。その後、公的機関に寄付をしたいという別の男性から連絡があり、そのマイナンバーを貸してほしいと言われたので教えた。翌日、「マイナンバーを教えたことは犯罪に当たる」と寄付を受けたとする機関を名乗る者から言われ、記録を改ざんするため金銭を要求され、現金を渡してしまった。
3.マイナンバー制度を利用した個人情報収集
これは、なりすまし詐欺や振り込め詐欺などを行うために、マイナンバー制度を利用して個人情報を収集しようとするもので、実際に次のような事例が発生しています。
- 行政機関を名乗って、「マイナンバー制度が始まると手続が面倒になるので、至急、振込先の口座番号を教えてほしい」との電話があった。
- 電話で、国の行政機関をかたり、マイナンバー制度のアンケートとして、家族構成や年金受給者かどうかを聞かれた。
- 「マイナンバー制度の導入に伴い、個人情報を調査中である」と言って、女性が来訪し、資産や保険の契約状況などを聞かれた。
- 「マイナンバーの手続について、訪問して説明したい」との電話があり、後日訪れた男性が「マイナンバーの手続を代行する」と言って、氏名、生年月日を聞かれた。
- 市の職員を名乗る者から「マイナンバーが届いていると思うが、市役所では、1件ごとに確認している」「届いているのであれば番号を教えてほしい」と電話があり、マイナンバーを聞かれた。
以上のように、電話、訪問などにより接触してくる相手の多くが、行政機関を名乗って相手方を信用させようとしてきているようです。
行政機関側から、マイナンバーに関する電話や訪問をして金銭を要求したり、理由なくマイナンバーの提供を求めたり、マイナンバー等の情報漏えいを告げて金銭を要求することはありませんから、上記のようなマイナンバーに関する問い合わせがあった場合には詐欺の可能性を疑うようにしましょう。
また、不審な電話、メール、手紙、訪問などがあった場合は、速やかに各窓口まで連絡し相談しましょう。
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