生活・経済に負担をかけ続ける岸田首相…支持率急落!「増税はこう隠せ」卑劣な手口、ぜんぶ暴く
今は先送りしているが、選挙後に必ず増税を言い出す。亡国の政権!
選挙前にバラマキを掲げ、選挙後に国民負担増を掲げる
毎日新聞が6月17、18日に実施した世論調査で、岸田内閣の支持率が急落、33%とわずか1か月で12%も減らした。不支持率は58%となり、政権は再び低空飛行へと進むことになった。岸田文雄首相は、参院選挙では「国防費倍増」を掲げ、統一地方選挙では「異次元の少子化対策」として、バラマキを国民に約束したものの、選挙が終わると「国民負担増」を言ってきた。国民もそろそろその卑劣な手口に気づきはじめたのかもしれない。
実際に、なぜ、岸田政権の支持率が今年に入って上昇したのかといえば、要因は3つある。1つは先程述べた「異次元の少子化対策」。もう一つは「ガーシー騒動」、3つ目は「岸田首相によるウクライナへの電撃訪問とG7サミット」だ。
「異次元の少子化対策」をすると発表したものの、中身はグダグダ。政権内で、誰も少子化対策の本質を理解していないことが表面化している。例えば、スウェーデン水準の予算規模で対策を進めるとしているが、そもそものスウェーデンは有効な少子化対策ができずに現在迷走の一途だ。
スウェーデンの真似をしたら、さらに出生率悪化の恐れ
スウェーデン統計局が公表した最新の出生率は17年ぶりの低水準で、スウェーデン国内の自治体のうち20は、54年ぶりの低さだった。2021年だけは出生率がわずかに上昇したものの、2010年以降、減少傾向にある。
なぜか、日本政府においては、ヨーロッパ、特に北欧諸国の少子化対策を真似ようとする動きが多かったが、ヨーロッパで出生率が上がっている現象は、(子どもをたくさん生む傾向にある)移民の増加によってほぼすべてが説明できる。
スウェーデンが現在、日本より出生率がわずかに高いのも、移民のおかげであり、移民(もしくは移民を親に持つ人々)を除くとほとんど日本と同じ状況か、さらに悪い状況かもしれない。
岸田批判を軽減させたガーシーの威力
これは少子化関係の有識者なら誰もが知っている当たり前の話だが、少子化は日本人の未婚率と晩婚化で9割説明ができるのである。育休を増やしても、子育て世代にお金をバラまいても子どもは増えないのである。少子化対策にほぼ無意味なバラマキによって、岸田政権は日本の財政をさらに悪化させてしまったのである。
次に、ガーシー騒動である。3月のほとんどをこの何の意味もないバカ騒ぎにつきあわされることになった。国民の怒りも、岸田政権よりもガーシー氏に向けられていた。野党に批判が向けられているときはどんなダメな与党でも支持率は回復するものである。
実は、3月中に岸田首相が解散し、4月の統一地方選挙と同日投開票の衆院選挙があるではないかという噂が、永田町で駆け巡ったことがある。現在の支持率低下を考えると、岸田政権の解散日程の最適解は、ガーシー騒動下での解散総選挙だった可能性がある。歴史「たられば」などないというのだが、「解散ができない」政権という悪評ができてしまった以上、今度、解散風が起きたときに、解散をしないわけにはいかないだろう。あとから振り返って、悔やんでも悔やみきれないタイミングだったのかもしれない。
G7で外交的敗北を喫した岸田政権
そして、3つ目が、ウクライナ訪問、及び、その後開催されたG7サミットだ。
G7サミット開催直後は、世界中の指導者が広島の原爆資料館へと赴くさまが報道され、岸田政権への評価が高まったものだった。しかし、G7共同文書を読むと、岸田政権は外交的敗北を喫したと断ぜざるをえない文言も含まれている。具体的には、とにかく中国にすがって、ウクライナ問題を解決してもらおうという姿勢だ。中国の経済的、軍事的脅威をまともに受ける日本にとって、外交の主導権を絶対に中国へ渡してはならなかったはずである。
共同文書には「我々の政策方針は、中国を害することを目的としておらず、中国の経済的進歩及び発展を妨げようともしていない」「我々は、中国に対し、ロシアが軍事的侵略を停止し、即時に、完全に、かつ無条件に軍隊をウクライナから撤退させるよう圧力をかけることを求める。我々は、中国に対し、ウクライナとの直接対話を通じることも含め、領土一体性及び国連憲章の原則及び目的に基づく包括的、公正かつ永続的な平和を支持するよう促す」と明記されている。
日本パッシングが平然と行われるようになった
案の定、G7サミットが終わってから、「日本パッシング(無視)」が平然と行われるようになってしまった。ウクライナ問題は、G7サミット議長国の日本、そしてG20議長国のインドとで組んで、中国抜きで解決への働きかけをすることも可能だったはずである。アメリカも含め、ウクライナや中国問題で、日本を含めて物事を進めようとする動きは皆無である。各国の首脳は、中国詣でを繰り返すのが当たり前になってしまった。
岸田外交によって、日本は原爆を落とされた不幸な国、同情すべき敗戦国という隷属的な地位を獲得したのみである。同情されることほど哀れなことはないのだと外交当局者は肝に銘じるべきである。かつて、トランプ大統領(当時)の力を借りたとはいえ、主体的な外交を展開していた安倍政権とは大きな違いだろう。メンツにばかりこだわって、実態がともなわない岸田外交の特徴がよくでている。
岸田政権「もう一度行きたいウクライナへ」
G7を前にして、岸田首相はウクライナへ行って、ゼレンスキー大統領に「必勝しゃもじ」を渡すという愚劣なセレモニーが実施されたことを記憶している人も多いだろう。これで支持率が上がったことで、政権幹部たちはもう一度ウクライナへ岸田首相を行かせようと考えている。
行ける日程は、7月にリトアニアで開催されるNATO=北大西洋条約機構の首脳会議の前後だ。今回も電撃訪問!とセンセーショナルに発表するのだろうか。少しでも援助がほしいゼレンスキー大統領の足元をみて、援助と引き換えに記念撮影をして帰ってくるのだろう。
国民負担率増加で地獄におちる日本国民
私は、岸田首相がウクライナへ行くことが問題と言っているのではない。岸田外交には戦略目標がないことが問題なのである。岸田外交は、世界中にお金をバラまいては相手国から「ありがとう」とだけ言われる事態になっている。中国を封じ込めたいのか、ロシアに対話を促すのか、アメリカと何かをしたいのか、それが何であれ、外交目標がないから、援助がただのバラマキになるのである。
永濱利廣氏(第一生命経済研究所首席エコノミスト)は、COMEMO(6月7日)で、国民負担率(税・社会保障負担の国民所得に対する割合)の上昇により、「消費支出が削減されるほか、貯蓄の減少」をもたらし、潜在成長率が低下すること。「2010年以降の国民負担率の上昇幅をG7諸国で比較すると、日本が断トツで上昇している」こと。「G7諸国に関するパネル分析を行うと、国民負担率と潜在成長率には有意に負の相関にあり、国民負担率+1%ポイントの上昇に対し、潜在成長率が▲0.11%ポイント低下する関係がある」ことなどを明らかにする優れた分析を行っている。
世界中の国にお金を撒いている場合ではない
これまで日銀(2000年)も同じような分析結果を出していて、「国民負担率、潜在的国民負担率と成長率との間でより明確に負の相関がでる」「国民負担率が1%上昇すれば成長率は0.30%低下し、潜在的国民負担率が1%上昇すれば成長率は0.27%低下する」「国民負担率の上昇→貯蓄率の低下→資本蓄積の阻害→成長の制約というメカニズムの存在を示唆しているように思われる」と指摘している。
目標もなく、政策効果のない政策をバラマキ、世界中の国にお金を撒いている場合ではないのである。岸田政権に何かをする能力がないのであれば、国民負担を減らすことに執念を燃やすべきだろう。増税を名前だけ変えてごまかすやり方は、本当に不誠実だ。
これまでの政権のやり方からして、選挙前には何らかの課題について「異次元の対策」「予算倍増」と言い出し、選挙後に負担増を言い出す。このことを国民は肝に銘じるべきである。
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