日本の海で何が起きているのか。海水表面ではなく、数百メートル下の海洋「内部」の温度が過去に見られたことのない異常な状況となっている

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世界の異常海水温 異常気象

日本の海で何が起きているのか。海水表面ではなく、数百メートル下の海洋「内部」の温度が過去に見られたことのない異常な状況となっている

台風が巨大化するのも海水温上昇が影響している。

さすがに異常な「平年より10℃高い」海洋内部の温度

数日前、気象庁から「非常に驚くべき発表」がありました。

以下のニュースリリースにあります。

三陸沖の海洋内部の水温が記録的に高くなっています (気象庁 2023/08/09)

ニュースリリースの冒頭は以下のようになっていますが、注意したいのは、これは、「表面温度」ではなく、「海洋内部」の変化ということです水深 300 〜 400メートルの場所で、平年差 10℃という、あり得ない海水温の変化が測定されているようなのです。


三陸沖の海洋内部の水温が記録的に高くなっています

気象庁 報道発表

報道発表日 令和5年8月9日

概要

三陸沖では2022年(令和4年)秋以降、海洋内部の水温が記録的に高くなっていることが解析され、7月に行った気象庁の海洋気象観測船「凌風丸」による海洋内部の観測でも、平年より約10℃も高い水温を観測しました。

 

これは黒潮続流が三陸沖まで北上していることが原因と考えられ、水産資源の分布などに関連する海洋環境への影響が懸念されます。

(※日本南岸に沿って流れる黒潮の、房総半島以東の流れを黒潮続流と呼びます。)


 

ここまでです。

具体的には、三陸沖の以下のマップの「W」の海域の海中の温度が、極めて高くなっているようです。

気象庁報道発表より

気象庁

東北の大平洋沖から北海道東南沖などの「海水表面温度」が、平年と比べて著しく高くなっていることは気になっていました。

以下の記事などでもふれています。

北海道東部の海域で何が? 海水表面温度が「平年より 5℃から 6℃も高い」という異常
 BrainDead World 2023/08/10

この記事で載せたのは、7月31日の海水表面温度の平年との差異です。

7月31日の日本周辺の海水表面温度の平年との差異

気象庁

現在もこの時の状況とあまり変わっていません。

平年との差異を別にしても、現在、「日本周辺の海水表面温度そのものが大変に高い」状態です。

以下は、8月12日の最新の海面温度です。「ピンク」の色分けの海域は、おおむむね 30℃前後から、それ以上となっています。そもそも、右側にある目盛りは、上限が 31℃となっていますので、本来なら、これはもう観測史上の最高値レベルであるはずです。

8月12日の日本周辺の海水表面温度

気象庁

日本周辺の海水面温度は何だか大変なことになっているのですが、しかし、今回の気象庁の報道発表で「海洋内部も異常に水温が高い」ことを知り、根本的な原因は、「海の中(あるいは海底)にあるのでは?」と思った次第です。

海面の表面温度は、もしかすると現在の比較的高い気温の影響を受けるのかもしれませんが、海中 400メートルの場所などは、地上の気温がどれだけ高く変化しても影響は受けないはずです。

気象庁の説明ですと、この水温の変化は、「黒潮続流」というものの流れる位置の変化、すなわち「海流の流れに変化が起きたから」ということになっています。

しかし、本当にそれだけで、「平年差 10℃」などという温度が記録されるでしょうか。

私個人として、最も理解しやすいことは、「具体的に何が起きているのかはともかく、海底で何か起きている」ということでした。

 

海水温の変化は海底火山の活動に左右されるという理論

これは、たとえばという話ですが、2017年の記事で、ペルーの科学者が「エルニーニョは、海底火山の活動が原因で起きている」というようなことを述べていたことがありました。

もちろん、主流の科学で相手にされる話ではありませんが、興味深かったですので、以下の記事の後半で取り上げています。

(記事)気候はどこまで荒れるのか…… : 「超モンスター級」エルニーニョの出現の現実化。そして、ペルーの科学者は、「エルニーニョは海底火山の活動が原因で、それは惑星と太陽からの影響に起因している」と語った
 In Deep 2017年4月10日

この記事でご紹介したペルーの報道より抜粋

…これらの大量の熱い水は、海底火山に起因しているとプリエト博士は述べる。それらの海底火山は、ビスマルク海、ソロモン海、およびサンゴ海の赤道線の南からの深海に発達しており、5,000個以上の小型の海底火山があるという。

これらの水中火山が噴火すると、異常な水準まで水が加熱され、通常より 4倍以上の海水の蒸発を引き起こす。

これらの激しい降雨現象は、何千もの海底火山の噴火によって生成されるため「火山性のエルニーニョ」と呼ばれるべきであるとプリエト博士は述べる。

しかし、水中の火山活動を引き起こす原因は何なのか?

火山活動は惑星の運動によって統制されているとプリエト博士は言う。具体的には、惑星の位置や整列などによって、地球のマグマや火成岩のコアで強い磁気的圧力が生じる。惑星の運動は、環太平洋火山帯に沿った海底火山の活動を刺激するという。

惑星の配置と同様に、太陽嵐は地球の磁気圏に強く影響するため、太陽活動もひとつの要因となる。太陽嵐は、地球の核に磁気圧力を発生させ、海底火山活動を刺激すると博士は述べている。

PUNTO DE VISTA Y PROPUESTA 2017/03/24

 

現在の日本の東部周辺の海水温の異常の原因が、気象庁の言うように海流の変化によるものなのか、あるいは、他の原因があるのかはわからないですし、継続するものなのかどうかもわからないですが、この異変の影響は大きいと思われます

気象庁は、海産物への影響について注意を述べていまして、具体的にいえば、「これまで普通に獲れていた魚介類の漁獲がなくなる」というような影響もあるかと思いますし、逆に、これまで漁獲されなかったような種類の魚類がたくさん獲れることもあるのかもしれません。

同時に、地表の気温への影響や、天候そのものへの影響も大きいように思います。

エルニーニョやラニーニャ現象というものが、海水温度の変化によって起こされることからわかるように、日本周辺の気温や気候は、具体的にはその方向はわからないですが、今後もやや荒れるのかもしれません。

海水温度の問題は日本周辺だけの問題ではなく、たとえば、以下は、北大西洋の海水表面温度の過去約 40年の水位の比較です。これも異常です。

1982年から2023年の北大西洋の海面水温の推移の比較

Jim Bianco

(記事)この海水面温度の推移が正しいのなら、ちょっと世界は終わりかけているかも
 BrainDead World 2023/08/02

世界の海はいったいどうなっちゃっているのですかね。

コメント

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