ついに「走行税」導入か 電気自動車の普及で税収減、英国で税制改革の可能性
免税となる距離を付与し超過した距離分だけ税金を払うシステム
EV推進で減った税収、どう補う?
英国では自動車の電動化が進み、EV(電気自動車)の販売が伸びている。一方で、ガソリン車とディーゼル車の販売台数減少で減った税収を財務省がどのように回収するつもりなのか、国民の間で疑問が広がりつつある。
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一般的に、電気のみで走行するEVには燃料税がかからない。英国におけるEVの登録台数は前年比38%増と増加の一途をたどっており、ゼロ・エミッション車(ZEV)の義務化も控えていることから、さらなる増加が見込まれる。
燃料価格を大きく左右する燃料税は現在1L当たり52.95ペンス(約97円)で、2023-24会計年度には243億ポンド(約4兆4580億円)の税収が予想されている。これは英国全体の税収の2.3%に相当し、1世帯あたりでは867ポンド(約15万9000円)、国民所得の0.9%にあたる額だ。
EVにも自動車税適用へ 燃料税はノーコメント
英国予算責任局(OBR)は2022年に行った試算に基づき、2026-27年までに燃料税の税収が現在より14億ポンド減少すると計算している。
OBRはその試算の中で、2024年1月に施行予定のZEV義務化の存在を挙げている。ZEV義務化は、2026年までにメーカーの新規登録車の33%をEVにすることを義務付けるもので、翌年には38%、2030年には80%まで上昇する。つまり、英国では従来のガソリン車やディーゼル車の新車販売が現実的ではなくなるのだ。
燃料税と自動車税は2025年4月までEVに課されない。これに伴い年間350億ポンドの歳入減を懸念した下院運輸委員会は2022年2月、財務省と運輸省に対し、税収を維持するための案を検討するよう要請した。
同委員会は「状況は緊急」であることを強調し、テレマティクス技術を利用して走行距離に応じて税金を課すロードプライシング・システム(いわゆる道路税/走行税)を提案した。
財務省はこの問題への関与に消極的な姿勢を見せて批判されたものの、今年2月、委員会に書簡を送り、国民の生活費の削減が優先事項であることを強調。当初1年間のみ実施予定であった燃料税1L当たり5ペンス(約9円)の一時的な減税を2024年4月まで延長したと述べた。
同時に、2025年4月からEVに自動車税が課されることを委員会に伝えている。しかし、燃料税やロードプライシングについては、これまでと同様、何もコメントしなかった。
AUTOCARの問い合わせに対し、同省の広報担当者は「自動車税の税収が電気自動車への移行に歩調を合わせるようにする一方で、消費者にとって手頃な価格を維持しており、ロードプライシングを導入する計画はない。EVへの移行が加速する中、自動車税の変更を通じて、すべてのドライバーが公平に税金を負担するようになるのは正しいことだ」と回答している。
走行距離ごとの課税システム
財務省の、ひいては英国政府の、燃料税をめぐる議論に関与しようとしない姿勢を見かねたのか、第三者が独自の解決策を提案するようになっている。
シンクタンクの政策研究センター(Centre for Policy Studies)は5月、『The future of driving』という文書の中で、ゼロ・エミッション車に対する『pay as you drive(運転した分だけ支払う)』制度を提案した。
ZEVは走行距離に応じて一律に税金が課されるが、それでもガソリン車やディーゼル車よりもかなり低額になるという。すべての人に免税となる距離数が割り当てられるが、代替交通手段の少ない地方に住む人々には、その割り当てがより多くなる。
この走行距離ごとの課税システムは最終的に、道路を走るZEVの割合が増えるにつれて、すべての自動車に対する燃料税と自動車税に完全に取って代わることができると、政策研究センターは主張している。
走行距離データは、手作業での提出、車載機器からの送信、車両のGPS追跡など、さまざまな手段で収集される。
英国王立自動車クラブ(RAC)の調査によると、ドライバーは「走れば走るほど多くの税金を払うべき」という原則を支持しているが、政府がこのような制度を利用して課税額を増やすことに懸念を抱いているという。
RACの政策責任者であるサイモン・ウィリアムズ氏は、次のように述べた。
「答えのない疑問がたくさんあります。燃料税は単にEVへの移行を促進するために引き上げられるかもしれないが、それを実行するのにベストなタイミングはいつか。距離に応じた課税方式が最もよさそうだが、どのように適用するのか」
「大小を問わず、すべての道路を監視するためにカメラを導入するのは非常に高価であり、ロンドンではULEZ(超低排出ガスゾーン)用のカメラが破壊されるケースもあります。どのような解決策であれ、それは常識的で中立的なものでなければなりません」
まいこめんと
免税となる走行距離を付与し、多く走る田舎ではそれを多くし、免税距離を超えた分に
走行距離税を課すというやり方は良いように見えるが、問題は免税距離を政府の意向に
よっていくらでも変えることが可能だという点にあります。
例えば、昨年の走行距離税が思ったほどではなく税収を上がらなかったので免税距離を
減らし税収を増やすと言うことも考えられるからです。
また、ガソリン車とEVでは燃費が大きく異なりガソリン車も燃費に大きな差があるので
こうした点も考慮しないといけないだろう。
つまり燃費の悪い車は免税距離を増やすと言うことです。
とは言っても日本の財務省はそういう配慮はしないだろう。
税収が多くなることだけ喜ぶ集団なので日本での導入は反対です。
まさかと思うが、今のガソリンの税金をそのままにして、そこにさらに走行税を課す
なんて考えを持っていないだろうか?
そうなった場合は国民は車を捨てて抗議すべきだろう。
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