パーティー裏金疑惑の松野官房長官を更迭へ、首相「役割果たして」から一転・後任調整
- 岸田総理支えきれず、ついに更迭か!それより財務大臣を更迭した方が国民のためになるのでは?
- 安倍派はキックバック疑いも自民派閥でいったい何が?
- Q.事態が松野官房長官側にも波及した形だが、松野氏自身、また岸田総理は官房長官の進退について、どう考えている?
- Q.そもそも、今回の「政治資金」をめぐる問題とは、どんなものか?
- Q.なぜ政治資金パーティーなどの収入をめぐって問題が相次ぐのか?
- Q.一体なぜなのか?
- Q.パーティー券を販売する側の事情はどうなのか?
- Q.どういう事情かは分かってきましたが、今回の問題をどう考えたらいいのか?
- Q.今回の問題、派閥などはどのように対応しているのか?
- Q.たびたび訂正されていることをどうみれば良いのか?
- Q.きちんと記載がされていなければ、不透明な金のやりとりや癒着が起きても、外からチェックすることはできなくなってしまうということか?
- Q.「キックバック」とは、具体的にはどういうことか?
- Q.販売ノルマやキックバックは、安倍派だけなのか?
- Q.捜査当局は、どう動いているのか?
- Q.安倍派の関係者の反応は?
- Q.派閥の「事務総長」とは、どういう役割なのか?
- Q.その松野官房長官側には「5年間で1000万円を超えるキックバック疑い」があるとみられるが、どう発言?
- Q.二階派の反応は?
- Q.では、岸田総理大臣はどう対応?
- Q.一方の野党側は?
- Q.来週には国会が閉会するが、岸田総理は国民の疑念を払拭できるのか?
岸田総理支えきれず、ついに更迭か!それより財務大臣を更迭した方が国民のためになるのでは?
岸田首相は自民党最大派閥の安倍派が政治資金パーティー収入の一部を還流させるなどして裏金化していた疑惑を巡り、還流を受けた疑いのある松野博一官房長官(61)を交代させる方針を固めた。事実上の更迭となる。首相は後任人事の調整を進める考えだ。
複数の政府・与党関係者が明らかにした。内閣の要である官房長官の交代で政権運営が不安定化するのは避けられず、内閣支持率が低迷する首相にとって大きな打撃となる。
松野氏は2019年9月~21年10月に安倍派の事務総長として派閥の実務を取り仕切っていたが、還流疑惑に関して定例記者会見などで説明を拒み続けている。8日の参院予算委員会でも自らへの還流疑惑について、「私の政治団体に関しては適切に処理してきた」と釈明したうえで、「精査して適切に対応していく」との答弁を繰り返した。
首相は同日の衆院予算委員会で、野党議員が松野氏の更迭を求めたのに対し、「政府のスポークスマンとしての役割をしっかり果たしていただきたい」と強調した。松野氏も「引き続き責任を果たしていく」と述べた。
衆院予算委員会で松野官房長官(中央右)の答弁を巡り、協議する与野党の理事ら(8日、国会で)=川口正峰撮影 だが、政府・与党内では、松野氏を巡り、「疑惑を 払拭 できない以上、官房長官の任を果たせず、速やかに身を引くべきだ」(閣僚経験者)との声が強まっており、首相も続投は困難との判断に傾いたとみられる。
官房長官が辞任するのは異例だ。第2次森内閣で中川秀直氏が女性問題などの疑惑が発覚し、00年10月に辞任した。第2次小泉内閣では、福田康夫氏が04年5月に国民年金保険料の未納問題で辞任を表明した。松野氏が辞任すれば、21年10月に発足した岸田内閣で、不祥事などでの閣僚辞任は5人目となる。
松野氏は衆院千葉3区選出で当選8回。文部科学相や自民党総務会長代行を経て、岸田内閣の発足当初から官房長官を務めた。
安倍派はキックバック疑いも自民派閥でいったい何が?
NHK Webより
急転を見せる自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題。最大派閥の安倍派がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分の収入を議員側にキックバックし、派閥の政治資金収支報告書に記載していなかった疑いなどが明らかに。いったい何が起きているのでしょうか?安倍派幹部の松野官房長官側も去年までの5年間で1000万円を超えるキックバックを受けていたことが関係者への取材でわかりました。内実を知るという証言も交え、解説していきます。
(※新たに判明した内容や、反応を加えて12月8日午後6時現在、更新しました)
Q.事態が松野官房長官側にも波及した形だが、松野氏自身、また岸田総理は官房長官の進退について、どう考えている?
A.松野官房長官は現時点では辞任を否定していて、事態の推移を見極める構えです。
ただ、自民党幹部の1人は、こう話しています。
「連日追及にさらされ、本人は消耗してきている」(自民党幹部)
与党内からもいずれかのタイミングで辞めざるを得なくなる可能性を指摘する声が聞かれます。
「このままでは官房長官としての業務に支障が出かねない」(与党内)
また、ある政権幹部はこう話しています。
「捜査の展開が見通せない中、悩ましい状況で、今は耐えるしかない」(政権幹部)
岸田総理としては、世論や政権運営への影響なども見極めながら、対応を検討していくものとみられます。
Q.そもそも、今回の「政治資金」をめぐる問題とは、どんなものか?
A.こちらをご覧ください。
自民党の5つの派閥は、2021年までの4年間にあわせておよそ4000万円分の政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に適切に記載していなかったとして、大学教授が告発状を提出し、各派閥は訂正を行うなど、対応に追われる事態となっています。
さらに、NHKは、その後の2022年分について独自に調査を実施しました。
すると、4つの派閥と1つの議員グループの政治団体で、少なくともあわせておよそ600万円分の収入が適切に記載されていなかったことが明らかになりました。
Q.なぜ政治資金パーティーなどの収入をめぐって問題が相次ぐのか?
A.その背景を取材するなかで、わかってきたことがあります。まず、こちらを説明します。
政治資金を集めるために行われる「政治資金パーティー」。
参加者は、一口2万円程度のパーティー券を購入。何口も買うケースも少なくありません。
数千人規模になることもあり、多いときで数億円のカネが集まります。
法律で認められた集金の手段ですが、特定の団体などとの癒着を防ぐため、次のような決まりがあります。
しかし今回、派閥などの政治資金パーティーの収入をめぐって、適切に記載されていないケースが相次いで明らかになったのです。
Q.一体なぜなのか?
A.関係者の証言を得て、わかったことがあります。
自民党の派閥のパーティー券を毎年購入してきたという業界団体の関係者です。
「業界としてみれば、何かあったときにいろいろお願い事をすることもあるだろうと。もしもの時のためというか、『保険』じゃないけどかけておくみたいな」
各派閥のパーティーが開かれる時期になると、男性のもとにはパーティー券の購入を求める依頼が次々に舞い込むといいます。
「いろんなところから『お願いします』って電話がかかってくるわけですよ。(全然知らない人からも?)すごい数が来ます。本当に」
男性の証言から、不記載につながる要因の一端が見えてきました。
団体は、同じ派閥の複数の議員から同じパーティー券の購入を別々に依頼されることも少なくないといいます。
団体はパーティー券を議員ごとに購入。
その多くは、派閥側には記載義務のない、20万円以下だったということです。
ただ、元は同じパーティー。同じ団体からの支払い金額の合計が20万円を超えていれば、派閥側には記載の義務があるにもかかわらず、この団体のケースでは、記載されていなかったのです。
「正直なところびっくりしました。当然、正直に適正に報告はされているんだろうと思って、漏れているものがあるなんて思いもよらなかった」
Q.パーティー券を販売する側の事情はどうなのか?
A.自民党の関係者は、パーティー券を販売する側の事情について、こう明かしました。
「それぞれの議員が、どこに(パーティー券を)売っていてるかっていうのは分かりませんし、議員同士も、自分たちの大切な支援者をほかにあんまり言いたくないという心理も間違いなく働くんですね。結果として記載義務の必要があるものを記載できなかったというケースがあると思います」
Q.どういう事情かは分かってきましたが、今回の問題をどう考えたらいいのか?
A.政治資金の問題に詳しい専門家に聞きました。
「もしパーティーに関する不記載が故意に、あるいは組織的に行われたということになれば、政治資金収支公開制度の根幹を失わせるといったような非常に重大な問題だと言わざるをえない。やはり、こういうことがないようなチェックやコントロールの仕組みというのを今後考えていく必要があろうかと思います」
Q.今回の問題、派閥などはどのように対応しているのか?
A.告発状が出されている5つの派閥は、岸田総理大臣の指示を受けて収支報告書の訂正を行ったことを明らかにしていて、それぞれの派閥で再発防止策を講じるとしています。
また、今回、NHKの取材で明らかになった2022年分の不記載については、4派閥1議員グループは、「すでに訂正をした」または、「事実を確認し適切に対応する」などと回答し、12月1日までに多くはすでに記載が訂正されていました。
Q.たびたび訂正されていることをどうみれば良いのか?
A.指摘を受けて訂正をすれば済むという問題ではないと思います。
専門家も、不記載が相次でいることは深刻な問題だと受け止めていて、
「結果的に不正な献金の温床になっていると疑われかねない」と指摘しています。
Q.きちんと記載がされていなければ、不透明な金のやりとりや癒着が起きても、外からチェックすることはできなくなってしまうということか?
A.政治資金パーティーの収入の不記載について、さらに取材を進め、わかったことがあります。
自民党の関係者の1人は取材に対し、こう話します。
「パーティー券の販売にはノルマがあり、ノルマを超えた分の収入は慣習として議員側に派閥からキックバックされていた」(自民党の関係者)
Q.「キックバック」とは、具体的にはどういうことか?
A.自民党の最大派閥、安倍派「清和政策研究会」の政治資金パーティーに関して、わかったことがあります。
複数の関係者によりますと、安倍派は、所属議員の役職や当選回数などに応じてパーティー券の販売ノルマを設定していました。
そして、所属する議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分の収入を、議員側にキックバックし、派閥の収支報告書にパーティーの収入や議員側への支出として記載していなかった疑いがあります。
議員側にキックバックされた資金の総額は去年までの5年間で数億円に上るとみられます。
また、キックバックを受けていた安倍派の所属議員は数十人規模に上るとみられることが関係者への取材でわかっています。
そして安倍派は、▽議員ごとのノルマ額、▽実際に集めた金額、▽議員側にキックバックした金額を記したリストを作成していたということです。
キックバックを受けていた安倍派の所属議員のうち、複数の議員が、去年までの5年間に1000万円を超えるキックバックを受けていたとみられています。
なかには、去年までの5年間でおよそ5000万円に上るキックバックを受けたとみられる議員がいることが関係者への取材で新たにわかりました。
関係者によりますと、安倍派は、パーティー券の収入を専用の口座などで管理していたということで、口座への入金額と、安倍派の政治資金収支報告書に実際に記載されているパーティー収入の総額には食い違いがあり、議員側の政治団体もキックバックされた資金を収入として記載していない疑いがあるということです。
さらに、8日、また新たな事態が…。
安倍派幹部の松野官房長官側も去年までの5年間で1000万円を超えるキックバックを受けていたことが関係者への取材でわかりました。
松野官房長官側の政治団体は、政治資金収支報告書に収入として記載していない疑いがあるということです。
Q.販売ノルマやキックバックは、安倍派だけなのか?
A.いえ、安倍派だけではなく、二階派「志帥会」も、所属する議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分を派閥の収支報告書に収入として記載していなかった疑いがあるということです。
二階派も、ノルマを超えた分を議員側にキックバックしていましたが、キックバック分は、派閥の収支報告書に議員側への支出としては記載されていて、キックバックを受けた議員側の政治団体も収入として記載しているとみられるということです。
Q.捜査当局は、どう動いているのか?
A.東京地検特捜部は資金の流れなどについて実態解明を進めているものとみられます。
キックバックを受けていた安倍派の所属議員などからの任意の事情聴取についても検討しているとみられ、全国から応援の検事を集めて捜査態勢を拡充し、今月13日の臨時国会閉会後にも事情聴取を本格化させるものとみられます。
Q.安倍派の関係者の反応は?
A.安倍派の座長を務める塩谷 元文部科学大臣は11月30日、記者団に対し、安倍派では所属議員に対し、パーティー券の販売ノルマを設けていたと明らかにしました。
一方、記者団から、ノルマを超えた分の収入を議員側に戻していたのか問われ、「そういう話はあったと思う」と述べました。
ただ、塩谷氏はこのあと、改めて取材に応じ、事実関係を正確に把握したうえでの発言ではなかったとして撤回しました。
そして、翌日、塩谷氏は「これから事実関係を精査する」というコメントを出しています。
安倍派の事務総長を務める高木国会対策委員長は4日、自身を含め派閥内でキックバックがあったか問われたのに対して「これから慎重に事実関係を確認し、適切に対応していきたい」と述べるにとどめました。
そして、5日、松野官房長官と西村経済産業大臣、高木国会対策委員長は、衆議院本会議のあと、およそ10分間、国会内で会談しました。3人はいずれも自民党安倍派の幹部です。
高木氏は現在、事務総長を務め、松野氏と西村氏も事務総長を務めた経験がありますので、会談では、派閥の政治資金パーティーをめぐる問題への対応などについて意見を交わしたものとみられます。
Q.派閥の「事務総長」とは、どういう役割なのか?
A.自民党の派閥の「事務総長」は、各派閥に1人ずつ置かれ、閣僚や党幹部の経験者などベテラン議員が務めるのが慣例です。
派閥の運営を切り盛りする役割を担い、トップの会長とともに人事などの要望を行うほか、各派閥の事務総長が集まって情報交換を行うこともあります。
最大派閥・安倍派の事務総長は◇去年8月から高木国会対策委員長が務めています。◇前任は西村経済産業大臣でおととし(2021年)10月から去年8月まで、◇さらにその前は、松野官房長官が2019年9月からおととし10月まで務めました。
Q.その松野官房長官側には「5年間で1000万円を超えるキックバック疑い」があるとみられるが、どう発言?
8日、国会は衆参両院の予算委員会で集中審議が行われ、立憲民主党は、松野官房長官の政治資金をめぐる問題などを追及しました。
松野官房長官は、衆議院予算委員会の集中審議で、「政府の立場としては答えを差し控えるべきと認識しているが、派閥で事実確認がなされている最中で、また報道によれば、派閥の政治資金の取り扱いについては刑事告発がなされ、関連して捜査が行われている。そうしたことを踏まえて、私の政治団体についても精査して適切に対応していきたい」と述べました。
また、同じ日の閣議のあとの記者会見でも、具体的な事実関係の説明を避けました。
そして官房長官を辞任する考えはないか問われたのに対し「引き続き緊張感を持って与えられた職責を 果たしていきたい」と述べました。
一方、記者団が「具体的な説明を避け続けるのは、岸田総理大臣から『答えないように』と言われているのか」とただしたのに対し「私の判断だ」と述べました。
Q.二階派の反応は?
二階派会長の二階・元幹事長は4日、「刑事告発を受けているとのことであり、事実関係をよく調査して適切に対応する」というコメントを出しました。
Q.では、岸田総理大臣はどう対応?
「各政策グループの活動に国民から疑念を持たれていることは遺憾だ。政治の信頼を回復するため、党としても強い危機感を持って、この問題に一致結束して対応していく」
岸田総理は6日、政府与党連絡会議でこう述べた後、自民党本部で、麻生副総裁や茂木幹事長、それに世耕参議院幹事長ら党幹部7人と会談し、対応を協議しました。
そして記者団に対し、「政治とカネの問題、政策集団のパーティーをめぐって、さまざまな指摘があり、国民の政治に対する信頼が揺らいでいることに党としても強い危機感を持たなければならない。そして党全体として一致結束して、対応しなければならない大変重要な重たい課題であることを指摘し、思いを共有して取り組んでいくことを指示した」と述べました。
その上で「まずは政策集団のパーティーは、党として信頼回復に向けての取り組みを明らかにするまでは開催を自粛すること、年末年始の派閥の行事についても自粛することを確認した」と述べました。
さらに、7日、岸田総理は、総理大臣と党総裁の間は、より中立的な立場で国民の信頼回復に努めたいとして、みずからが会長を務めていた岸田派「宏池会」を離脱しました。
Q.一方の野党側は?
A.立憲民主党の泉代表は12月8日の記者会見でこう批判しています。
「松野官房長官には大きな疑念がかかっており、真実を語るべきだ。予算委員会では『政府の立場』や『捜査を受けている』という理由で、全く答えていない。答弁もできず、他の業務にも支障が出る官房長官は、任にあたわない。辞任を要求し、松野氏の証人喚問を求めている。総理の任命責任は当然で、もはや内閣が正当性を持たない状況だ。裏金システムの根絶と悪徳幹部の全員退場を求めていきたい」
その上で、記者団から「内閣不信任決議案を提出する考えはあるか」と問われたのに対し「さまざまなことを総合して、最終的に判断していく」と述べています。
また、共産党は5日、企業や団体によるパーティー券の購入や政治献金を全面的に禁止することなどを盛り込んだ、政治資金規正法の改正案を国会に提出しています。
Q.来週には国会が閉会するが、岸田総理は国民の疑念を払拭できるのか?
A.簡単ではないと思います。
と言いますのも、安倍派では、松野官房長官だけでなく、ほかの議員にも疑いの目が向けられているからです。
このため、自民党幹部の1人は「辞任が相次ぐような事態に発展しかねず、そうなれば政権が倒れかねない」と危惧していました。
岸田総理は、派閥を離脱し、政治資金パーティーの自粛を指示しましたが、これらはあくまで第一歩だとしています。
自民党内では「派閥のあり方そのものを見直す必要がある」とか「政治資金規正法の改正も議論すべきだ」といった声も出ていまして、さらなる対応策を講じ、国民の信頼回復を図れるかどうか、岸田総理にとって厳しい局面が続くことになります。
(12月8日「ニュース7」などで放送)
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