卵巣がん、白血病、前立腺がん…「がん超過死亡率は上昇している」京大名誉教授らが論文発表《コロナワクチンとの関係に言及》
やはり接種後3年を経過してワクチン後遺症が現実化してきた。
いま、全世界から注目を集めている医学論文がある。タイトルは「日本におけるCOVID-19パンデミック時のmRNA-脂質ナノ粒子ワクチン3回接種後のがんの年齢調整死亡率の上昇」。4月にオンラインの医学ジャーナルで公開され、最初の10日間で閲覧数が10万を超えた。学術論文としては極めて異例の反響だという。
共著者の一人は、月刊「文藝春秋」の 4月号 と 5月号 にコロナワクチン後遺症についての記事を発表し、大きな話題となっている京都大学名誉教授の福島雅典氏。福島氏の専門は本来がんだ。 「文藝春秋」6月号 では、この新しい論文について解説している。
すべてのがんの「超過死亡率」が上昇している
論文の内容はタイトルの通り、日本において集団接種が行われた2021年から、全てのがんにおける「超過死亡率」が上昇している、というものだ。
超過死亡とは、例年のデータから統計学的に推定される死亡の予測値に対し、実際の死亡がどれだけ上回ったかを示すものだ。これまでも厚労省の審議会などでコロナワクチン接種との関係が議論となることがあったが、国立感染症研究所の鈴木基・感染症疫学センター長は、超過死亡数の増加とワクチン接種のタイミングとはズレがあるため関連づけるのは合理的ではない、という結論を出している。
だが、福島氏はこの結論について「早計ではないか」という見解を持っている。
〈なぜなら超過死亡を適切に評価するには、以下の3つの条件を満たす厳密な解析をすべきだからです。
(1)年齢調整死亡率を用いること
(2)死因別に調べること
(3)少なくとも10年は遡って死亡率の推移を見定め、統計学的に正しい手法で証明すること
厚労省の議論は死因別ではなく、全死亡の超過死亡数を扱ったものでした。また、高齢化著しい日本では年齢調整をしないと母集団の年齢構成が変わってしまいますし、年齢調整した超過死亡数であっても各時点で母数が異なるため、10万人あたりの死亡率にならして比較しないと正確なことが言えないのです〉(福島氏)
事実を看過せず、検証すべき
この厳密な解析条件をクリアしたのが、今回の論文の筆頭著者である宜保美紀氏だ。高知県の臨床医で、疾病予防や寿命延長をめざして人の集団のデータ収集・解析などを行う「公衆衛生学」を大学で研究していた経歴の持ち主だ。
3つの条件すべてをクリアし、解析された結果はというと……。
〈パンデミックの最初の年(2020年)には、有意な超過死亡は観察されなかった。しかしながら、2021年の1回目と2回目の集団ワクチン接種後に一部のがんによる超過死亡が観察され、2022年に3回目の集団ワクチン接種後に全てのがんと一部の特定の種類のがん(卵巣がん、白血病、前立腺がん、口唇/口腔/咽頭がん、膵臓がん、および乳がんを含む)で有意な超過死亡が観察された〉(論文冒頭の「抄録」より)
福島氏が解説する。
〈このすべての原因がワクチンにあると言うつもりは毛頭ありません。ただ、集団接種のタイミングと特定のがんの死亡率上昇が一致するという現象が、我々の解析の結果、明らかになった。その事実を看過せず、検証すべきことは検証しましょうと提言したいと思います〉
パンデミック以前には考えられなかったことが起きている
そもそも、がんは日本人の死因で最も多く、24.6%を占める(2022年人口動態統計)。だが、2006年にがん対策基本法が成立した後は、国の計画どおり、すべてのがんの年齢調整死亡率は2020年まで順調に下がっていた。
ところが、今回の論文をみると、日本でワクチン接種が開始された2021年、その低下がストップしたのだ。
福島氏はこう語る。
〈がんに関して、パンデミック以前には考えられなかったことが起きているのではないかと感じます。
新型コロナワクチン接種事業の中止を求めてきた「有志医師の会」のメンバーからも、同様の実感を聞きます。
実際に診療していて、急に腫瘍が大きくなるとか、体調の異変に気づいて来院した人がもう末期だったとか、「最近おかしながんが多い」と口々に語るのです〉
すべてのがんで死亡率が上昇しているわけではない。歴然とデータに表れた「部位別」の超過死亡率の差はいったい何を意味しているのか。がん患者の体内で、どのような変化が起きていると推測できるのか。福島氏が解説する「 コロナワクチン後遺症とがん 」は、5月10日(金)発売の「文藝春秋」6月号に10ページにわたり掲載されている(「 文藝春秋 電子版 」では5月9日に公開)。
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