ノルウェー政府が起こり得る食糧危機に備えて「緊急穀物備蓄」を開始

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食料備蓄を始めるノルウェー 食糧問題

ノルウェー政府が起こり得る食糧危機に備えて「緊急穀物備蓄」を開始

比較的ヨーロッパは食糧確保政策が確立している。そのノルウェーが備蓄を始める理由は?そして、日本は?

食糧不安が発生する理由は、国や地域により様々でしょうが、世界の中でも、ヨーロッパは最も食糧安全保障が確保されている地域だとされています。

世界の食糧安全保障ランキング(色が濃いほど安全度が高い)

bloomberg.com

そのヨーロッパにあるノルウェーが、

「穀物備蓄の緊急構築を開始した」

と、ブルームバーグが伝えています。

普通であるなら、食糧安全保障の懸念がほぼないノルウェーで、そのようなことが始められたというのは、何らかの想定がなされていることなのかもしれません。

以前、In Deep の記事で「51年サイクルの飢餓の時代が近づいているかもしれない」ということを書かせていただいたことがあります。

(記事)大量飢餓の時代:51年サイクルの「食糧の壊滅的な不足」が近づいている可能性がある中での準備のすすめ
In Deep 2024年5月15日

こういう予測はともかくとしても、気候や気温の問題、そして戦争による物流への影響の問題、経済危機などによる流通に関する問題など、すべてが食糧不安につながる可能性があります。

ノルウェー政府が想定している「起こり得る危機」というものが具体的には何かはともかく、それほど遠い先のことではない食糧供給懸念を抱いているようです。

それにしても、そういう事態が起きた場合、日本は大丈夫なんでしょうか。ノルウェーの人口は約 550万人です。日本は 1億2000万人。仮に、そのような食糧供給危機が訪れた場合は、日本はノルウェーの20倍以上の量の穀物を備蓄しなければなりません。そんなことが日本政府にできるのでしょうかね。

ノルウェーのことより、日本のことの方が心配になります。

ノルウェーの穀物備蓄についてのブルームバーグの報道です。

 


緊急穀物備蓄が世界の食糧不安を浮き彫りにする

Emergency Grain Stockpiling Highlights World’s Food Worries
bloomberg.com 2024/07/05

ノルウェー政府は、起こり得る危機に備えて穀物備蓄を構築している。

貿易の混乱や収穫の不作から国を守るため、最大 8万2500トンの国有穀物が民間企業によって保管される。政府は 2029年までに 3か月分の製粉用小麦を備蓄する予定だ。

これは考えられない事態に備えるためのものです」と、トリグベ・スラグスボルド・ヴェドゥム財務大臣は先週、この計画が発表された際に述べた。

この措置は、連立政権のパートナーである農業中心の中央党にとっては成功だろう。同党は長年穀物備蓄を主張しており、来年の選挙を前に農家有権者からの支持回復を必要としている。

しかし、この動きはノルウェーの国内政治を超えて響き渡り、食糧に対するより深い不安を示唆している

世界中の政府は、人口増加に伴う供給の確保に頭を悩ませている。

近年、サプライチェーンは、新型コロナウイルスのパンデミック、ロシアのウクライナ戦争、農作物の輸出禁止、輸送の混乱、不安定な天候などのショックに見舞われている。食料品価格の高騰は消費者に負担をかけており、食料と農業は選挙戦の主要争点の一つとなっている。

「私たちは、重なり合う緊急事態の世界に生きています」と米マサチューセッツ大学アマースト校のイザベラ・ウェーバー氏は言う。「さらなるショックが起こる可能性が高く、それは、これらの必需品の価格変動が今後も高いままである可​​能性が高いことを意味します」

それはインフレにつながり、マクロ経済の不安定化につながる恐れがあり、食品のような分野で何ができるのかという疑問が生じているとウェーバー氏はインタビューで語った。

「売り手インフレ」について発言してきた経済学教授のウェーバー氏は、先月発表された論文によると、商品価格の変動から各国を守り、価格つり上げを抑止するために世界的な緩衝在庫の必要性を再び主張している。食品など重要な部門でのショックや価格高騰は重要であり、一般的なインフレにも影響を及ぼしかねないため、潜在的な見返りは大きいとウェーバー氏は述べた。

それでも、パリ政治学院の非常勤教授で国際食料政治学のクリス・ヘガドーン氏によると、備蓄は費用がかかり、多くのインフラを必要とし、食料の腐りやすい性質を考えると適切に管理される必要があるという。

食糧安全保障の専門家で元米国外交官のヘガドーン氏は今年初め、EUと政府関係者らを招いて食糧危機に関する戦争シミュレーション・ワークショップを開催した。

参加者たちは EU が備蓄管理プログラムを検討し、農業予算の一部を貯蔵施設の改修と新設に充てるべきだと主張した。

「各国はますます(食糧安全保障に対して)神経質になっています」とヘガドーン氏は言う。

「気候変動が食料や農業を誰にとっても困難にしていることは、私たち全員がほぼ認識しています。価格変動は引き続き大きな問題であり、各国はさらなる安全を求めています」

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