人の顔は「名前」で決まることが研究で判明
子どもにイケメンっぽい名前を付けると本当にイケメンに育つかも
多くの親は、自分の子どもにいい名前を付けようと頭をひねったり、スポーツなどで活躍した有名人や芸能人にあやかった名前を付けたりします。ある人物の顔写真と名前の候補を別の人に示して名前を当ててもらう実験により、名前が成長とともに顔立ちの形成に影響を与えることが示されました。
Can names shape facial appearance? | PNAS
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2405334121
Names may shape facial appearance over time n | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/1053013
New study finds people alter their appearance to suit their names
https://phys.org/news/2024-07-reveals-people-evolve.html
Wild Study Finds Your Name Has an Incredible Effect on Your Face : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/wild-study-finds-your-name-has-an-incredible-effect-on-your-face
イスラエル・ライヒマン大学のヨナット・ツウェブナー氏らの研究チームによると、人の顔と名前が一致する傾向があることがこれまでの研究でわかっていいるものの、この「顔と名前の一致現象」の起源はこれまで不明だったとのこと。
例えば、多くの親は「あらかじめ名前を決めていたけど、生まれてきた子どもに似合わないので名前を変更した」と証言することが知られており、このことから親たちが子どもの顔に合った名前を付けている可能性が浮上します。
これに関連する心理現象として、研究チームは人に2つの図形を見せて「どちらの図形の名前が『ブーバ』でどちらが『キキ』だと思いますか?」と聞くと、大半は丸っこい図形が「ブーバ」でギザギザな図形の方が「キキ」と答えるという「ブーバ/キキ効果」を紹介しました。
by Drawn by Andrew Dunn, 1 October 2004.
一方、名前は肉体以外に親が子どもに与える最初の贈り物であり、その子どもの人生に多大な影響を与える「社会的タグ」の役割を果たすことから、個人の顔の見た目が時間とともに名前と関連した社会的ステレオタイプの影響を受ける「自己成就的予言効果」という説も提唱されています。
この立場では、人は意識的に、あるいは無意識的に名前を自分のアイデンティティとして認識しており、髪型やメガネの着用、化粧、ピアス、さらには表情といった外見に関する行動や習慣はその影響を受けていると説明されます。言い方を変えると、人は社会の期待に応じて自分がどのように見えるべきかを決めているということです。
この生まれか育ちかの議論を検証するため、研究チームは子どもと大人の被験者に人の顔写真と名前の候補を示して、写真の人物の名前を当てるよう依頼する実験を行いました。
by Zwebner, PNAS, 2024
その結果、どちらのグループの被験者も写真の人物が大人だった場合は偶然を超える精度で顔と名前を一致させることができましたが、子どもの顔と名前は一致させることができませんでした。この傾向は、子どもの顔写真をデジタル処理して大人に見えるようにしても同様でした。
この実験結果は、大人の顔立ちが時間の経過とともに名前に合うように変化することを示唆しています。
さらに、機械学習アルゴリズムに大量の顔写真と名前のデータを学習させる実験でも、同じ名前を持つ大人の顔は名前が違う場合よりはるかに類似性が高いと判定されました。
一連の実験の結果から研究者らは、人と名前の類似性は生来の顔立ちではなく自己成就的予言の結果であると結論づけました。つまり、人の外観は名前に関連した社会的ステレオタイプに合わせるように、時間をかけて変化するものだということになります。社会的ステレオタイプの具体例としては、名前が有名人と関連していることや、名前が持つ意味合いや由来などが挙げられます。
この研究について、ツウェブナー氏は「私たちはこれまで実証的に検証することがほとんど不可能だった、社会的構造化の存在を証明しました。社会的構造化は人の外見に影響を与えるほど強いものですので、この発見は性別や民族など、名前よりもさらに重要な個人的要因がどこまで人の成長に影響するのかをも示唆しているかもしれません」と述べました。
Can names shape facial appearance? | PNAS
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2405334121
https://www.eurekalert.org/news-releases/1053013
New study finds people alter their appearance to suit their names
https://phys.org/news/2024-07-reveals-people-evolve.html
Wild Study Finds Your Name Has an Incredible Effect on Your Face : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/wild-study-finds-your-name-has-an-incredible-effect-on-your-face
イスラエル・ライヒマン大学のヨナット・ツウェブナー氏らの研究チームによると、人の顔と名前が一致する傾向があることがこれまでの研究でわかっていいるものの、この「顔と名前の一致現象」の起源はこれまで不明だったとのこと。
例えば、多くの親は「あらかじめ名前を決めていたけど、生まれてきた子どもに似合わないので名前を変更した」と証言することが知られており、このことから親たちが子どもの顔に合った名前を付けている可能性が浮上します。
これに関連する心理現象として、研究チームは人に2つの図形を見せて「どちらの図形の名前が『ブーバ』でどちらが『キキ』だと思いますか?」と聞くと、大半は丸っこい図形が「ブーバ」でギザギザな図形の方が「キキ」と答えるという「ブーバ/キキ効果」を紹介しました。
by Drawn by Andrew Dunn, 1 October 2004.
一方、名前は肉体以外に親が子どもに与える最初の贈り物であり、その子どもの人生に多大な影響を与える「社会的タグ」の役割を果たすことから、個人の顔の見た目が時間とともに名前と関連した社会的ステレオタイプの影響を受ける「自己成就的予言効果」という説も提唱されています。
この立場では、人は意識的に、あるいは無意識的に名前を自分のアイデンティティとして認識しており、髪型やメガネの着用、化粧、ピアス、さらには表情といった外見に関する行動や習慣はその影響を受けていると説明されます。言い方を変えると、人は社会の期待に応じて自分がどのように見えるべきかを決めているということです。
この生まれか育ちかの議論を検証するため、研究チームは子どもと大人の被験者に人の顔写真と名前の候補を示して、写真の人物の名前を当てるよう依頼する実験を行いました。
by Zwebner, PNAS, 2024
その結果、どちらのグループの被験者も写真の人物が大人だった場合は偶然を超える精度で顔と名前を一致させることができましたが、子どもの顔と名前は一致させることができませんでした。この傾向は、子どもの顔写真をデジタル処理して大人に見えるようにしても同様でした。
この実験結果は、大人の顔立ちが時間の経過とともに名前に合うように変化することを示唆しています。
さらに、機械学習アルゴリズムに大量の顔写真と名前のデータを学習させる実験でも、同じ名前を持つ大人の顔は名前が違う場合よりはるかに類似性が高いと判定されました。
一連の実験の結果から研究者らは、人と名前の類似性は生来の顔立ちではなく自己成就的予言の結果であると結論づけました。つまり、人の外観は名前に関連した社会的ステレオタイプに合わせるように、時間をかけて変化するものだということになります。社会的ステレオタイプの具体例としては、名前が有名人と関連していることや、名前が持つ意味合いや由来などが挙げられます。
この研究について、ツウェブナー氏は「私たちはこれまで実証的に検証することがほとんど不可能だった、社会的構造化の存在を証明しました。社会的構造化は人の外見に影響を与えるほど強いものですので、この発見は性別や民族など、名前よりもさらに重要な個人的要因がどこまで人の成長に影響するのかをも示唆しているかもしれません」と述べました。
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