“張りぼての株価”は小康状態のあと「またドーンと大きく下げる」
長期投資家・澤上篤人さんが「相場から離れるべき」と警告する理由
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かねてから私は、半世紀にも及ぶ全世界の「カネ余りバブル相場」の終焉を言い続けてきました。今回の暴落は、その始まりにほかなりません。
業績がすごくいい企業は数多くありますが、株価はそのすごさをはるかに上回って高騰していました。「儲けよう、儲けよう」で買い上げられてきた中身のない〝張りぼての株価〟ですから、そんなのが続くわけがありません。
史上最大の下げ幅を記録してから不安定なもみあい相場が続いていますが、相場は一気に崩れることはありません。しばらく小康状態が続いた後、またドーンと大きく下げる、このパターンを繰り返しながら株価は奈落の底に沈んでいくでしょう。
そうした大きな流れはもはや必然ですから、個人投資家はそんな相場からは一刻も早く離れるべきです。新NISAで、市場全体の値動きに合わせて動く投資信託(インデックスファンド)の積み立て投資を始めた人も例外ではありません。組み込まれている銘柄はまさに「玉石混交」で、「玉」の中には無理やり買い上げられた銘柄もいっぱい入っています。奈落の底に落ちてからの回復には相当な時間がかかります。
私に言わせれば、投資はそんなに難しいものではありません。実体経済をベースに投資する企業を選んでいけば本物の投資ができます。実はやり方もきわめてシンプルです。
まずは皆さんが生活していく上で必ず必要な企業、なくなっては困る企業を考えてください。たくさんの企業が頭に浮かぶと思いますが、それらを丁寧に見ると株価がそんな上がっていない企業があるはずです。それを買えばいいんです。
無理やり買い上げられていないので、市場全体が大暴落してもそんなに値下がりすることはありません。そして生活に必要で、なくなったら困る企業なのですから、存在は地味でもいつか人々の注目を浴びて、株価が大きく買われる日がやってきます。長期投資家は気長にその日を待てばいいのです。
ポイントは「応援する」という姿勢です。10年、20年先でも「応援」できる企業であるかどうかを見極めてください。今は絶好調なテック企業の中には、10年先どころか5年先も見通せない企業があります。そんな企業は「応援」することができません。生活に必要な企業であると自分が信じ「応援」できるから、長期で地味な企業でも買えるのです。
「応援できるか」を基準にすれば、通常の株価の上昇・下落にも自然に対応できます。株価が思いのほか下がっていたら、「何だ、応援しなきゃいけないじゃないか」と自然体で買えばいい。人々の注目が集まって「にわか応援団」が増えて株価が上がってくれば、「じゃあ、いったん彼らに応援を任せよう」と売ってもいい。これを繰り返せば、結果的に安く買って高く売ることができます。
間違っても、「儲けよう」などと思ってはいけません。そう思った途端に相場を追いかけることになり、どこかで「天井をつかむ」ことになってしまいます。
株式投資で利益を表す「リターン」の意味を考えてください。「戻る」ですよね。「稼ぐ」とか「鞘を抜く」という意味はありません。そう、投資は「儲けよう」ではなく「儲かってしまう」という世界なのです。(構成 編集部・首藤由之)
※AERAオンライン限定記事
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昨日1200円以上値上がりし、今日も前日比95円の小幅な値上がりとなっているが
前回書いたように、この値上がりは一般投資家が損を取り戻そうとすることから
値上がりを期待して上げているものなので、外国の大手投資家が底を狙い大量の
売り注文で利益確定に動けば日経平均は再度暴落する可能性があるので今は手を
出さないことが一番だと思われます。
こうした状況ではデイトレードが一番かもしれません。
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