(CNN)エムポックス(サル痘)の感染が拡大するアフリカ諸国で、数日中にもワクチン接種が始まる見通しとなった。世界保健機関(WHO)の当局者はエムポックスについて「制御可能」との見方を示し、新型コロナウイルスの再来ではないと強調している。

エムポックスの感染はコンゴ民主共和国(DRC)を中心に広がっている。同国などアフリカの少なくとも5カ国で致死率の高い変異株「クレードIb」が検出され、世界保健機関(WHO)が14日に緊急事態宣言を出した。

アフリカ疾病対策センター(CDC)のカセヤ事務局長は20日の会見で、ワクチン接種の準備が整えば数日中に接種を開始すると述べ、来週末にはDRCなどにワクチンが届き始めるとの見通しを示した。

アフリカCDCによると、アフリカ各地でこの1週間に約1400人の感染が報告され、年初からの感染者数は1万9000人近くと、昨年の同時期の2倍を超えた。最新のデータによれば、今回の流行で500人以上が死亡している。

カセヤ氏は先週、ワクチンについて「現時点では20万回分が供給される見通しだが、少なくとも1000万回分が必要。1回分100ドル(約1万5000円)前後と高価で、買える国は少ない」と訴えていた。

デンマークの製薬会社ババリアン・ノルディックが支援を申し出ている。ロイター通信はDRC保健相の話として、日本と米国も供給に協力する構えと伝えた。

WHOのクルーゲ欧州地域事務局長は記者会見で「新たなコロナではない」「エムポックスを制御する方法、欧州で感染を完全になくす方法は分かっている」と述べた。