厚労省が職員9万人を対象に「マイナ保険証アンケート」の愚策…エグすぎる質問事項の“大きなお世話”

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厚労省が職員9万人を対象に「マイナ保険証アンケート」の愚策…エグすぎる質問事項の“大きなお世話”

プライバシーにかかわる内容もズケズケと質問

 必死さが痛々しい。マイナ保険証の利用率向上に躍起になっている厚労省のことである。利用率は先月時点で約11%と、いまだに低空飛行中。25日の毎日新聞朝刊によると、厚労省は職員ら約9万人を対象に、メールを通じてマイナ保険証に関するアンケートを実施しているという。

「まず隗より始めよ」といえども、質問事項がなかなかえぐい。ザっと次の通りだ。

〈あなたは先月に医療機関等を受診しましたか。受診の際、マイナ保険証を利用しましたか〉

〈次回の医療機関の受診の際、マイナ保険証を利用する予定はありますか〉

〈あなたはマイナ保険証についてどのような印象や考えをお持ちですか〉

 回答者自身の利用状況の他、その扶養者がマイナ保険証を利用しているかどうか、現行の保険証を使う理由は何かなど、プライバシーにかかわる内容もズケズケと質問。果ては、職員に利用を呼びかける河野デジタル相のメッセージを確認したかどうかも尋ねているという。大きなお世話だ。

散々これまで指摘されているように、マイナ保険証の取得・利用は本来、任意である。国家公務員も例外ではないが、回答者の家族をひっくるめて利用状況を聞き出すなんて職員への“圧力”以外の何物でもない。保険証廃止の撤回を訴える全国保険医団体連合会(保団連)事務局次長の本並省吾氏が皮肉交じりに言う。

「医療保険制度を所管する厚労省が職員に『なぜ現行の保険証を使うのか』と尋ねること自体、愚問です。模範解答は『一国民の権利として公的医療保険制度をスムーズに利用するため』でしょうね」

 政府は5月から7月をマイナ保険証の利用促進月間に位置付け、医療機関や薬局にカネをばらまく禁じ手を使ってまで利用率向上に邁進してきた。いまだ利用率1割の惨状なのは、医療現場と患者にとってメリットがないに等しいからだ。

 医療情報サイト「エムスリー」が今月16~20日、会員の医療従事者2136人を対象に「従来の健康保険証からマイナ保険証への移行を評価するか」を聞いたところ、開業医のうち約5割が「まったく評価しない」、約3割が「あまり評価しない」という散々な結果だった。

 

 職員にアンケートを取らずとも、答えは明白である。現行の保険証とマイナ保険証の「選択制」にすればいい話だ。

  ◇  ◇  ◇

 遅々として進まないマイナ保険証普及の中、警察庁が法令上の「本人確認書類」から「健康保険証等」を削除する方針を示し、動揺する声が…。

●関連記事『【もっと読む】もはや任意じゃなくて強制…12月2日のマイナ保険証一本化に向けて強まる国民への包囲網』で詳報している。

 
 
 
 

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