ドイツ・ハンブルクの電車内で「マールブルグ熱の疑い」がある乗客が出たため線路が封鎖される

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マールブルグウイルス マールブルグウイルス

ドイツ・ハンブルクの電車内で「マールブルグ熱の疑い」がある乗客が出たため線路が封鎖される

致命的なウイルスの恐怖によりハンブルク駅の線路が閉鎖

 致死性が高く感染力の強いマールブルグウイルスに感染している疑いのある乗客 2人が 10月2日の午後、ハンブルクの主要鉄道駅で警報を鳴らした。

 26歳の医学生とその恋人が電車内でインフルエンザのような症状を呈したため、完全防護服を着た救急隊員がフランクフルト発の電車に乗り込んだ。乗客たちは避難させられ、警察は駅の線路 2本を数時間封鎖した後、再開した。

 ハンブルク消防署によると、マールブルグ病の疑いのある 2人のうち 1人も軽い嘔吐症状を呈していた。「何かおかしいと感じたため、消防署に電話した」と広報担当者はディ・ヴェルト紙に語った。

 ビルト紙は、この学生はルワンダから直接飛行機で到着したと報じた。ルワンダでは、後にマールブルグ病に感染していると診断された患者と接触していた。

 東アフリカの内陸国ルワンダでは現在、致死率の高いウイルスの流行が起きている。ルワンダの保健省によると、先週の日曜日以降、8人がウイルスで死亡し、26人の感染が確認されている。

 世界保健機関によると、マールブルグウイルスは発熱、けいれん、血の混じった嘔吐、下痢などの症状を引き起こし、死亡率は最大 88%に達する。感染者の体液との接触によって感染する。

 学生とその恋人は熱帯病を専門とするエッペンドルフ大学病院に搬送されたが、荷物は押収された。

マールブルグ病

病原体

マールブルグウイルス(フィロウイルス科)です。

流行地

967年旧西ドイツ・マールブルグで、ワクチン製造のためにウガンダから輸入されたアフリカミドリザルの腎臓を使った際に、研究員などの間に原因不明の熱性疾患が流行したのがはじまりで、フランクフルトや旧ユーゴスラビアでも同様の事例がみられました。
最初の流行以後、ケニアとジンバブエで散発的な発生が確認されただけでしたが、1998年~1999年にかけコンゴ民主共和国(旧ザイール)で感染者が100名を超える大流行をみました。また最近では、2005年にアンゴラで感染者が300名を超える大流行がみられ、80%以上が死亡しています。輸入例も含め、わが国での発生はありません。

感染経路

コウモリやラットなどの媒介動物が指摘されてはいますが、自然界からヒトへの感染経路は依然不明です。感染源になるのは、患者の血液、体液、排泄物、唾液などで、これらとの直接接触および医療機関や家族内での濃厚接触が感染経路で、空気感染はありません。

潜伏期

3~10日です。

症状

突発的に発症し、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛に続き発疹がみられます。その後、症状は悪化し、黄疸、全身衰弱、精神錯乱、出血、多臓器不全をきたします。

治療法

特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。

予防等

現地では、コウモリやラットなど野生動物などとの接触は避けましょう。
患者の血液、体液、分泌物にウイルスが含まれていますので、医師や看護師など医療従事者は、ガウン、マスク、手袋、ゴーグル、長靴着用などによる接触感染防止策を講ずる必要があります。ワクチンはありません。

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