「焦げたアンパンマン」こと石破茂が首相就任前に口走ったトンデモ発言の数々
まさに「ダメだこりゃ!」か。石破新首相に早くも「裏切られた」と感じた多数の国民
今回はタイミング的に、自民党の総裁選について書かないわけには行かないとは思いますが、あたしとしては「とにかく河野太郎と高市早苗だけは絶対に勘弁してほしい!」というスタンスだったので、最悪の結果だけは回避できたというのが正直なところです。
でも、9回裏の逆転サヨナラタイムリーで自民党の総裁に選出され、後は自動的に日本の首相になっちゃった「焦げたアンパンマン」こと石破茂も、「アメリカの若者たちが世界の戦場で血を流しているのに、日本の若者たちは血を流さなくても良いのか?」など、過去のトンデモ発言の数々をアーカイブすると頭痛がして来ます。
もちろん、一国会議員だった時とは立場がまったく違うので「メイド・イン・ジャパンの核兵器を開発する」とか「戦場で敵前逃亡した自衛隊員を裁くために軍事裁判を復活させる」とか、過去のトンデモ主張を本気で進めるとは思っていません。しかし、改憲で日本を戦争のできる国にするくらいのことはやりかねないので、あたしはとても不安なのです。それは、今回の総裁選の中で、石破茂は「アジア版NATOの創設」を公約の1つとして掲げたからです。
石破茂は「今のウクライナは明日のアジア」だと言い、ロシアがウクライナへ侵攻したように、アジアにも「中国による台湾侵攻」というリスクがあり、このリスクに対応するためには「アジア版NATO」を創設しなければならないと述べたのです。
しかし「アジア版NATO」を創設するということは、アジアの国々で有事が発生した際、日本は自衛隊を出動させなきゃなりませんし、自衛隊は敵と交戦しなきゃなりません。石破茂が具体例として挙げた「中国による台湾侵攻」が発生したら、日本は自衛隊を出動させて中国軍と交戦しなきゃならないのです。そして、そのためには、改憲して日本を戦争のできる国にする必要があるのです。
さらに石破茂は「日米地位協定」の見直しにも言及しました。これだけ聞けば拍手喝采ですが、何のための見直しかと問えば、石破茂は「アメリカと対等の立場になり、自由に核兵器を配備できるようにするため」だと言うのです。つまり石破茂は、中国やロシアや北朝鮮と戦争するためにアジア版NATOを創設し、そのために日本も核兵器を配備するということを、今回の総裁選の公約に掲げたのです。
しかし、大半の国民は9人の候補者の政策や公約などきちんとチェックせずに、テレビでの討論などを断片的に見た程度で、後はそれぞれの候補者のイメージだけで良し悪しを判断していたのではないでしょうか?
「表紙が替わっただけで中身は今までと同じ」
9月27日に石破茂が新総裁に選出されたことを受けて、毎日新聞は28、29両日、「石破茂新総裁に期待するか」という設問の全国世論調査を実施しました。その結果、「期待する」が52%、「期待しない」が30%となり、ダブルスコアまでは差がつきませんでしたが、過半数が石破茂に期待していることが分かりました。
でも、この世論調査に答えた人たちの一体何割くらいが、石破茂の公約を知っていたのでしょうか?そして、もしも回答者全員が石破茂の公約を知っていたとしたら、果たして過半数もの人たちが「期待する」と答えたでしょうか?
…そんなわけで、9月30日(月)放送のTBSラジオ『森本毅郎 スタンバイ!』では、リスナーの意見を聞く「トークファイル」の設問が「石破政権で政治は変わると思いますか?変わらないと思いますか?」でした。「期待するか?期待しないか?」とはちょっと違いますが、この設問も新政権への期待度が反映されるので、放送で取り上げられたリスナーの声を、以下、いつものように文字起こししてみました。
江戸川区62歳の男性 「政治は変わらないでしょう。結局、自民党というグループに所属している限り、自分の考えだけでは政治を変えることができないと鮮明になりました。ましてや自民党の役員メンバーを見ると、幹事長、総務会長、政調会長に女性の起用もなく、女性軽視が見え見えで、体質に変化はまったくないと感じました」
埼玉県の女性 「変わると思います。防衛や安全保障など、現在の日本が世界の中で置かれている状況をよく把握できているからです。裏金問題など国内課題が山積しているのは確かですが、それよりも中国、ロシア、北朝鮮からの脅威にどのように備えるべきか、具体的な策を有しておられます。地方の課題も熟知していらっしゃるので、地方の活性化や、自然災害への備えなどにも対処されることでしょう」
神奈川県56歳の男性 「麻生さん、菅さんなど、いわゆる重鎮と呼ばれる人はそのまま重鎮であり続けるようですし、表紙が替わっただけで中身は今までと同じ。ボロが出ないうちに選挙をやって、裏金や統一教会の問題を消し去るつもりなんじゃないですか?」
中央区70歳の女性 「総裁選を見ていて政治は恐ろしいなと思いました。1回目で石破さんに差をつけた高市さんを見て、高市さんで決まりと思ったら、2回目で石破さんが逆転して総裁に。普通であれば高市さんになっていたと思いますが、そうならなかったということは、自民党は変われないということだと思いました。私も高市さんの右寄りは嫌いですが、女性の自民党総裁を見てみたかった気もします」
Xからの投稿 「変わると思いますよ。石破さんは就任会見で事務方の原稿を読まず、自分の気持ちを自分の言葉で話してました。記者の質問にも真摯に答えていました。当たり前のことですが、今までぜんぜんできていなかったことです。さらに裏金議員や宗教関係者議員を排除して、自民党を復活させてほしいと思います」
さいたま市74歳の男性 「とても変わるとは思えませんね。総裁選の大逆転は、議員票の大幅な上積みの結果ですから、そうなると勝馬に乗った議員を厚遇せざるを得なくなります。これは石破さんの言うノーサイド・オールスター人事はとても実現できないということでしょう。事実、想定される内閣の顔ぶれを見ると、数人を除いて、論功行賞のオンパレードです。これまでと変わらない人事ですね」
「少子化担当に三原じゅん子さんと言われたらね~」
茨城県27歳の男性 「周りの顔をうかがっているような党の役員人事にガッカリです。いったい誰のために政治をしてるんでしょうか。はたから見たら自分たちの利権のために必死にやってるようにしか見えず、われわれ国民は置いてけぼりの気がします。誰がなっても一緒か、という結論に至ってしまい、政治への関心も薄れて行きます。石破さん、私たち20代の若者は、物価高や社会保障の高さに本当に苦しんでるんですよ。お高くとまってないで、足元を見てくださいよ」
長野県67歳の男性 「変わりますね。自民の四役に新鮮味はありませんが、新政府の閣僚は二軍から上がって来たような初入閣のメンツが多く、石破首相のグリップ力は強いと思います。野党側、野田代表との政策論争も、のらりくらりとスルーするでしょう。何と言っても今回は麻生さんを祀り上げて、実質、実権は総理総裁が掌握する体制を作ったことがジワジワと染み出て来ると私は確信しています」
小平市63歳の男性 「石破さんにはずっと総裁になってほしいと思ってましたが、総裁選の期間中から言ってることが微妙に変わって来たので、総裁になったらなったで不安もありますね。やっぱり、好きじゃないけど高市さんぐらいの人じゃないと自民党は変われないのかな」
八王子市50代の男性 「良くも悪くも変わると思いますね。アジア版NATOも昨日今日思いついたことじゃなくて石破さんの持論ですよ。庶民としては経済対策、賃上げ応援団ではなくて、個人消費が景気の下支えだと語っているのなら、もう一歩踏み込んだ消費税減税をしてほしいと思います」
葛飾区51歳の男性 「ほとんど変わらないでしょう。内閣が発足していないのであれこれ言えませんけど、麻生さんなど前の政権を引きずっている人を最高顧問にして、ま、見え見えですね。挙句の果てに、少子化担当に三原じゅん子さんと言われたらね~」
埼玉県入間郡の59歳の男性 「自民党は変わらないね。石破さんに代わって、答弁や記者会見は聞いていて精神的に楽になりましたけどね。岸田さんの作文棒読みの会見や答弁を我慢して聞いていると、血圧が上がりそうで耐えきれませんでしたから。良かった点はそれくらいかな?」
水戸市60代の女性 「石破さんが立候補した時の言葉に、ちょっと期待してもいいかなと思いました。しかし、その言葉はどんどん小さくなって行き、期待も小さくなりました。そして内閣の顔ぶれを見て、刷新感の『感』さえなくなって、期待もなくなりました。今が一番支持率が高いので解散するんですね。私は期待も支持もできませんが」
埼玉県川越市58歳の男性 「残念ながら政治は変わらないでしょう。党内人事では自分に近い議員の登用、岸田政権の継承を口にしていて、むしろ失望しました」
埼玉県60代の男性 「政治は変わると思いますよ。ただし石破政権が変えるのではなく、党内人事でも明らかなように、旧態依然とした自民党政治に嫌気がさした国民からのNO!を突きつけるトリガーとなる意味で、変わると思います」
回答者の75.8%が「石破政権に期待していない」
…そんなわけで、公平を期して石破茂を支持するリスナーの意見も掲載しましたが、大半は「政治は変わらない」という見方であり、毎日新聞の世論調査とは反対の結果となりました。そこであたしは、自分のツイッター(現・X)で「あなたは石破政権に期待していますか?」というアンケートを実施してみました。回答は「期待している」「期待していない」「どちらとも言えない」の三択で、期間は9月30日夜から10月1日夜までの24時間としました。すると、次のような結果が出たのです。
毎日新聞の世論調査は、まだ石破茂が何も発言していない「まっさらな状態」での調査ですから「期待する」という回答が多かったのも分かります。一方、あたしの行なったアンケートは、石破茂が総裁選中の発言とは正反対に、マッハのスピードで解散総選挙を行なうと発表してから実施したアンケートなので、石破茂に多少は期待していた人たちも、その多くが「裏切られた」と感じたようです。
どんなに党内の老害から解散総選挙を急かされても、そんなもん無視して「私は被災者の救済を最優先する」と言い、能登の支援の陣頭指揮を執り、被災者を助けてから1カ月遅れで解散総選挙を行なえば、石破茂はヒーローになっていました。そして「自民党は変わった」というイメージをアピールできた上、結果として選挙にも大勝できていたのに、本当に救いようのない政党ですね。国民など二の次で、常に目の前の私利私欲によって舵を切る自民党政権。まさに「ダメだこりゃ!」です。
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