バイデンはイスラエルを制御できない!
イスラエルの好戦主義が益々酷くなっているのはバイデン政権がイスラエルを制御できないためではなく、自ら持つ制御力の行使をバイデン政権が意図的に拒否しているためだ。
ケイトリン・ジョンストン
2024年10月3日
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
「イスラエルへのバイデンの影響力は限界に近づいている」と題する不快なほどプロパガンダ的で欺瞞的記事をポリティコが掲載した。これは中東で見られるアメリカ支援の残虐行為と軍事的瀬戸際政策を、無辜の受動的目撃者として現政権を描き、政権の犯罪行為をすっかり隠そうとする過去一年報じられた帝国主義メディア歪曲記事の一つに過ぎない。
「政権が一年かけて阻止しようとしてきた地域戦争」をバイデンは阻止できないかもしれないとポリティコのジョナサン・レミアとロビー・グラマーは全く誤って報じている。ガザでの戦争の遂行方法に関するアメリカの助言をネタニヤフと彼の政権が一貫して無視しているため、今やバイデン政権は「事態を形作する発言力が大幅に低下している」と彼らは偽って主張している。
これらはただの嘘だ。彼らは嘘をついているのだ。
昨年来多くの人々が正しく指摘している通り、イスラエルが頼りにしている軍事支援を打ち切ると脅し、イスラエルの好戦的行動を即座に止める権限がアメリカ大統領には確実にあるし、歴代大統領もこの権限を行使してきた。先月、ガザでの丸一年にわたる残虐行為はアメリカ支援なしでは数か月しか続かなかったとイスラエル空軍当局者が認めた。
武器禁輸や、禁輸の恫喝があれば、とっくの昔にこの事態は止まっていたはずだ。イスラエルの好戦的行動が悪化しているのは、バイデン政権がイスラエルを制御できないからではなく、自ら持つ制御力を行使するのをバイデン政権が故意に拒否しているためだ。
このことは、国務省記者会見での最近のやりとりでも明らかになった。1982年のレバノン侵攻中にロナルド・レーガン大統領がイスラエル首相に電話をかけ、その電話により攻撃が即座に中止された記録が残っている事例を引き合いに出して「あなた方は自分の望みをかなえるための影響力を全く使っていないだけだ」という非難についてトム・ベイトマン記者からマシュー・ミラー国務省報道官が質問された。
「この紛争の過程で、アメリカがイスラエル政府に直接介入したことで、イスラエル政府はこれまで取らなかった措置、つまり人道支援の利用や軍事作戦の形態に関する措置を取ることになったことが何度もあった」とミラーは答え「それら全てに関し公に話すつもりはない。そのうちのいくつかは、これまで報告されてきた」と彼は補足した。
イスラエルに対し、バイデンが何らかの影響力を及ぼしてきたことを示しているので、これは実際ミラーにはかなり不都合な告白だ。裏返せば、イスラエルで我々が目にしているのは、多かれ少なかれバイデン政権が望んでいることなのだ。そうでなければ、起きていないはずなのだ。
先日、プレム・タッカー記者の鋭い質問をかわしながら「我々はハマスとの外交的解決を一度も望んだことがない」という言葉をミラーはうっかり口にしたが、もちろんこの立場は、停戦交渉に関する現政権のあらゆる発言を完全に無意味なものにする。
主流メディア・ニュース記事に見せかけるホワイトハウス報道発表が絶え間なく流れ、ネタニヤフに対し、バイデンがいかに「怒り」と「苛立ち」を感じているかやら、イスラエルを戦争の道から逸らすのにバイデンがいかに無力か報じられているにもかかわらず、ネタニヤフ本人同様、現政権はこれら戦争に責任がある。これはアメリカの戦争で、バイデンの戦争なのだ。
ポリティコの別記事「ヒズボラに対するイスラエルの軍事的攻勢をアメリカ当局が密かに支持」によると、ホワイトハウスのアモス・ホッホシュタインとブレット・マクガークは「イスラエルに紛争を終わらせるため、外交交渉をするよう説得するため、ここ数週間、ヒズボラに対抗する北へのイスラエルの軍事的焦点を移すというイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の幅広い戦略にアメリカは同意しているとイスラエル高官に語った」と報じている。
お分かりだろうか? レバノンにおけるイスラエルの戦争行為をバイデン政権が支持していると報じた同じメディアが、同時に、イスラエルの戦争行為を抑制するのにバイデンが、いかに無力かという記事を掲載しているのだ。
実に情けない。いくら主流メディアを軽蔑しても十分ではない。
ケイトリン・ジョンストン
2024年10月3日
この英語記事の朗読を聞く(朗読:ティム・フォーリー)。
「イスラエルへのバイデンの影響力は限界に近づいている」と題する不快なほどプロパガンダ的で欺瞞的記事をポリティコが掲載した。これは中東で見られるアメリカ支援の残虐行為と軍事的瀬戸際政策を、無辜の受動的目撃者として現政権を描き、政権の犯罪行為をすっかり隠そうとする過去一年報じられた帝国主義メディア歪曲記事の一つに過ぎない。
「政権が一年かけて阻止しようとしてきた地域戦争」をバイデンは阻止できないかもしれないとポリティコのジョナサン・レミアとロビー・グラマーは全く誤って報じている。ガザでの戦争の遂行方法に関するアメリカの助言をネタニヤフと彼の政権が一貫して無視しているため、今やバイデン政権は「事態を形作する発言力が大幅に低下している」と彼らは偽って主張している。
これらはただの嘘だ。彼らは嘘をついているのだ。
昨年来多くの人々が正しく指摘している通り、イスラエルが頼りにしている軍事支援を打ち切ると脅し、イスラエルの好戦的行動を即座に止める権限がアメリカ大統領には確実にあるし、歴代大統領もこの権限を行使してきた。先月、ガザでの丸一年にわたる残虐行為はアメリカ支援なしでは数か月しか続かなかったとイスラエル空軍当局者が認めた。
武器禁輸や、禁輸の恫喝があれば、とっくの昔にこの事態は止まっていたはずだ。イスラエルの好戦的行動が悪化しているのは、バイデン政権がイスラエルを制御できないからではなく、自ら持つ制御力を行使するのをバイデン政権が故意に拒否しているためだ。
このことは、国務省記者会見での最近のやりとりでも明らかになった。1982年のレバノン侵攻中にロナルド・レーガン大統領がイスラエル首相に電話をかけ、その電話により攻撃が即座に中止された記録が残っている事例を引き合いに出して「あなた方は自分の望みをかなえるための影響力を全く使っていないだけだ」という非難についてトム・ベイトマン記者からマシュー・ミラー国務省報道官が質問された。
「この紛争の過程で、アメリカがイスラエル政府に直接介入したことで、イスラエル政府はこれまで取らなかった措置、つまり人道支援の利用や軍事作戦の形態に関する措置を取ることになったことが何度もあった」とミラーは答え「それら全てに関し公に話すつもりはない。そのうちのいくつかは、これまで報告されてきた」と彼は補足した。
イスラエルに対し、バイデンが何らかの影響力を及ぼしてきたことを示しているので、これは実際ミラーにはかなり不都合な告白だ。裏返せば、イスラエルで我々が目にしているのは、多かれ少なかれバイデン政権が望んでいることなのだ。そうでなければ、起きていないはずなのだ。
先日、プレム・タッカー記者の鋭い質問をかわしながら「我々はハマスとの外交的解決を一度も望んだことがない」という言葉をミラーはうっかり口にしたが、もちろんこの立場は、停戦交渉に関する現政権のあらゆる発言を完全に無意味なものにする。
主流メディア・ニュース記事に見せかけるホワイトハウス報道発表が絶え間なく流れ、ネタニヤフに対し、バイデンがいかに「怒り」と「苛立ち」を感じているかやら、イスラエルを戦争の道から逸らすのにバイデンがいかに無力か報じられているにもかかわらず、ネタニヤフ本人同様、現政権はこれら戦争に責任がある。これはアメリカの戦争で、バイデンの戦争なのだ。
ポリティコの別記事「ヒズボラに対するイスラエルの軍事的攻勢をアメリカ当局が密かに支持」によると、ホワイトハウスのアモス・ホッホシュタインとブレット・マクガークは「イスラエルに紛争を終わらせるため、外交交渉をするよう説得するため、ここ数週間、ヒズボラに対抗する北へのイスラエルの軍事的焦点を移すというイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の幅広い戦略にアメリカは同意しているとイスラエル高官に語った」と報じている。
お分かりだろうか? レバノンにおけるイスラエルの戦争行為をバイデン政権が支持していると報じた同じメディアが、同時に、イスラエルの戦争行為を抑制するのにバイデンが、いかに無力かという記事を掲載しているのだ。
実に情けない。いくら主流メディアを軽蔑しても十分ではない。
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