小児肥満率世界第1位のメキシコの政府が「学校でのジャンクフードの販売を完全に禁止」するプログラムの実施を発表
ジャンクフードは多くの病気の原因
世界最大のジャンクフード消費国
メキシコ政府から、「公立学校においてのジャンクフードの販売をすべて禁止する」という政策プログラムをおこなうことが発表されています。
報道によれば、これは、「健康的な生活 (Vida Saludable)」と題されたプログラムで、半年間の準備期間を経た後、来年の 3月29日から、全国教育システムの全レベルの公立学校で「ジャンクフードの販売禁止」が義務化されることになります。かなり厳しい罰則付きのプログラムです。
理由は、報道によれば、
> このプログラムの目標は、子供の肥満と糖尿病が蔓延する中、メキシコの学童の栄養と健康全般を改善することだ。
とあります。
この報道で知ったのですが、メキシコというのは、「ジャンクフード、特にコーラなどのソフトドリンクの消費量がものすごい」ようで、以下のように報じられています。
報道より
メキシコは現在、世界最大のソフトドリンク消費国で、 1人当たりの年間平均消費量は 163リットル。 米イェール大学の 2022年の研究によると、これは 2位の米国の 118リットルより 40%多い。
驚くべきことに、メキシコにはコカコーラの 1人当たり消費量が全国平均の 5倍、世界平均の 32倍である州が 1つある。それはメキシコで最も貧しい州、チアパス州だ。
とにかく、メキシコは、子どもの肥満や糖尿病などが激増し続けているようで、2016年には、肥満と糖尿病の高率を理由に「疫学的非常事態」が宣言されています。
また、メキシコではすでに、スーパーなど一般の店舗でも、
「子ども向けのジャンクフードのパッケージに、漫画やアニメのキャラを使うことを禁止」
されています。
以下は、写真の上段が以前のパッケージ(アニメなどのキャラが使われている)で、下段が、禁止された後のパッケージです。キャラが消えています。
ところで、「ジャンクフード」とは、どのようなものが含まれるのかというと、以下のように説明されています。
コーラ類、ソフトドリンク、甘いフルーツドリンク、キャンディーバー、チョコレート、チップス、デザート、シリアル、甘いもの
sinembargo.mx
最後の「甘いもの」というのは、もう何でも含まれてしまいそうですが、こういうものの学校での販売が禁止されるようです。別の報道では、新鮮な果物や、天然ポップコーン、クルミやアーモンド、または、砂糖を添加していないデザートは OK とのこと。
しかし、別の報道では、「このプログラムはうまくいかないのではないか」と述べられていまして、その理由は、「メキシコの多くの公立学校には無料の飲料水が支給されていない」ためです。
以下のように報じられています。
報道より
しかし、「健康的な生活」プログラムの実現は困難になりそうだ。
メキシコの公立学校 25万5000校のほとんどでは、生徒に無料の飲料水が提供されていない。2020年以降、水飲み場を設置できたのはわずか 4%の学校だけだ。
休み時間に子供たちに商品を売る露店が並ぶ学校の外の歩道の禁止を政府がどう施行するかについても疑問がある。ここはメキシコなので、 多くの学校で「活気ある闇市場」が勃発することが予想される。
それでも、メキシコの子供たちの肥満と糖尿病の急増と闘うには、抜本的な対策が必要なことは確かだ。
メキシコでは、5歳から 11歳の子供 570万人、12歳から 19歳の青少年 1,040万人が太りすぎ、または肥満であると推定されている。
さらに、学童 10人中 7人、青少年 10人中 5人が運動不足であると推定されており、このことがメキシコの公衆衛生危機をさらに悪化させている。
メキシコの教育長官は、こうした傾向の原因は「砂糖の大量消費」、運動不足、そして主に食品業界の利益最大化を目的とした歴代政権の食糧政策にあるとしている。
メキシコは、小児肥満において世界第 1位、成人肥満において世界第 2位なんだそうです。
食糧不足だけではなく、食料過多という状況もまた多くの病気を作り出していることを知ります。
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