アサド政権崩壊後のシリア各地で戦闘が続いており、最悪のシナリオが起こりつつある
シリアが内戦に引きずり込まれた理由
冒頭のツイートにリンクされている青山弘之氏の記事『アサド政権が崩壊したシリアでの戦闘は止まず:ロシア、トルコ、イスラエル、米国がシリアを相次いで攻撃』によれば、アサド政権崩壊後のシリア各地で戦闘が続いているということです。
“イスラエルは依然としてシリアを爆撃し、占領下のゴラン高原付近の新たな地域に侵攻し、ヘルモン山を完全に制圧してイスラエル国旗を掲げている”ようです。
ShortShort Newsさんの動画でイスラエルのネタニヤフ首相は、“これは中東にとって歴史的な日です。アサド政権、ダマスカスの圧政の崩壊は、大きなチャンスをもたらすと同時に、重大な危険をはらんでいます。…起こりうる脅威に対して行動を起こさなければならないことを意味します。その一つは、1974年にイスラエルとシリアの間で締結された兵力分離協定の崩壊です。この協定は50年間維持されました。昨夜、それが崩壊しました。シリア軍は陣地を放棄しました。イスラエル国境のすぐそばに敵対勢力が入り込むのを防ぐため、我々はイスラエル軍にこれらの陣地を占領するよう命令しました。これは、適切な合意が見つかるまでの間の一時的な防衛拠点です。”と言っています。
ハヤット・タハリール・アル・シャーム(HTS)の指導者アブ・モハマド・アル・ジュラニは、「Iraq ISIS一員で、2017年から首に$1000万掛けられてる極悪テロリストだが、国務省-CIAはシリアの新しきリーダーとして国際社会に認知させる工作中」という話でした。そのアル・ジュラニの承認を得て、「イスラエルはシリアが保有する弾道ミサイルと防空システムを破壊し、事実上シリアを武装解除した」ということです。
英国と米国は、もはや用済みになったISISのシリア国内の75以上の拠点を攻撃したということです。シリアでは「最悪のシナリオが起こりつつある」としか思えません。
しかし、今日のフルフォード情報日本語版『国際秩序の地殻変動と旧体制の終焉』には、“トルコが代理勢力(シリアの反政府派)を援護し、アサド政権下のシリア政府軍に全面攻勢を掛けたのだ。これにより、今後は第一次世界大戦以降につくられた中近東の国や国境が一気になくなっていくだろう。”とあり、フルフォード氏は今回のトルコの動きをロシア政府が容認していたと見ています。
私も同じ感覚なのですが、もともとシリアが内戦に引きずり込まれたのは、最後のツイートの地図にある「カタール・トルコ間のガスパイプライン建設」をアサド大統領が拒否したからです。このパイプライン建設はロシアだけでなく、イランと中国も不利益になります。
アル・ジュラニの承認を得て、イスラエルはシリアが保有する弾道ミサイルと防空システムを破壊し、事実上シリアを武装解除した。
シリアは今や西側諸国の手に落ち、自衛の手段を失っている。
「最悪のシナリオが起こりつつある。1. ヒズボラと抵抗勢力は、スンニ派パレスチナ人がイスラエルを止めるのを助けるために全力を尽くしたが、スンニ派諸国は何もしなかった。2. 戦闘の末、トルコやその他の地域のスンニ派は抵抗勢力を裏切った。3. ロシアは現在シリアから撤退しており、救済は不可能に思える。」
救済は不可能だ。トルコと戦うことはできず、クルド人が米国に保護された石油に居座り、シリアは兵士の給料を支払うことができない。
これらのサラフィー主義者の猿は、イランとヒズボラを切り離した。イスラエルの国家政策文書には、これらの猿を使って抵抗勢力と戦えると書かれている。
イスラエルは、ロシアをウクライナに縛り付けない限りシリアを倒せないことを知っていた。そして、シリアでイランとレバノンを分断しなければヒズボラを倒せないことも知っていた。
彼らはロシアを泥沼に陥れるためにウクライナをダミーの衝突実験台として利用した。ガザの虐殺とレバノンへの攻撃が始まった。停戦の署名が乾く前に、トルコの支援を受けたテロリストがシリアを攻撃した。シリアは、米国が保護するクルド人が石油を占拠し、イスラエルが定期的に空爆することで何年も弱体化していた。
シオニストメディアが望めば、アメリカ国民はアルカイダを支持するだろう。多様性と言えば、極左は賛同する。
これはリビアの再来だ。ジョー・バイデンは、在任期間の残り2か月で十分なダメージを与えることができない。
アサド政権が崩壊した今、カタール・トルコ間のガスパイプライン建設に政治的な障害はない。
シリアを通るこの計画中のパイプラインは、ロシア産ガスの代替としてヨーロッパに供給することを目的としている。
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