元財務官僚で経済学者の高橋洋一氏が14日、ABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」に出演。「年収103万円の壁」引き上げをめぐる自民、公明、国民民主3党の幹事長の合意内容に対し、同日の3党税調幹部の協議で与党側から「123万円」が提示されたことに言及し、額の“ウラ”とメッセージを読み解いた。

番組では、前週来、自民党の宮沢洋一税調会長を「ラスボス」と表現して、高橋氏は「鍵を握る人物」としていた。この日、その宮沢氏について、あらためて紹介。政治ジャーナリストの青山和弘氏が「要は、税の仕組みを考える責任者ですね。自民党の中で。ものすごい権限を持った人であることには間違いない」と説明した。

高橋氏にとって、宮沢氏は“元上司”でもある。これを受けて、宮沢氏を「ラスボス」と表してきた高橋氏が「この123万ってね、かなり国民を小ばかにした提案ですよ」と切り出した。

高橋氏は「103万円」について「基礎控除の48万円と給与所得控除の55万円てやつなんですよ」と内訳を説明。そもそも、国民民主の案は「基礎控除の48万円を123万円に上げるという案」とあらためて伝え、その上で「でもね、国民、国民民主に向けて(宮沢氏は)『おまえら、2つの内訳があるの分かってないだろ。適当に103を178って言ってるだろ』ってね。そういう言い方なんです」と、指摘した。

それゆえ、この「123万円」は「プロが見たら、基礎控除だけを引き上げて、給与所得控除は引き上げてないんですよ。基礎控除を123にすると(総額が)178になる。『こういうことが分かってないだろ』っていうね。まあ、宮沢さんならこういう謎かけを、すぐしますね。このくらいの意地悪。わざとそういう数字を出してる」とも。

数字のウラに隠されたメッセージを語った。

高橋氏自身「『123』って数字、出た時にね。これ、(基礎控除の)48を123に上げるんだったら、ベストな回答で、終わりなんですよ。でも、103を123にしてるなって思って」とし、“小ばか”にした案だと一蹴していた。