トランプ政権、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の「研究助成金の交付」を無期限に停止
無期限というのは、恒久的ということではなく、停止の期間が明確には定められていないということですが、事実上の研究の停止となっているようです。
それにしても、日本円で 7兆円以上の資金が提供されていたんですね。なんという無駄…。
以下はネイチャーの記事の冒頭部分です。
「こんなことは見たことがない」:トランプ陣営、NIHの会議と出張を無期限に停止
世界最大の生物医学研究の公的資金提供機関では、前例のない措置として、研究助成金の審査が無期限に停止された。
ドナルド・トランプ氏が第47代米国大統領に就任した今週、米国の医療研究コミュニティには混乱と不安が広がっている。
トランプ政権は、世界最大の公的生物医学資金提供機関であるアメリカ国立衛生研究所(NIH)内外の科学者の研究助成金審査、渡航、研修を突然中止した。
さらに不安を募らせるのは、トランプ政権は、同研究所のサイトから多様性プログラムと多様性関連の助成金に関するウェブページを丸々削除したようだ。
会議や出張のキャンセルは、NIH の親組織であるアメリカ保健福祉省(HHS)が 1月21日に発表した対外コミュニケーションの一時停止措置の一環だ。
ネイチャー誌の取材に応じた研究者たちによると、新政権が発足したときに戦略の方向転換のため米国の機関が 1日中コミュニケーションを一時停止したことは過去にもあったが、トランプ陣営のこの措置の範囲と期間は前例がないという。この措置は少なくとも2月1日まで続く予定だ。
諮問委員会の会合が開かれなければ NIH は研究助成金を交付できず、国内外の研究に充てられる同機関の 470億ドル (約 7兆3000億円)の予算の 80%が一時的に凍結される。
「こんなことは今まで見たことがありません」と、イリノイ州エバンストンにあるノースウェスタン大学の発生生物学者で、20年以上にわたって同局から資金提供を受けているキャロル・ラボンヌ氏は言う。今回の研究停止によって生じた不確実性は「科学界にとって壊滅的なもの」となり、特に若手研究者にとっては大きな打撃となるだろうとラボンヌ氏は付け加える。
NIH の広報担当者によると、この一時停止には「緊急事態に直接関係しない、または健康維持に重要ではないマスコミや公の場での発言」が含まれる。
「これは、新チームが検討と優先順位付けのプロセスを確立できるようにするための短い一時的な停止です」
NIH と HHS の広報担当者は、助成金審査委員会が公の場での発言とみなされたかどうか、またなぜ中止されたのか、また、一時停止によって機関の使命が妨げられるのではないかという研究者たちの懸念についての質問には回答しなかった。
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