増税したら偉くなれる…!? 財務省の官僚たちの、知られざる「出世の階段」を完全図解する

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財務省 税金

増税したら偉くなれる…!? 財務省の官僚たちの、知られざる「出世の階段」を完全図解する

「103万円の壁」をめぐる攻防で、にわかに注目を浴びている財務省。およそ2000人の職員が働く東京・霞が関の本省では、東大法学部卒など超一流の学歴をもつエリートたちが日夜奔走している。彼らの「出世」のしくみは、いったいどのようになっているのだろうか?

財務官僚の出世ルート

財務省には毎年20人程度がキャリア官僚として入省するが、事務次官に就けるのは通常、同期で1人だけ。

官邸・国会や他省庁との調整を担う官房文書課、省内人事を司る官房秘書課、予算編成を担う主計局総務課に配属された新人は採用試験上位者とされるものの、出世が約束されているわけではない。

13〜15年目の課長補佐時代までは昼夜を問わず下働きを強いられ、能力を評価される。

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その後の王道はやはり主計局畑で、主計局主査、主計局主計官と上り詰めるのが典型的。各省庁が提出した予算要求の査定のまとめ役となる主計官ポストは9席しかなく、ここで同期の多くがふるい落とされる。

ちなみに国民民主党の玉木雄一郎代表は主計局主査で財務省を退職、政界に転じた。

出世の切り札は「増税」?

次官を目指すには、省内人事とOBの天下り先を差配する秘書課長、官邸・国会対策の要となる文書課長、政府の経済財政政策などに対応する総合政策課長の「官房三課長」のいずれかを経験するのも必須。

その後は首相秘書官などを経ながら、3人しかいない主計局次長に就くのが常道だ。

さらに省の総務を取り仕切る官房長などを経て、予算編成の総元締である主計局長に就けば、次官の座は目前。主税局長も有力ポストだが、次官級の国税庁長官に転じることが多い。

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増税に貢献したかどうかも大きなポイントだ。

前次官の茶谷栄治氏は、主計官だった2011年、東日本大震災の復興財源確保をめぐって所得税を2.1%上乗せしたり、住民税を10年間1人あたり1000円ずつ増やしたりと「広く薄く」増税を主導。

現次官の新川浩嗣氏は厚生労働担当の主計官時代、消費税率10%への引き上げに道筋を付ける社会保障と税の一体改革に貢献した。

いずれも財務省の「歴史に残る勝利」で、省内では両氏の次官就任は確実視されていた。

新川氏の後継には、やはり厚労担当の主計官経験者で、旧民主党・野田佳彦政権の官房長官秘書官として官邸・政界工作に汗をかいた宇波弘貴氏の名前が挙がる。

物価高に苦しむ国民をよそに、熾烈な競争を勝ち残るには、やはり「増税」が一番の切り札となるようだ。

「週刊現代」2025125日号より

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