石破政権どこまで冷血 高額療養費引き上げ「予定通り」強行…患者団体や野党が求める「凍結」突っぱねる

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予算委員会で答弁する石破総理 政治・経済

石破政権どこまで冷血 高額療養費引き上げ「予定通り」強行…患者団体や野党が求める「凍結」突っぱねる

「高額療養費制度の見直し自体は実施させていただきたい」と石破総理

「一時凍結へ」──。石破政権が負担上限額の引き上げを予定している高額療養費制度の見直しについて、そんな見出しのニュースが27日、駆け巡った。ところが、一夜明けた28日の衆院予算委員会で石破首相が表明したのは、問題先送りの弥縫策。がん・難病患者に負担増を強いる愚策の強行だった。

■来年8月以降は「検討」の弥縫策

「高額療養費制度の見直し自体は実施させていただきたい」

 衆院予算委で立憲民主党の野田代表から「見直し凍結」の英断を迫られた石破首相は、開口一番、こう答弁。今年8月からの負担上限の引き上げを予定通り実施すると宣言した。

 当初計画では、療養費制度の負担上限は年収700万円の場合、現行の8万100円から今年8月に8万8200円に引き上げられ、年収区分の細分化に応じて2026年8月には11万3400円、翌27年8月以降は13万8600円に3段階で跳ね上がる算段だった。あまりに非情な負担増に批判が集まり、石破政権は26年以降の見直しの再検討を余儀なくされた。

 しかし、患者団体や立憲を中心とする野党が求めているのは、あくまでも「凍結」。8月からの引き上げを白紙に戻し、当事者を含めた議論のやり直しだ。これに対し、石破政権は見直し実施の既定路線を崩さず、来年8月以降については、予算委で「本年秋までに決定したい」と時間稼ぎをし始めた。

 そもそも、療養費制度の負担上限引き上げは厚労省の社会保障審議会(医療保険部会)で昨年11月から約1カ月間のわずか4回の議論で決まった経緯がある。がん・難病患者をなおざりにした結果、非難ゴウゴウの事態を招いているのに、それでも引き上げ強行とは血も涙もない。

■「この間の物価上昇分だ」答弁のマヤカシ

 なぜ、そこまでかたくななのか。石破首相は予算委で、引き上げが約10年ぶりだとして「この間の物価上昇分だ」と言い繕った。そうであれば行うべきは、患者の負担減だろう。

 総務省はきのう、全国の先行指標とされる東京都区部の小売物価統計調査を発表。2月はコシヒカリが5キロ当たり4363円。前年同月から8割近くも上昇し、過去最高を更新した。主食たるコメもしかり、あらゆる食料品、ひいてはモノの値段が上がっているというのに、難病治療の負担増も強いるとは理屈が通らない。

「物価上昇に負けないほど賃金が伸びて可処分所得が増えているならまだしも、そうではありません。物価は上がり続け、家計は圧迫されています。大病すれば収入減は避けられません。本来なら、物価上昇分を考慮して難病患者の負担を減らすべきです。政府は一体、何重苦を強いるつもりでしょうか」(全国保険医団体連合会事務局次長・本並省吾氏)

 場当たりでは墓穴を掘るだけだ。引き上げ凍結の再考しかない。

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 自公維で合意した「高校無償化」は5000億円かかるのに、200億円で可能な高額療養費「見直し凍結」は拒否…関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

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