メルカリが携帯電話事業に参入
格安スマホで2プラン、余ったデータ通信量は個人間で売買
メルカリは4日、仮想移動体通信事業者(MVNO)として、格安スマートフォン事業に参入し、「メルカリモバイル」を開始したと発表した。余ったデータ通信量を個人間で売買できるのが特長。料金プランはデータ通信量20ギガバイトで月額2390円(税込)、2ギガバイトで月額990円(同)の2種類を提供する。
メルカリモバイルは、NTTドコモの回線を利用したサービスで、フリマアプリ「メルカリ」から申し込みができる。iPhoneの基本ソフト(OS)である「iOS」向けの提供を開始しており、アンドロイド版にも順次対応する。KDDIの回線を選択できるサービス拡充なども予定している。
1ギガ最高500円
余ったデータ量は1ギガ単位で出品できる。1回の取引での最低出品価格は200円で、1ギガあたりの出品価格は最高500円まで。取引で得たお金はフリマアプリなどで利用することができる。メルカリ公式から1ギガあたり550円で購入することもできる。
メルカリは取引価格の10%を売買手数料として得る。通信事業トップの永沢岳志執行役員は「メルカリグループは物、金、暗号資産、時間やスキルを循環させてきた。メルカリモバイルで、価値の循環にギガが加わる」と強調した。
データの取引回数や出品できる容量に制限はなく、複数に分割して同時に出品することもできる。データを翌月に繰り越すことはできないため、月内に取引が成立しないとデータは消滅してしまう。
料金以上を得ることも可能
20ギガのプランを契約し、全容量を取引して利用料金を上回る金額を得ることも可能だが、メルカリは「利用者の自由な使い方に任せている」としている。
民間調査会社のMM総研が1月に実施した調査では、毎月の平均データ通信量は12・05ギガとなっており、20~30ギガの中容量帯が顧客獲得競争の主戦場となっている。
携帯大手各社は約30ギガの中容量プランを格安ブランドで展開。NTTドコモやKDDIが3000円前後で、ソフトバンクは基本料金が約4000円ながら、家族割引を含めると約2000円になるプランで対抗している。楽天モバイルはデータ無制限で3168円となっており、メルカリの参入で中容量帯の価格競争が激化することになりそうだ。(高木克聡)

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