ネット上では「カーナビを対象にするのかいかがなものか」「今の時代にそぐわない」といった意見も・・・

 先日愛媛県警は、捜査用車両に設置しているカーナビ38台について、NHK受信料が未払い状態であったと発表しました。

 この件に対して、インターネット上ではどのような反響が寄せられているのでしょうか。

テレビの受信機能があれば、カーナビやスマートフォンなども受信契約の対象に!(画像はイメージ)

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 愛媛県警は3月14日、捜査用車両に設置されているテレビ受信機能付きのカーナビ38台に関してNHKとの未契約が判明し、受信料約644万円が未払いになっていたと発表しました。

 この事案は、2025年2月6日に愛媛県が公用車のカーナビ受信料約812万円の未払いを公表したことを受け、県警でも調査を進めたところ、未契約が判明したものです。

 なお最も古いものでは、2008年度から未契約の状態が続いていました。

 現在、未契約だったカーナビ38台については既にNHKとの契約を済ませており、未払いの受信料については今後支払っていく予定です。

 また県警では、テレビ受信の必要がないカーナビは原則撤去するなどの対応をとる方針も明らかにしています。

 同様の事例は他の自治体でも発生しており、熊本市は2月27日、市の公用車972台のうち172台に設置されているテレビ受信機能付きのカーナビについて、NHKとの受信契約を結んでおらず、受信料が未払い状態だったことを公表しています。

 NHKの受信料徴収をめぐっては、これまでにも大きな論争が起きていますが、これに関しては、放送法第64条第1項において次のように規定しています。

「協会(NHK)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、同項の認可を受けた受信契約の条項で定めるところにより、協会と受信契約を締結しなければならない」(条文を一部抜粋)

 さらに、同項の『放送を受信することのできる受信設備』はテレビに限らず、テレビ受信機能の付いたスマートフォン、カーナビ、パソコンなどの機器も対象であり、これらの機器を所有していれば、NHKと受信契約を結ばなければいけません。

 一般家庭の場合は受信契約が世帯単位となるため、テレビやスマートフォン、パソコンなどテレビ受信機能付きの機器を複数持っていても、必要な受信契約は1件です。

 その一方で事業所の場合は、部屋や車両など「設置場所ごと」に受信契約をする義務があります。この仕組みにより、上記のようなカーナビ受信料の未払いが発生したといえるでしょう。

 今回の事案に関してはインターネット上で「現場までの道案内として使うのに、カーナビを受信料徴収の対象にするのはいかがなものか」、「警察車両でテレビを見ないのに受信料を支払う意味が分からない」などの声が多数寄せられています。

 このようにカーナビの受信契約に納得していない人は多くいるものの、東京地方裁判所は2019年5月、ワンセグ機能付きのカーナビであれば受信料の支払い義務があるという判決を出しています。

 またクルマに設置するカーナビに関しては「テレビ機能なしのカーナビを探したがほとんど見つからなかった」という声が上がっており、「カーナビメーカーはテレビ機能のない機種を積極的に販売してほしい」という要望も聞かれました。

 そのほか「放送法が今の時代にそぐわない」、「実情に合わせた制度改革が必要なのでは?」との意見が寄せられ、具体的には「放送法を改正して、国および地方公共団体の車両、防災関連部署は受信料の適用除外にすべき」、「放送をスクランブル化すれば良い」といった方策が聞かれました。

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 NHKは公共放送として、国家やスポンサーなどに左右されず公正で質の高い番組を制作するという立場上、スポンサーの広告収入などで作られる民放のような運用が難しい状況にあります。

 一方で受信料の徴収方法には疑問の声も多く、今後放送法などの改正がおこなわれるのかどうか、その動向に注目が集まっています。