「コメが足りないわけではないんです」…『サトウのごはん』一部商品の販売終了

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さとうのごはん 食糧問題

「コメが足りないわけではないんです」…『サトウのごはん』一部商品の販売終了

担当者が明かした休売・終売の目的

 日本有数の米どころ、新潟県新潟市に本社を構えるサトウ食品。包装餅『サトウの切り餅』や包装米飯『サトウのごはん』といった主力商品で知られ、非常食としてだけではなく、日常の食卓でも長年愛されてきた。特に『サトウのごはん』は、電子レンジや湯煎でサッと温めるだけで美味しいご飯が楽しめる手軽さが魅力だ。
 そんなサトウ食品が、3月24日に突然発表した「一部商品の休売および終売のお知らせ」に、ファンの間では驚きと惜しむ声が広がっている──。

 

【写真】休売商品の一覧表、取り扱っているブランド米の数々ほか

「休売5商品・終売17商品」

 サトウ食品の発表によると、2025年5月末頃から休売となるのは5商品。「新潟県産コシヒカリかる~く一膳5食パック」や「コシヒカリ小盛り5食パック」などだ。

 一方、終売が決まったのは「新潟県産コシヒカリかる~く二膳」など17商品に及ぶ。『サトウのごはん』ブランドは、幅広いニーズに応えるラインアップを誇ってきただけに、この大幅な見直しに「大好きな商品がなくなるなんて……」と嘆く声が消費者から上がっている。

原因は需要の急増

 この決断の裏には、連日世間を賑わせている「米不足」騒動が大きく関わっているようだ。食品業界に詳しいライターが語る。

「昨年の夏頃、日本全国で米不足と米価格の高騰が発生しました。2023年産の米が夏の記録的猛暑で不作だったのが直接的な原因だとされています。

 なんとか昨年7月頃まではしのいだものの、地震や台風による買いだめ需要で売り場から米がなくなってしまいました。そこで、保存がきき、手軽に食べられるパックごはんの需要が一気に高まった。サトウ食品もその波に直面しました」

 実際に、3月24日のサトウ食品の発表によると、

《2024年8月に発生した「米不足」騒動の影響によるパックごはんの需要増大に伴い一部商品の出荷調整が必要となりました》

と報告されている。

 今回の一部商品の休売・終売の発表を受けて、SNSでは“サトウのごはんがなくなるなんて”“いよいよ原料となるコメが足りないのか”といった声も出ている。あくまで休売・終売となるのはラインナップの一部だが、その背景には「原料米が足りない」といった事態があるのだろうか。

「ネガティブな理由じゃない」

 今回の決断・発表に至った経緯について、同社に問い合わせを行うと、担当者が次のように明かした。

「リリースに書いてありますように、2024年の8月の米不足の影響でパックごはんの需要が高まりました。そこで、主力商品である『サトウのごはん新潟県産コシヒカリ』などの生産に注力するために、休売・終売を決断しました。『コメが足りないから仕方なく…』といった理由ではありません」

 品目を絞って家庭に多く流通する主力製品の生産力を向上させる、ということだろう。担当者は以下のように続ける。

「決してネガティブな決断ではなく、消費者に安定的に提供し、長く愛し続けていただくための決断です」

 5月末から一部商品が店頭から消え始めるが、『サトウのごはん』は引き続き日本人の主食を支えてくれそうだ──。

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