「電気代また値上げ…」再エネ賦課金2年連続の引き上げに庶民から悲鳴の声

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太陽光パネル エネルギー

「電気代また値上げ…」再エネ賦課金2年連続の引き上げに庶民から悲鳴の声

実質的な増税になぜ反対の声が上がらないのか?

電気代は3年連続で月平均1万円…

総務省の家計調査によると、3年連続で1か月当たりの電気代は1万円を越えた。

高騰が続いているのは、天然ガスなどのエネルギー価格が上昇しているためだ。円安で購買力が低下していることも背景にある。ウクライナ情勢が依然として先行き不透明なことや、強気の利上げに踏み切れない日本銀行のことを考えると、電気代は中期的に高水準で推移しそうだ。

「1か月あたりの電気代の推移」(家計調査より筆者作成)
「1か月あたりの電気代の推移」(家計調査より筆者作成)

ただでさえ高い電気代だが、そこに再エネ賦課金の負担を強いられている。年間2万円近いものだ。

再エネ賦課金とは、太陽光発電や風力発電などの再生エネルギーを普及させるための制度で、2012年7月から導入された。再エネで発電された電気は電力会社が買い取っているが、その費用は電気を利用する家庭や企業などが負担している。
 
再生エネルギーの普及という大義名分を掲げているが、太陽光発電は問題が山積し、風力発電は資材高で採算が取れなくなっている。日本の再エネ計画を見直す時期に入っているはずだが、本格的な議論は起こらない。電気代の高騰に加え、再エネ賦課金の負担に「また値上げか…」と庶民は苦しむばかりである。

地球環境に優しく、エネルギー源が枯渇しない再生可能エネが普及すべきだということは誰もが理解しているはずだ。しかし、太陽光パネルの製造にCO2が発生することや、多くが傾斜地に設置されていることなど、再エネがきれいごとばかりではないことも明らかになっている。

国民民主党は2024年に「再エネ賦課金停止法案」を提出し、10月の衆院選公約で再エネ賦課金の徴収を一定期間停止する政策を掲げていた。しかし、武藤容治経済産業相は賦課金を停止しても国民負担が生じると突っぱねたため、議論は進展していない。

賦課金に限らず、日本の再生エネルギーの在り方そのものを見直す時期が来ているのではないか。

再生可能エネルギーの普及で土砂災害リスクも

太陽光発電は主要な発電方法の中でも特に問題が多い。

国際エネルギー機関は、太陽光パネルの中国のシェアが8割を超えていることを明らかにしている。主要素材のポリシリコンやウエハーのシェアは95%程度まで高まるとの試算を出した。

国内の発電割合の約10%を占める太陽光発電だが…
国内の発電割合の約10%を占める太陽光発電だが…


中国では太陽光発電の研究が熱心に行なわれており、2021年時点で関連する特許件数は全体の8割を占めていた。世界規模でみると、中国は太陽光発電のコストを下げた立役者なのだ。

しかし、中国は石炭発電の比率が極めて高い。発電量全体の5~6割は石炭に頼っている(日本は3割程度、アメリカは2割以下)。そして中国の石炭火力発電が大気汚染や水質汚染など、環境への深刻な影響を与えていることはよく知られている。

中国製の太陽光パネルを製造するのに必要な電力を賄うため、石炭を燃やして大量のCO2を中国で排出しているのであれば、脱炭素というパッケージ化された太陽光パネルをいくら日本で設置しても、闇の部分が可視化されなくなったに過ぎない。

さらに日本は国土の75%は山地、67%は森林のため、メガソーラーの建設に不向きだという地理的な問題もある。

読売新聞は「土砂災害警戒区域」に立地し、住宅の近くに設置されている太陽光施設が230箇所以上あったと報じている(「傾斜地の太陽光発電230か所、パネル崩落のリスク…土砂災害警戒区域内・住宅近くに設置」)。

利用価値が低い傾斜地は土地が安く、太陽光発電事業者にとっては絶好の設置場所だ。一方で、近隣の住民に被害を及ぼす危険性と隣り合わせでもある。工事によって木々を切り倒すためにCO2の吸収量が減るという問題点も挙げられる。

 

頼みの綱の風力発電も暗礁に乗り上げる

再エネの中で将来性に期待されていたのが風力発電だ。海に囲まれた日本は洋上風力にうってつけの地理的条件があり、太陽光と違って昼夜を問わず発電できる。太陽光発電やバイオマス発電などと比べて、エネルギーの変換効率が高いというメリットもある。

 しかし、ここにきて暗雲が漂いはじめた。三菱商事が国内洋上風力発電事業で、2024年度に522億円もの減損損失を計上したのだ。

風力発電は国が定める「促進区域」のみで開発を進めることができるが、2021年に指定された3海域は三菱商事が総取りしていた。ところが2022年以降に急速にインフレが進行。風車などの風力発電に必要な資材は2倍近くにまで価格高騰が進んだ。採算がとれなくなってしまったのだ。

バードストライクなどの問題もある風力発電
バードストライクなどの問題もある風力発電


これを受けて三菱商事は計画を見直すと発表している。

実は三菱商事は風力発電の建設そのものをまだ行っておらず、調査や設計などによる建設前の損失を出したに過ぎない。だが、計画を見直すということは、建設が進まない可能性も浮上したということだ。

風力発電は再エネの切り札とも見られており、プロジェクトの中長期的な停滞は許されない。結局のところ、電力の買取価格を引き上げればこの問題は解決する。つまり、資材高の影響を再エネ賦課金の引き上げで補填すればいいわけだ。

しかし、それが高額な電気代として、庶民に跳ね返ることになる。そうした未来が視野に入ってきたのだ。

海外に目を向けると、アメリカはトランプ政権下でパリ協定からの離脱を表明した。2026年1月に正式離脱するという。2020年における世界のCO2排出量のうち、アメリカは13.6%で第2位だ。日本は3.2%に過ぎない。

アメリカが石油や天然ガスの増産を目論む中、もともとの排出量が多くない日本が脱炭素を推し進めることにも違和感が残る。インフレ下で苦しむ庶民たちは、きれいごとで押しつぶされそうな状況にある。

再エネのあるべき姿を、もう一度見直す時期にきている。

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