科学者はCTスキャンが実は癌を引き起こしていると警告

X線を用いて詳細な内部画像を生成するコンピュータ断層撮影（CT）スキャンは、英国国民保健サービス（NHS）によって、がん、脳卒中、骨折などの診断や治療経過のモニタリングのために、年間約500万回実施されています。しかし、今回の研究では、この日常的な検査が肺がん、乳がん、その他のがんの発症リスクを高める可能性があることが指摘されており、特に小児医療におけるCTスキャンの広範な使用を見直す必要性が緊急に求められています。

Dailymail.co.uk の報道によると、MailOnline は、英国のがん治療は「限界点」に達しており、「ひどい管理ミス」のせいで他国に遅れをとっていると報じている。

がん治療の遅れは「致命的な常態」となっており、抜本的な変化なしには改善は望めないと著名な医師らは述べている。

彼らは医学雑誌「ランセット・オンコロジー」に寄稿し、労働党政権が改革を実行するのではなく、改革について協議を続けていることを批判している。

新たな研究によると、  2023年に米国で実施された9,300万回のCTスキャンで、約10万3,000件のがんが発見されると予想されており、これは 以前の推定の約3～4倍に相当します。

CTスキャンによるがんのリスクは、アルコール摂取や体重過多と同程度であると推定されています。 

研究者らは米国の患者6150万人の9300万件の検査を分析し、がんの発症頻度を計算した。

その結果、成人の場合、腹部と骨盤のスキャンが最も問題を引き起こす可能性が高いのに対し、小児の場合、最大のリスクは頭部のCT検査から生じることが判明した。

過剰な放射線によって発生すると予測されるがんには、肺がん、大腸がん、白血病、膀胱がん、乳がん、甲状腺がんなどがある。

リスクが最も高かったのは、1歳未満のときにCT検査を受けた子どもでした。

英国放射線技師協会の臨床画像および放射線防護の専門官リンダ・ジョンソン氏は次のように語った。「CTの利点とリスクに関する正確なコミュニケーションは、公衆を危害から守るために不可欠です。」

「リスクだけに焦点を当てても役に立たず、場合によっては、がんの早期診断につながる可能性のあるスキャンを受けられなくなる可能性があります。」

「CTスキャンを受ける人は誰でも、診断、治療、そして将来の長期ケアに関して、個人としてそれが何を意味するのかを理解できるよう、バランスのとれた正確で関連性のある情報を提供されなければならない。」

医学誌「Jama Internal Medicine」に掲載されたこの研究は、CTスキャンの実施率が英国よりも米国の方がはるかに高いことを指摘した。

ロンドンのブルネル大学で炎症、老化、がん生物学の講師を務めるドリーン・ラウ博士は、「この研究結果は、医師に勧められた場合でもCTスキャンを避けるべきだという意味ではない」と述べた。

ほとんどの場合、重篤な病気を発見または除外することによるメリットは、ごくわずかな危害のリスクをはるかに上回ります。この研究が浮き彫りにしているのは、特にCT検査の利用率が高い環境において、不必要な画像検査を最小限に抑え、可能な限り低線量に抑える必要があるということです。

「適切な場合、特に若い患者の場合や繰り返しの画像検査が予想される場合、臨床医はMRIや超音波など、電離放射線を使わない代替の画像検査法も検討することがある。」

ロンドン大学クイーン・メアリー校のがんスクリーニングの名誉教授スティーブン・ダフィー氏は、「患者に対して、CTスキャンを受けるよう勧められたら、そうするのが賢明だと言いたい」と付け加えた。