米国債デフォルト危機「Xデー」到来か?世界への波及経路
米国で歳出削減が進まなければ、初夏にもデフォルトリスクが高まる「Xデー」が到来する可能性があり、リスク回避の投資が金価格を押し上げている。
金にはさまざまなリスクをヘッジ(回避)する機能が期待されている。リスクの一つは「ソブリンリスク」(国家の信用リスク)だ。米国の第2次トランプ政権が今年1月に発足して以来、不確実性を増している世界の政治・経済環境は金の需要をどこまで高めるのか。
とりわけ気がかりなのは米国の連邦政府債務だ。
米財務省のウェブサイトによると、債務残高は4月1日現在、約36.2兆ドル(約5435兆円)に上り、2019年度末からインフレ調整値ベースで30%増えた。国内総生産(GDP)比は24年度、123%に高まり、過去最高水準にある。
米国の23年財政責任法は政府債務の法定上限を今年1月1日まで停止し、翌日から引き上げると規定した。
しかし、債務残高は早くも同月中に上限に達する見込みとなったことから、米財務省は同月21日、国債のデフォルト(債務不履行)を避けるため、公務員退職・障害基金への追加投資を停止するなどの「特別措置」に踏み切った。
ベッセント財務長官は3月14日、特別措置を6月27日まで延長すると議会に通達している。史上初の「米国債デフォルト」が取り沙汰される高いレベルの緊張感が続くことになる。
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