何が起きているのか : 欧州委員会の2018年の勧告通りに進んでいたワクチンパスポート計画が「実施予定当年」である今年に次々と撤廃されている背後にある「不気味」

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ワクチンパスポート コロナワクチン

何が起きているのか : 欧州委員会の2018年の勧告通りに進んでいたワクチンパスポート計画が「実施予定当年」である今年に次々と撤廃されている背後にある「不気味」

 

タイミングの異常さがむしろ背後の事態の緊迫性を物語る

今、ヨーロッパを中心として、あるいはイスラエルなどもそうですが、

「ワクチンパスポートを廃止する」

と表明している、あるいはその予定を公言している国がずいぶんと出てきました。

しかし、EU への欧州委員会からの過去の勧告と「ワクチンパスポートまでのロードマップ(進行予定)」を振り返ると、

「今年、ワクチンパスポートを廃止するのはおかしい」

としか言えないのです。

以下は、昨年 4月の記事ですが、後半で、2018年12月の欧州連合の「官報」をご紹介しています。

[記事] 「ワクチンパスポート」は2018年の欧州委員会の提案以来、着実にロードマップ通りに進んでいることが判明。正式な社会への適用は予定通りなら2022年
 In Deep 2021年4月15日

この記事では、

「欧州委員会からのワクチンで予防可能な疾患に対応する協力の強化に関する理事会の勧告」 (2018年12月)

という書類(こちら)と、

「ワクチンで予防可能な病気に対する協力の強化に関する委員会のコミュニケーションと評議会の勧告に基づく欧州委員会による行動の実施のためのロードマップ」 (2019年第3四半期に最終更新)

というふたつの公的書類(ロードマップはこちら)をご紹介しています。

それぞれ、機械翻訳した日本語の PDF をそれぞれ以下に置いておきます。機械翻訳ですので、やや不自然な日本語の部分もありますが、意味はおおむねわかります。

(PDF) …ワクチンで予防可能な疾患に対応する協力の強化に関する理事会の勧告

(PDF) …欧州委員会による行動の実施のためのロードマップ

 

ロードマップの最初のページには以下のようにあります。日本語にしています。


ec.europa.eu

2019年から、2021年までが、「共通の EU ワクチン接種カード / パスポートの開発の実現の可能性」となっており、2022年には、

「 EU市民向けの共通ワクチンカード / パスポートに関する委員会の提案」

と書かれてあります。

2021年までは、実にこのロードマップの通りに進んでいました。

 

ヨーロッパで最初にワクチンパスポートを実用化したのは、デンマークでした。

デンマーク政府は、今から 10ヵ月ほど前の 2021年4月6日から「コロナパス」と呼ばれるワクチンパスポートが、あらゆる場所(美容院、自動車教習所、美術館、劇場、映画館など)に入るために必要だとして実施しました。

以下は当時の報道です。

デンマークは社会の再開を容易にするために「コロナパス」を開始

デンマーク政府は 4月6日、特定のサービスを利用したり罰金を科したりするために、新たな Covid 証明書を使用するよう人々に要求し始めた。デンマークはヨーロッパで最初にそのような取り組みを行う国の 1つだ。

「コロナパス」は、その人物が、完全な二度の予防接種を受けたか、過去 72時間内にコロナ陰性であったか、あるいは、2〜 12週間前に陽性であったことを証明し、ウイルスに対する免疫の有無を示すものだ。 (AFP 2021/04/06)

その後、ヨーロッパでは同じようにワクチンパスポートを実施する国が増えていき、デンマークがコロナパスを実施した 5ヵ月後の昨年 9月までには、ヨーロッパでワクチンパスポートを採用した国は以下のようになりました。

緑の国が全部そうです。


schengenvisainfo.com

 

ところが、その最初にワクチンパスを採用したデンマークが、まず 1月26日に、

「コロナパスの提示は必要なくなりました」

と、ワクチンパスを含むすべての規制の廃止あるいは撤廃を表明しました。

いや別にそれはいいんですよ。ワクチンパスみたいな不気味なものがなくなるのはとてもいいことですが、しかし「コロナの感染あるいは重症の状況が終息した」というのならわかるのですが、今のデンマークはもうムチャクチャな状況なんです。

ジョンスホプキンス大学のデータを見ますと、デンマークのコロナ死者数は、7日移動平均で、

「パンデミック全期間を通じて、今が過去最大」

なのです。

以下はパンデミックのすべての期間のデンマークのコロナ死亡数です。


ourworldindata.org

この状況で、首相は「デンマークは社会を再開します」とか言ってる。

「いや、あなたの国は今、過去最大の死者を出してるんだが、このタイミングは変だろ」

と言いたい感じで、まあ規制がなくなることはそれはそれでいいとしても、「じゃあこの2年の規制は何だったんだよ」という文句がでないというあたりが、今のヨーロッパの人々の〇〇(伏せ字)状態そのものを示しているようにも思いますが、それはともかく、

「なんでこのタイミングで?」

と思っていたのですけれど、それ以降、ヨーロッパでは次々とワクチンパスポートの廃止を含めたコロナ規制が次々と廃止されている。

ヨーロッパは今、多くの国で「死者数」がほぼ高止まりとなっていまして、ベルギー、デンマーク、フランス、ギリシャ、フランスなどは過去1年で最大レベルの死者数で高止まりしたままです。

さらにいえば、

「コロナの事態が好転する可能性は、少なくとも今はない」

ことが明白となっているわけで、それは、各国の専門家たちも認識しているはずです。

もう少し続けます。



 

事態はパンデミック中で最悪の状況に近づいている

デンマークの研究者たちは、「オミクロン亜種 BA.2は、それ以前のオミクロンの感染直後でも再感染する」ことを突きとめた論文を発表しており、日本の研究者たちは、詳細な研究により、亜種BA.2 が、それ以前のオミクロンより強い病原性を持つことを発表しています。以下の記事にあります。

[記事] 東京大学、北海道大学などの数十名の研究者たちの研究により亜種「BA.2」は最初のオミクロンよりはるかに高い感染性と病毒性を持つことが判明。そして、ワクチンは「 BA.2にはまったく効かない」ことも
 地球の記録 2022年2月16日

この日本の研究については、アメリカの治験メディアが内容をわかりやすくまとめてくれていました。

それから抜き出しますと、以下のようなことが日本の研究でわかっています。

オミクロン亜種 BA.2 と以前の BA.1の差異

1. BA.2は、ワクチン誘発性抗血清からの免疫回避を示している。 (※ ワクチンは効かないということ)

2. BA.2は、モノクローナル抗体治療薬であるカシリビマブとイムデビマブからの同じ完全な脱出を示している。(※ 抗体治療は効かないということ)

4. ……BA.2は、BA.1よりもBA.1に感染した回復期ハムスター血清に対して有意に耐性(2.9倍)があった。これは、BA.2が BA.1血清に対して有意に耐性がある(6.4倍)ことを示したマウスモデルで追跡された。これらの発見は、BA.1によって誘発される体液性免疫が BA.2に対してあまり効果的でないことを示唆している。(※ 過去のオミクロン自然感染も防御にならないということ)

6. ……ハムスターモデルは、BA.1と BA.2に感染した動物のSpO2 (動脈血酸素飽和度)、体重減少、呼吸器疾患を測定した。この結果は、BA.2のより高い病原性を示した。

7. 研究のデータは、BA.2が BA.1よりも肺組織でより迅速かつ効率的に拡散することを示唆した。(※ 重症化しやすいということ)

More Mixed Data Associated with BA.2 – TrialSite Suggests Consider the Mutant as a Proper Variant

日本の研究が示したのは、オミクロン BA.2 は、ワクチンは効かない、自然免疫も効かない、抗体療法も効かない、肺がやられやすい、重症化しやすい…ということなのです。

ヨーロッパの各国のコロナ対策の専門家たちなら、ある程度注目を浴びるか新しい論文については知っているはずです。

デンマークの研究とこの日本の研究も知らないとおかしいです。

要するに、「今後事態が悪化する」という予測のほうが、医学的な面では正当な見解なのです。

もちろん、私自身はあらゆる規制政策やマスクや、論外物質であるワクチンなどにはすべて否定的というより、完全な反対の立場を持つものですが、そういう方向ではなく、「医療体制に問題が出る」ということが今後必ず各国に生じるわけで、それを何とかしないといけないはずなのですが、ヨーロッパの多くの国は、単純に、

「もうコロナの危機は去った」

的なことを国のトップなどが述べ始めているのです。

 

ぶっちゃけ言えば、

「現在が、最大のコロナ危機の瀬戸際に直面している時」

のはずです。

それと、オミクロンが出てきた時から不思議でならなかったのは、たとえば、2020年などの最初の武漢型…これは本当に軽い病気しか起こさない出来損ないの配列を持つコロナだったんですが、その時には世界中で、「コロナはコワイ、コロナはコワイ」と連呼され続けていました。

それはデルタの時でも同じで、日本でも世界でも「コロナはコワイ、コロナはコワイ」と政府や当局は叫び続けていたのに、本当に懸念となるオミクロンが出てきた時には

「オミクロンは軽い、オミクロンは軽い」

と、今度は世界で一斉に喧伝され始めているのが不思議でした。

最初の頃から、

「いや、データからはオミクロン軽くないし」

としか思えなかったのですが、今度はテレビもメディアも保健当局も「オミクロンは軽い、オミクロンは軽い……軽い軽い軽い」と叫び続けています。

[記事] オミクロンが軽い病気? 欧州各国のデルタを超える死亡数、そしてすでに出現しているオミクロンの新変異種による「永遠の再感染のループ」が導くもの
 In Deep 2022年1月22日

 

今はヨーロッパの多くの国の当局者が、「オミクロンはすでに生活上のリスクではなくなった」とさえ述べています。

「何? これらの逆転現象は?」と、私はむしろ不気味に感じていました。

 

そういえば、WHO も「オミクロンは軽い」と言い始めています。

(報道)オミクロンの亜種BA.2は BA.1より脅威ではない – WHO (2022/02/23)

今日の報道です。

WHO は、日本やデンマークの研究は読んでいないのかもしれないですが、結局まとめて、

「みんな、何がしたい?」

という気持ちと、もうひとつは、

「背後で何が起こってる?」

ということも思います。

あと、これは単なるデータでしかないのですが、以前と比べてオミクロンでは、「二回ワクチンを接種した人たちの重症率が上がっている」ようです。

最近、ニュージーランド保健省のデータから「ワクチン接種者と未接種者の入院患者の推移の比較」を以下の記事で載せました。

[記事] ニュージーランドのコロナ入院数の「最大 100%」が2回のワクチン接種済みの人たちであることが保健省の公式データから判明
 地球の記録 2022年2月23日

ニュージーランドのコロナ入院患者すべてがワクチン二回接種者だけだった日もわりと多くあることをデータは示しています。

また、オーストラリア保健当局の資料では「オーストラリアのコロナ死者の80%がワクチン接種者」だということも示されていました。こちらの記事にグラフを載せています。

この面からも「ワクチン接種者が非常に多い」という現在の世界の状況では、やはり今後はあまり明るい見通しは立たないと思うのです。

 

危機の本番が 3月なのか 4月なのか、その先なのか、あるいは永遠に続くのかはわからないですが、それは来るとしか言いようがなさそうです。

こういう状況を見ていると、

「なぜ今の時点で、世界中でワクチンパスの廃止と規制解除に動き出している?」

ということは改めて奇妙です。

経済のことを考えられる方があるかもしれないですが、あまり関係ないと思われます。

 

いずれにしましても、冒頭に書きましたように、

「欧州委員会は、2022年までにヨーロッパでワクチン接種証明書の義務を実施する予定だった」

ということがあり、そして、何よりも、

「 2021年の実験時点で、ヨーロッパでそれはほぼ成功していた」

のです。

 

どうしてここでやめる?

 

……まあ。

 

私自身、ひとつ思っていることはありまして、昨日、ベランダでお酒を飲んでいた時に(風流なのか破綻してるのだかわからないな)、ふと、

「まさか……」

と思ったことがあるのですけれど、あまりに妄想的であり、ついに頭が吉右衛門ガイドストーンになったのかと思われるのもあれですので、書けないです。

 

ただ、「戦争」というキーワードは含まれていそうな気はします。

 

それと共に、先日、以下の記事で書きました世界経済フォーラムですけれど、「世界経済フォーラムは、敗北するかもしれない」という思いもやや出てきています。

[記事] 「世界経済フォーラムの次のステップ」という記事で見たパートナー企業一覧を見て苦笑と絶望の合間に揺れる静かな春
 In Deep 2022年2月21日

ヨーロッパの当局者たちの態度の転換と、あるいは世界経済フォーラムのメンバーたちの動揺を見ていても、現在何が起きているかはわからなくとも「彼らの活動は、以前ほど順風満帆ではない」のかもしれません。

現在の世界というのは、私のような一般ピープルにはわからない、何というのか、裏というのか背後というのか、勢力同士というのか、いろいろなものがぶつかっているようには感じます。これまでの人類史になかったような現実での対立が起きている気がしてなりません。

それが人間と人間とによる対立なのか、あるいは対立軸が「人間とモノ」だったりするのか、あるいは「モノとモノ」だったりするのかはわからないですが、私たちには想像できないことが起きていても不思議ではない気がします。

とにかく今の世界は普通の状態ではないと見られます。

そして、おそらく元の生活にはもう戻りません。

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