EPA、カリフォルニア州とフロリダ州で25億匹の遺伝子組み換え蚊の実験的放流を許可

(農薬を超えて、2022年3月16日) 米国環境保護庁は、英国に拠点を置くオキシテック社によるフロリダとカリフォルニアでの25億匹の遺伝子組み換え（GE）蚊の「実験的使用」と放出を許可しました。病気を媒介する蚊を駆除するという目的は公衆衛生上の重要な課題だが、世論は一貫してこれらの生物の使用に反対しており、フロリダキーズでの試験プログラムには約24万人が反対しています。健康および環境保護団体は、オキシテック社のアプローチにさまざまな懸念を抱いており、最新の実験の規模、公に検証可能な有効性データの欠如、遺伝子組み換え蚊を必要としない代替管理方法の利用可能性などが挙げられています。

オキシテック社は、少なくとも10年前にブラジルのイタベラバという町で蚊の幼虫を導入し、遺伝子組み換え蚊の一般公開を開始しました。同社は、デング熱、黄熱病、チクングニア病、ジカ熱など様々な病気を媒介することで知られる、非常に問題のある蚊であるアカイエカを減らすことができるという主張の下、一貫して米国でその蚊を売り出そうとしてきました。オキシテックの提案を分析する研究は、米国ではイエネコによるデング熱やその他の病気のリスクは低いと指摘している。米国政府によるフロリダキーズでの放飼の承認を検討した「グローバリゼーションと健康」の最近の研究では、著者はこの決定について、「…火災を防止し難燃剤として機能するはずの製品の実地試験の場所として、火災のない（そして事実上火災のリスクのない）地域を提案するという決定と同様に不適切である」と指摘しています。 そのため、オキシテック社の提案の重要性は、米国ではデング熱やその他の疾病のリスクは低いとされています。この文脈では、オキシテック社にとっての米国での試験の重要性は、米国の規制当局の決定が他国での決定の基礎として用いられることが多いため、イエネコの生息数が多い他の国にも自社の新技術を受け入れてもらうことかもしれません。これは、EPAが承認し、外国企業が外国のバイヤーのために実施する実験において、米国住民と地域環境を変動要因として位置づけることになるでしょう。

25億匹という大規模な蚊の放流（現在フロリダ州モンロー郡とカリフォルニア州スタニスラウス郡、フレズノ郡、チューレア郡、サンバーナーディーノ郡で許可されている）に反対する人々は、あまりにも大規模であり、まず管理環境でのより限定的なテストを行うべきであると言っている。「我々が見たかったのは、オキシテック社と米国農務省がニューヨーク州で行ったコナガの放流に関するものに近いものだ」と食品安全センターのJDハンセン氏はSan Bernadino Sun紙に語った。「私たちの働きかけもあって、農務省が行ったのはテント張り試験でした。密閉された環境で、昆虫を放つ環境をできる限り再現し、何が起こるかを見るのです」

オキシテック社の技術では、蚊に抗生物質のテトラサイクリンに依存するような遺伝子配列を含ませて品種改良しています。テトラサイクリンがなければ、蚊は成虫になることができない。同社は、この遺伝子配列を持つオスの蚊を環境中に放ち、メスと交配させます。正しく機能すれば、生まれた子供もテトラサイクリン依存症になり、成虫にならずにすみます。

オキシテック社の広報担当者は、サンバーナディーノ・サン紙に、ある地域のイエバエの数を98％減少させたと語った。しかし、米国の規制当局は、企業の内部データを企業秘密として保持することを認めているため、この主張は公には検証できない。公開されている遺伝子組み換え蚊のデータは、そのレベルの有効性を示していない。2012年、英国の団体ジェネウォッチ UKが入手したオキシテックの機密文書によると、遺伝子組み換え生物のうち15％が成虫まで生存することができたと報告されている。これは、製造工程から微量のテトラサイクリンを含む鶏の缶詰キャットフードで蚊を飼育していたためであった。今回のカリフォルニアの農業地帯での放出計画については、EPAの認可により排水処理場、果樹園の作物、畜産施設から500メートル以内の放出が制限されているが、それでも環境中の低レベルのテトラサイクリンに遭遇する可能性が高いことに変わりはない。

ケイマン諸島の経験は、このプログラムの有効性が限定的であることを最も明確に示している。オキシテック社と2年間契約し、数百万匹の遺伝子操作蚊を放した後、ケイマン諸島の当局者は契約を更新する予定であった。しかし、試験のデータから重大な問題が指摘され、同州の環境保健相は『エドモントン・ジャーナル』紙に「この計画は我々が求めていた結果を得ることはできなかった」と語った。ジェネウォッチによって再び明らかにされたブリーフィング、文書では、「解放された地域の蚊の数に大きな減少は見られなかった」、さらに、病気をまき散らす刺すメスの数が実際に増えていたことが判明した。ケイマン島当局は、この方法が抗生物質耐性を広めるか、免疫力を低下させることによって蚊が媒介する病気を悪化させる可能性があると懸念を示している。オキシテック社がケイマン島で提案した計画では、蚊の成虫駆除剤を使用する予定であったが、同社はGE技術によりこのようなことはなくなると主張している。

遺伝子組み換え蚊も、危険性の高い殺虫剤も、蚊の問題に対する防御の第一線に立つべきではない。病気を媒介する蚊の駆除は、一般市民への啓蒙と予防策に重点を置くことで成功する可能性がある。個人でできる対策としては、水の始末、蚊を食べる魚の導入、コウモリ、鳥、トンボ、カエルなどの捕食者の確保、BTI（Bacillus Thuringiensis Israelensis）などの毒性の低い幼虫殺虫剤の使用などがある。地域ベースのプログラムは、住民にこれらの効果的な手法を採用するよう奨励し、公有地における繁殖地の排除に焦点を当て、何を、どこで、いつ防除対策が必要になるかを判断するためにモニタリングと行動レベルを促進する必要があります。適切な文化的コントロールと、毒性が低く費用対効果の高い生物学的代替手段を教育することで、危険な毒性農薬や遺伝子組み換え蚊のような実験技術の使用を回避することができるのです。

毒性の低い蚊の駆除方法に関する詳しい情報や資料については、ビヨンド・ペスティサイドの蚊管理プログラムページを参照してください。

この記事中のすべての見解と意見はBeyond Pesticidesのものです。

出典:San Bernadino Sun, Globalization and Health, Regulations.gov

EPA Permits Experimental Release of 2.5 Billion Genetically Engineered Mosquitoes in California and Florida – Beyond Pesticides Daily News Blog


※狂人ビルゲイツが資金提供している「蚊によって人々にワクチン注入」させる蚊の記事がありましたが、それを装った蚊のテストなのかもしれませんな….