日本製車両、ドーハを快走 豪華な内装、観客輸送で貢献―カタール初の地下鉄・W杯サッカー
日本でも作ってくれないのだろうか?
【ドーハ時事】サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会は、国内外から120万人以上の来訪が見込まれる。観客輸送を担うのは、日本企業が中心となって開発したカタール初の地下鉄「ドーハメトロ」だ。そこには、過去の経験に裏打ちされた確かな技術と自信があった。
ドーハメトロは三菱重工業など日本の4社と仏タレスが共同で建設し、2019年5月に開業した。3路線が運行中で、ドーハ中心部とスタジアムや空港などを結ぶ。
車両を製造したのは近畿車両(大阪府東大阪市)。設計から組み立てまで本社で行い、完成品を船で現地に運び、計330両を納品した。
「カタールは世界一への意識が強く、われわれも『世界一の車両』を求められた」。こう明かすのは同社上席執行役員の田畑果津志さん(63)だ。特に内外装への関心が高く、決定には首長の承認が必要だったほどで、「特急並みに豪華で凝った車両」が完成した。
目指したのはカタールの伝統様式を取り入れ、かつモダンなデザインだ。車両の通路部分に設置された、ねじりの入った4本のポール。ドーハ市内の高層ビルをモチーフにしたといい、手すりとして使われる。
車両は富裕層向けのゴールド、主に女性と子ども用のファミリー、その他のスタンダードと3クラスに分かれている。ゴールドクラスは「マジリス」と呼ばれる応接室をイメージし、1人用の座席を対面で配置。座面の生地や木目調の床も特別仕様で、高級感が漂う。
カタールでは、空調管理が最重要課題。外気温が53度でも車内は24度に保つよう求められた。ここで生きたのがアラブ首長国連邦(UAE)での経験だった。
近畿車両は09年開業のドバイメトロにも車両を提供しており、積載するクーラーの性能を決める際、ドバイの気温と湿度のデータ10年分を分析した。田畑さんは「ドバイで成功したのでドーハは自信を持ってやれた」と語る。
ドーハメトロはW杯中、午前6時から翌日午前3時まで数分置きに運行する。田畑さんら社員12人が現地に赴き、12時間交代でサポートする。「日本代表も勝ち上がり、メトロも快走してほしい」。誇りと責任を胸に業務に当たる。
カタールだから出来るんです。日本では無理でしょう。あきらめましょう(笑)。
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